さ、ぁね。ピアノは全く触れないからさ。上位サマのお気に召すかはわからないけどね。
読むのと、書くのとは全く違うのと同じでね。
[本に例えがブッ飛んだがさて、拾われただろうか。
聞くのと奏でるのとは全く違うだろうと怖くて触れなかった鍵盤へと歩み寄り、ポン、と弾く。いい音だけれど。
なんだ。
ポンポンッと指を弾ませる。音がまるでそこにあるのを知っているかのように。俺は、この音を知っている?]
『お前は何か弾けるか?』
[ピアノの音階は綺麗に”彼の発した言葉の音階”を奏でた。
バンッと鍵盤の数本を同時に弾いて不協和音を奏でてピアノの傍をふらりと離れた。]
ライジ、吸血っていいものなの?
[ライジの方を向きながら自らよりも長くいる吸血鬼に問う。
外で俺は何をしたのだろう。扉がつっかかるけれどすぐにピシャリと閉じた。突拍子もない下位の問いは返されただろうか。]
(109) 2014/12/27(Sat) 22時半頃