…… 某は J型特殊制御護衛アンドロイド No.62
というのが正式な名称なのだが
J型 ―― 戦闘能力に優れたアンドロイドの型番で
その62番目に作られたもの という意味だ
[ハウスメイドや生産用、様々な種類の同胞がこの世には存在している。その中でも護衛型はコストが高く、なかなか雇い入れるクライアントも少ない。
しかし、男を幸運にも受け入れてくれる人がいた。]
我々には 基本的に識別ナンバ以外の名前はない
多少は感情はあるが ヒューマノイドに比べれば薄い方だ
ある程度“モノ”としての扱いをされてしまうと 心得ているのだが
こんなアンドロイドでも 名前を付けてくれた人がいてな
―― じぇーむす と そんな名をくれた
[それは、未だ白紙チケットを贈ってくれた人でもある。
その顔を思い出すと少しだけ、微笑みが浮かび]
(75) 2014/05/20(Tue) 22時半頃