[ピスティオが勢い込んで駆けてきたのはいつだったろう。
何をそんなに急いでいるのかと友人の行先を見れば、ああと得心した表情になった>>75]
ストラックアウトしに来たんじゃないのかよ。
その勢い……ははーん。
桜見に来たんだろ。血が騒いだか?
[揶揄い交じりの声を向ける。
生粋の園芸部員である彼がこの満開の夜桜を見逃すはずがないものな。そして自分は彼の植物にかける情熱をとても尊敬しているし、応援もしている。
もちろん、友人だからということもあるし……ピスティオの活動成果がちょいちょいこの腹を満たしてくれるからというのもあった。収穫会やあると聞けばグラウンドから駆け付け、試食会をすると聞けばいつの間にか席に増えているのがオレだ。]
次の『作品』、期待してるぜ。
[シャッターを押し続ける背に、そんな言葉をかける。
綺麗に撮れた写真よりも、最早そちらの方を期待しているのだった。*]
(83) 2020/05/21(Thu) 21時半頃