[程なくして。
スタジオに一人の少女が姿を見せた。約束がなされていた、その少女。ジリヤと名乗るその少女に、シーシャは「やー、ジリヤちゃん。来てくれて有難うね。やっぱり可愛いなあ、テレビで見る三倍可愛い」と、まあライブ外の情報発信のイメージ通りではあるだろう、わかりやすくチャラい反応をした。
ヴェスパタインは「此方こそ有難う。わざわさ、差し入れまで貰ってしまって……まあ、ゆっくりしていって欲しい。男ばかりで、なんともむさ苦しい、お嬢さんには失礼なところだけれどね」と、やはりそれらしく言って]
[青年はといえば、
ジリヤという少女、そのアイドルとしての実態には、思い返せば確かにテレビや雑誌で見た事があるかもしれない、という程度の、流行りに疎い人間程度の認識しかなく。
ただ、]
……やあ。初めまして。
と、いうのも、違うかな。
……よく、ライブに来てくれているよね。
曲を好いて貰えて、嬉しいよ。
[代わりに、オーディエンスとして、その少女には、見覚えがあって。素直に喜びを示す言葉と、微笑を返した]
(178) 2016/10/02(Sun) 02時半頃