― 自室→列車内 ―
お世話になりましたの。
[手紙を書き終わり、荷物をほぼまとめ終えるとぺこりと頭を下げて、自室を出る。]
あっ!!そうそう、おいちゃんにお饅頭渡してないですの!
おいちゃーん!おいちゃーん!おいちゃんはどこですのーーーー!
[ジャックからの大切な預かり物であるお饅頭。おいちゃんの姿をしばらく見ていない。
見え難くなりつつある瞳、声を大にしておいちゃんを呼んでみる。]
それに、それに!お歌も聞いていないですのー。
こんなときこそ、お歌ですの。このときのための楽しみに取っておいたんですの!私、好きな食べ物は最後に取っておく派ですの。
セシルさんー!セシルさんー!セシルさんはどこですのーーーーー!
[未だ見知らぬ名前だけは聞いたことがある歌い手らしきセシルの名前も呼んでみる。
目が見え難くなっていようとも、喧しい少女だった。**]
(81) 2014/05/23(Fri) 00時頃