[疑っているのか、と。問う声に頷きはせずとも、否定をせぬことで応えて。
彼とはよほど親しいのだろう、彼女が捲し立てる彼への弁護。
それに頷きながらも、男の眼差しが揺らぐことはない。
ただ、「もしも」の先を考えての、彼女の結論に。
男の表情はいくらか和らぎを見せる]
それを聞いて安心しました。
貴女にとって酷な選択を強いられることもあるやもしれません。
けれど、御友人が約束の奥に込めた想いを、貴女がそうして汲み取ろうとしている限り。貴女が道を誤ることはないでしょう。
[そう言って、柔らかく微笑んで。
冷めかけた珈琲を飲みほして、少しの間の後、ぽつりと呟く]
彼と、もうひとり、恐らくは若い女の声でした。
その女性が事を成し、彼はそれに手を貸した。
[その声は、信じろと強制することもなく、
ただぽつりと落とす独り言のように]
(99) 2011/01/16(Sun) 16時半頃