――きれい、
[姿見の中の自分は、先程俯いていた姿とは全く違う。
常以上に気品に溢れて美しい、正しく"王女"シルヴァーナ=サプリカントに相応しい姿をしていた。
無意識に賛辞を口にしながら、数秒、ミッシェルのそれよりは僅かに青みがかった瞳と見つめあい――はっ、と慌てたように我に返った。
自分の姿に見惚れる王女、なんてものが見れるのもこの部屋に立ち入ることが許されたハンスだけだ]
あ、あの、ド、ドレスが、ですよ?
[自分で自分のことをきれいと賞賛してしまったことがなんだか恥ずかしく、チークとはまた違う色で頬をあかく染めながら誤魔化すようにやや早口で言葉を続ける]
それからこの髪飾りもとても素敵。
花弁が肩に留まっていて何かしらと思っていたのですけど、
これを摘みに行っていたのですね。
[未だ気づいていないようであれば、赤が乗った肩を、自らの肩を指で叩くことで付いていると示し]
(54) 2012/01/08(Sun) 08時半頃