[そうして、続くクワトロの言葉に、複雑な表情を浮かべる。
腕の次は背か、と、肩口の結び目を解きやすいように立ち位置を僅か変える。
蝋梅の浮かんだ瞳を見られる必要が無いというのは、少し安心だった。]
……同族の血でも、やっぱり吸いたいモン?
[少なくとも、自身はわざわざこの傷口に唇を付けて啜りたいと思ったことは無い。
けれど、他の者からすれば、そうでもないのだろうか。
まだ、完全な吸血鬼ではないから、そんな想いを抱くのか。]
……お前こそ、薬あっても我慢できねぇ時あるなら言えよ。
日頃の礼に、1滴2敵は許してやるからさ。
[冗談に重ねて返すにしてはあまりにもみみっちい提案をすれば、笑いに肩を揺らす。]
身体の方、ちょっとしっかりめに巻いてもらっていいか。
後でチョウスケの掃除手伝わなきゃだから、動いてもずれないように。
[無骨ながらも器用な指は、きっとこちらの要望を叶えてくれるだろう。**]
(33) 2014/12/22(Mon) 04時頃