[食事が始まったのは、結局どの頃だっただろうか。
結局いつも通りに面々が席につくのを待っただろうが、あまりにも集まりが悪いようならば、観念したようにファークに手を伸ばしただろう。
食事の開始が遅ければ、終了も遅くなる。
やはり綺麗に皿の上を空ければ、グラスに残った最後のワインを喉の奥へと流しこむ。
独特の渋みと香りには、未だ慣れられない。
酩酊しないだけ、まだマシなのだろうけれど。
食事を終える頃には、効きはじめの薬の違和はどこかへ遠ざかっているだろう。
席を立ち、食堂を出れば向かうのは大浴場。
裸足で湯船まで近づけば、洗面器に湯を一杯れば、用は済んだとばかりに大浴場を出て行った。
ぽたぽたと、滴った雫は真っ直ぐに自分の部屋へと続くだろう。
扉を閉めればシャツを脱ぎ、寝台に腰かけて身体をゆっくりと拭っていった。
後は眠るまで、本でも読んでいればいいだろう。
明日は、何の仕事が入っていただろうか。
掃除であれ、雑用であれ、それが命令でなくとも上の位の者からの言葉ならば、可能な限りは請け負っていただろう。*]
(179) 2014/12/23(Tue) 13時半頃