—— ガラス雑貨店「Curcubeu」——
[ようやく辿りついたのは彼の店だった>>16。
あの場所からでは男の家には遠く、選択肢として間違ってはいないのだが、ここで彼と出会ったのだとここ数日のことを思い出せばやはり、気恥ずかしさを感じる。]
はあ、びっくりしたな……
ん、どうかな、行けっかな。色々聞かれるぞ?
[主に、酒の肴として。
走り抜けた心地よい疲労感を全身に感じながら息を整え、軽く首を傾いだ。
空いた手の甲で、額に薄らと浮いた汗を拭う。]
……だから、謝んじゃねぇって。
な?
[人の道に外れたわけではない。
小さくとも大きくともない街だ、その噂はいつか知れ渡ってしまうかもしれないけれど、自らの意と反したことをしたわけではない。
二つの緋色を伺うように見つめ返し、その背に手を回した。]
(35) oranje 2014/10/31(Fri) 21時半頃