――プール――
[ ぱた、と水音を、鱗ののる肌に聞き取りながら――>>1:246「処罰」の言葉には首を振る。勿論、チェビィの意向ならば従っただろうが。
諦観するくらい、決まり決まった流れだった。たべたらしかられる。うみじゃないから。]
―― 、しんだら。
[ ふ、と。幼少から知る瞳の色が、失せる瞬間を。2度と、その手がにおいつける花も、ほんもののひかりすら映さないのだと思えば。
手を濡れたその髪に伸ばし、――手袋を外した側だと気がついて、そのままに下ろし込んだ。傷つけたいわけでは、ない。
自由、と抗う針鼠へ。そらをとうたう2羽への憧憬も。
忠告をくれた男の背へ願ったことも。今度、への返事も。
全部本当で、彼らから何も奪いたいなど思っていない。]
……“ここ”で? …満腹なら、たべない。
[ 満腹。充足なんて、吸水口から摂取する“まぜもの”の味に感じた事など、1度もなかったが。――たとえば、ここのひとをものを全部たべきったら、「満腹」になるんだろうか。人間が情動をとめらないように、どうしたってとまるわけもない、と思いながら。
たべて、たべて、たべて。――そのあとは? *]
(23) 2015/07/12(Sun) 13時頃