人狼議事


308 【R18】忙しい人のためのゾンビ村【RP村】

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メモを貼った。


――数日後――

[俺が連れてこられたのは、
 都内にあるショッピングモールの一つだった。

 施設のありとあらゆる場所を探る。

 バリケードが崩されていないかを毎日見張る。

 思い出したように政府から救援物資が届けば
 女子供を優先して食料を渡す。

 後は――外を見回りして、
 可能な限りゾンビを潰す。
 
 日々のルーティーンはそんな感じ。]


[電気は基本的に死んでいたが
 復旧すれば皆スマホよりも他の家電を使った。
 
 もしも動画サイトに
 俺の動画が上がっているのを見たら、
 なんだか嬉し恥ずかし、少しむずがゆい
 そんな気持ちになったんだろうが
 それを知る事もなく、俺は日々を過ごした。

 ようやく左腕の痛みを気にしないようになるには
 数日の時を必要とした。]


 
[数人だけのコミュニティなら維持はしやすい。

 けれどもそれが数十人に膨れ上がると、
 とたんに、統制できなくなった人間を
 人間が暴力で支配しだすようになる。

 それは、どこの世界でも同じらしい。]
 



 「申し訳ありません」

[うめき声をあげてスーツの男がうずくまっている。
 歳は30くらい。上等だったスーツも見る影もなく
 荒れた肌も乱れた髪も、
 この極限状態の在り様を雄弁に物語ってる。

 そんな男を取り囲んで叱責する人間が何人か。
 なんでも、バリケードを一人で壊して
 外に出ようとしていたらしい。

 普段俺達は外に出ることはなくて、
 出る時はすぐにバリケードをもとに戻せるよう、
 複数人で行動するものだ。
 壊したままのバリケードからはゾンビが入る。
 
 だから、目の前の男がやったことは重罪で、
 俺達にはそれを裁く権利がある。]



[………………らしい。]
 


[誰も正しさを担保してくれない世界だから
 せめて「自分は正しい」と信じてなきゃ 
 みんな、やってられないんだろう。

 けども俺はその輪に加われないまま、
 魚の缶詰を開けながら
 傍にいた元帥に話しかけていた。]



  あいつ、どうなっちまうんだろうな

 「さあ。
  よくてリンチ、悪くて外に放りだされるんじゃね」

  ……奥さんを探しに行きたかっただけなんだろ

 「にしたってここにはここのルールがある。
  仕方ねえよ。

  自分の妻を優先させるから
  ここの女子供を危険にさらしますってのは
  理屈として通らねえ。通らねえんだ。」
 


[なんだかまた元帥が暗い目をしている。
 二人でゲームしてた頃は冗談ばかり言う
 ちょっと面倒見がいいくらいの軽薄な奴だったのに
 この騒動が、元帥を変えてしまったらしい。

 なんでもいいけどやめろよその目。嫌いなんだよ。]



  ………………
  …………
  缶詰、開いたわ。お食べよ。

[箸を缶詰の中にいれて、魚肉をほぐすと
 元帥の口にそのままつっこんだ。
 こいつ缶詰開けるの下手くそなんだよな。
 
 ゾンビ化する条件は体液に触れることだから
 ここでの食い物のシェアも禁止事項のひとつ。

 箸と缶詰を元帥に渡してやって
 もう一つの缶詰を開ける作業に没頭する。
 そうする間にも、「クシャミ」と、
 元帥から声がかかる。]



「今度、外回りに行かないか。
 腕も治ってきたんだろ」

 ……あー。まあ。そうなるよな。

[男だし。若い衆だし。内にこもってはいられない。
 かつん、と缶詰が開く音がして、
 俺はうつむいたまま頷いた。

 本当は、もう、現実なんか見たくないけど]**


メモを貼った。



[明日なんか誰にもわからないから
 せめて形に残すことにした。]
 


 
「舞原菜々緒。17歳。××高校の二年。
 部活はダンス部で、
 今度大会に出る予定だったんだよね。
 今年は粒ぞろいの後輩たちも入ってきてて
 安心して後任せられるねって
 先輩に言ってもらったばっかりだったのに」

[せんぱい、と、少女は呟いて涙を零し始めた。
 それから、ダンス部の課題らしき歌を口ずさむ。
 哀悼のようだった。]



「……榎本直茂。48歳。警官。
 家族は妻と子どもが2人。
 もういいだろ。見ての通り、
 私にはもうこの子しかいない。

 三人目はどうしようかって
 呑気に言ってた自分が恨めしいな」

[眠る子供を抱きしめながら男が力なく笑う。
 子供は時折、「おかあさん」と魘されている]
 



「米田佳子。歳は言いたくない。
 職業も言いたくない。
 なに?インタビューなの?ヒマね。
 ここの連中の感想なんて総じて
 『なんで私たちがこんな目に』か
 『ゾンビが許せない』か
 『政府は何をしてるんだ』の三つじゃないの。

 あたし?
 んー。そろそろ新作試すのにも飽きたかな
 やっぱり、自己満足だけじゃ続かないわ」

[女の手元には化粧品売り場から持ってきたらしい
 いくつかの化粧品が置かれている]
 



[ここにいる人の事をノートに書き記す。
 元帥と外回りに行く日まで、
 それで空白の時間を埋めた。
 
 この騒動が終わっても
 何か記録が残っていればいいなと思った。]
 



「なに書いてんだよ」

 記録。元帥のことも書く?
 いやって言ってももう書いてあるけど

「何それ。俺の許可とれや」

[もそもそとノートに文字を書いていると
 元帥がひょいとのぞき込んできて
 興味があるのかないのかも分からない様子で
 口を挟んできた。]
 



 「インタビュー集ねえ。騒動が終わったら売れるか」

  皆経験してることなら
  そう価値もねえかもだけどね
  終わるかどうかもわかんにゃーし

 「全滅エンドってやつ?」

  そーそー。
  数百年後、荒廃した地球に下り立った未来人は
  がれきの下から古びたノートを見つけ
  当時の様子をしのぶのでしたー!みたいな?

 「全滅してるなら未来人じゃなくて宇宙人だろ。
  設定ガバいな。
  てか数百年後ってノート残るのか?」

  細かいことは気にすんなマジで
 


[ふんふんと鼻歌を歌いながら猫を描いている。]

  元帥さあ。
  この騒動が終わったら、何したい?

 「はあ? ……咄嗟に思いつかねえよ。お前は」

  俺はーんー。
 



[もういちど、進に会いたい。
 謝りたいんだ。色んな事。]
 


[そう言いかけて唇を閉ざした。

 こんな滅亡一歩手前の
 棺桶に片足突っ込んだような状況で
 唇に湿っぽい話を乗せるのはやめにしたい。]



  あんねー、
  秋葉原に知り合いの店があんだけど
  そこに行って酒が飲みたいかにゃー。

  あとあと、
  でっけーピザとコカ・コーラを宅配で頼んで
  空調の効いた部屋で元帥呼んでさあ
  終末ものの映画みんの

 「最低か?」

  最低だよ

[くく、と笑って、俺は大窓から階下を見下ろす。
 人通りのない荒れた町の中を、
 時折ゾンビらしき影が過っていった。]



[こんなに身近にある滅亡を、
 笑い飛ばせる日が来たなら、
 それ以上の幸せなんて、あるもんか。**]


メモを貼った。



[ あの子が何よりも大切よ。]
 



[ 娘も、その夫も、おじいさんも、
 向こうのご両親も逝ってしまって。

 あの子にはわたししかいないと思うたび、
 使命感に奮い立たされるのと同時に、
 どれだけ心細かったことでしょう。

 いつかわたしも向こうにいくとき、
 優しい立派な大人になったでしょうと、
 胸を張って言える日を夢見ていたわ。

 そんな日が訪れるって信じていたの。
 ……信じていたいの。最後までずっと。]
 



[ ……わかってくれる? ]
 



[ ろくに眠れもせず一晩を明かしたわ。]
 



[ 一夜明けても状況が好転することはなかった。

 時折門扉を揺らすガシャンという音や、
 裏戸を叩くような荒い音が響いたけれど、
 誰もいちいち反応することはなくなっていた。

 慣れてしまったのかしらね。
 それとも、頭が働いてないのかも。

 眠いけれど、空腹で眠れなくて、
 なんだかずっと、ぼうっとした気分なの。
 きっと皆そんなふうだったわ。

 水が止まっていなかったのが救いね。
 砂糖を溶かして飲んだりして、
 あの手この手で空腹をごまかしていた。
 もう本当に残り僅かな食糧を、
 どうにかして温存しておきたかったのね。]
 



[ そんな中、わたしは廊下を歩いていたわ。
 いつも以上にゆっくりとした足取りで。

 コンコンと数度扉をノックしたら、
 やつれた顔のお隣のご主人が扉を開けた。
 髪の毛はぼさぼさで、シャツは皺になっていた。
 改めてこうして見ると、ひどい有様だったわ。

 きっとわたしも似たようなものね。
 水シャワーを浴びたりはしていたけれど、
 もう身なりに気を遣う余裕なんてなかった。

 ご主人は何も言わずわたしを見下ろしていたわ。
 後ろから、奥さんも様子をうかがっていた。

 わたしは少し躊躇ってから顔を上げたの。]
 



  一晩よく考えたんだけど──、
  ……確かに、あなたの言うとおりだわ。
  今は……生き延びることを優先しないと。 
 


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