人狼議事

154 屍鬼村5〜村は死によって包囲されている〜


【人】 薬屋 サイラス

―坂を下って―

[下り坂の勢いを殺すように自転車のブレーキをかけ、角を曲がる。
ふと、法衣姿が視界の端を過ぎった。向こうはこちらに気づいたかどうか]

(信海……か?)

[葬式があったのだろうと推測できる衣装を見れば、自ずと死を連想させる。

――村は死によって包囲されている。

あの陰気な幼馴染が村を書き表したという言葉だという。
実の所、彼自身はそのエッセイだかの載った記事を読んだわけではない。
ただこの村では全てが筒抜けになるというだけのことだ。何しろ、彼の――"若先生"の元には喋りたがりが御注進にやってくるのだ。
"若御院"のこととなれば尚更だ。
村の老人たちから見たら、彼もその幼馴染も同じカテゴリなのだろう。すなわち村の大事な"息子"だ。

幼馴染の暗い容貌に普段、快い反応を示していない連中さえも村のことが載っているとなれば嬉しくなるものらしく。
その記事が雑誌に載った折には、診察室で何度も同じような話を聞かされたものだった。
それで辟易して、ついに記事までは読まなかったのだが]

(55) 2013/12/04(Wed) 13時半頃

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