[兄妹の絆に少しの不安も疑いも感じていない少年の言葉に、男はただ笑んだまま、一つ頷く。忠告するまでも無かったかな、と思うと同時に、
――それなら片方がいなくなった時は、なんて。訊ける訳も無く。]
はは、生臭坊主か。今更気付いたのかい?
少なくとも、神の従者なんて立派なものではないのは確かだね。
[突かれようと涼しい顔であっさり肯定したりしながら歩き続けていくと、視界に入ってきた人影に立ち止まり。それと同時に手を振り出した少年を交互に見つつ、とりあえずは歩み寄った。]
ふむ、ヨーランダか。元気そうで何よりだ。
……うん? ペラジー?
[少女の名をすんなりと言えたのは先に少年が言ってくれたおかげなのだけれど、柔らかく微笑んだのも束の間。その口からペラジー、という単語を聞けばあからさまに驚いたような顔をした。
教会から出てきた少年とよく似た少女、ホリーを一瞥した後、白いローブを纏った青年を目に入れたなら。あ、と小さく声を漏らす。]
(39) 2011/10/18(Tue) 21時半頃