[口にしてしまえば強制的に
己の心の裡と向き合う格好になってしまったが、
壁越しの笑みの気配を感じれば意識は再び湯の中へ。]
…あら?もしかして知らなかったかしら?
そりゃあ……ごめんね、なんだか急に
重い話持ち出したみたいになっちゃったわ。
[返答に黙って耳を傾けるうち、相手の口振りが自分の認識と異なることを知ると、やや慌てた。
中学まで仲間と馬鹿やっていた方の男子が高校に上がるや否や、急激かつ謎のキャラ変を始めた段階でツッコミやどん引きの雨霰であったこと、その時にしぶしぶ事情説明したこと、いつか直接話したロビンを始め、同級には知れ渡ったと思っていたのだが、耳に入れる側の性格や、興味の有無次第では案外知られていないのかもしれない。
ということはまだ他の生徒たちには単なるオネエだと思われている可能性も……それはそれで美味し……否、盲点だった。]
(85) 2020/12/27(Sun) 17時半頃