人狼議事


308 【R18】忙しい人のためのゾンビ村【RP村】

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【人】 宝石収集家 ビアンカ


[ ノーリーンがしきりにそれを宥めていた。
 わたしはSNSにひとつ投稿を落とすと、
 小さなカップをふたつとって、
 ほんの少しだけジュースを注いでやった。

 ひとつはゾーイを宥めるノーリーンに、
 もうひとつはラグの上に寝っ転がって、
 静かにオッドを撫でていたウィレムに渡した。

 あまり物音を立てない方が良いらしいとは、
 数日前から誰ともなく言いだしたことで、
 確かな情報かどうかわからなくたって、
 わたしたちには信じるしか道がなかったの。]
 

(17) 2020/10/23(Fri) 12時半頃

【人】 宝石収集家 ビアンカ


[ でも子どもたちに状況を理解して、
 毎日騒がずに過ごせだなんて無茶だわ。
 大人だってうんざりしちゃうくらいなのに。

 ゾーイのぐずり声を背後に聞きながら、
 わたしはそうっとリビングルームを抜け出した。

 犬たちのごはんの時間だったの。
 幸い、ドッグフードはまだいくらか残っていた。
 人間の食糧のほうが深刻な状況だわ。

 けれどろくに庭にも出してもらえず、
 犬たちも運動不足だし、元気もなかった。
 こんなに長時間部屋に押し込まれるなんて、
 これまではなかったもの、当然だと思うわ。]
 

(18) 2020/10/23(Fri) 12時半頃

【人】 宝石収集家 ビアンカ


[ 本当は庭を走り回らせてやりたいけど、
 それはやっぱり危険だとも思うのね。

 あまり吠える子たちではないけれど、
 状況が状況だけにリスクはとれないわ。

 ごめんねって謝りながら、
 エサ皿にドライフードを流しいれていた。

 すると、フードを待っていた一匹が、
 ふいにワンと一声鳴いたの。

 どうしたのかと思ったら、
 部屋に入ってすぐのところに、
 お隣の奥さんがいつの間にか立っていた。]
 

(19) 2020/10/23(Fri) 12時半頃

【人】 宝石収集家 ビアンカ


[ 奥さんは渋い顔をしていたわ。
 犬をちらりと見て吠えるのね≠ニ言った。]

  ふだんは吠えませんよ。
  急に知らない人が入ってきたから、
  驚いてしまったんじゃないかしら。

[ 現に犬たちはもう落ち着いて、
 エサ皿に鼻先をうずめていたわ。

 不意に、奥さんが数日前に言った、
 おたくは良いわね≠ニいう言葉を思い出したけど、
 どうしてだかはわからなかった。

 わたしは6匹がめいめいエサを食べたり、
 のんびりとくつろいでいるのを、
 彼らの毛を梳いたりしながら見ていた。**]
  

(20) 2020/10/23(Fri) 13時頃

【人】 猫の集会 クシャミ

[深夜。
 電話の音で目が覚めた。

 母さんからの電話だった。]

 「大騒ぎになってるけど、あんた大丈夫?
  ご飯なくなったらうちに来るのよ。
  ちょっとくらいは備蓄もあるんだから。
  お父さんも帰ってきてるわ」

[と、人並みの親として俺を心配してくれる母さんに
 なんだか涙が止まらなくなって、
 俺は笑って頷くので精いっぱいだった。]

(21) 2020/10/23(Fri) 13時半頃

【人】 猫の集会 クシャミ

[「ひとごろし」という言葉がこだまする。
 倒れた進の姿がよぎる。
 
 ……ゾンビを殺したらどうすればいい?
 そう相談しようとして、
 なにも言えないまま電話を切った。
 
 父さんは出張ばかりのさみしい家の中
 殆ど一人で俺を育ててくれた母さんだ。
 変な心配をかけさせたくもないし
 戻れば食料で困らせるだろうし
 
 結局、俺はうめき声をあげて
 空の胃にスナック菓子を放り込むと、
 布団にもぐりこしかなかった。]

(22) 2020/10/23(Fri) 13時半頃

【人】 猫の集会 クシャミ


 「From 串谷秋 
  沙良。大丈夫?
  パンダの名前、リーリンとリンリンに決まったって。
  良かったな。

  進のこと、ごめん、助けられなかった」

[メッセージアプリにメッセージを打ち込む。
 沙良からの返信は、無い。]
 

(23) 2020/10/23(Fri) 13時半頃

【人】 猫の集会 クシャミ

[翌日。
 俺は公園を訪れて、進が倒れた場所を見に行った。
 ……何も残っていなかった。

 アスファルトに体液の残滓めいたものがあるだけ。
 どこかに運ばれたんだろうか。
 俺は困り果てたようにへらへら笑って、
 人通りがめっきり減った街をふらついた。

 家に帰るなりスマホに着信。
 母さんから俺へ、気遣うような連絡があった。
 家に残っていたカップ麺に湯を注ぐ。]

(24) 2020/10/23(Fri) 13時半頃

【人】 猫の集会 クシャミ

[その次の日。
 食料がおぼつかなくなってくるのが見える。
 一人暮らしの大学生が買いだめなんてしてるわけもない。
 数日のショックから抜け出すように、
 俺はようやく、実家へ電話をかける。

 悪いけど、しばらくいさせてくれないかな。
 食べ物が心細いんだ。
 心配かけてごめん。

 そういう言葉を母さんにかけようと思い描いて、
 母さんが電話に出るのを待つ。]

(25) 2020/10/23(Fri) 13時半頃

【人】 猫の集会 クシャミ


[トゥルルルル トゥルルルル トゥルルルル

 ――――プツ。

 受話器のとられる音。]

  あ、もしもしかあさ、

[受話口から響く、うめき声。]
 

(26) 2020/10/23(Fri) 13時半頃

【人】 猫の集会 クシャミ


 「う、あ゛ ぁー あ、 あ うぅあーー あー
  あーー、が、あぁーー あ゛ぁーー あー?

  ううう゛、ばぁ……あ゛ぁ゛ぁあ…
  …あ゛あぁぁあ」
 

(27) 2020/10/23(Fri) 13時半頃

【人】 猫の集会 クシャミ


[ダンッ]

[ツー ツー ツー]

[受話器の叩きつけられる音と共に音声は途切れる。]

(28) 2020/10/23(Fri) 13時半頃

【人】 猫の集会 クシャミ


 ……ははっ。

[乾いた笑い声しか出なかった。]

[そして、進を殺してから四日が経った。**]

(29) 2020/10/23(Fri) 13時半頃

【人】 卐黒帝會卐 ハルミチ

[カレーは、3日かけて食べた。
 まだ半端に残っていたので、薄めてスープカレーにしてやろうと思ったのだが、出来上がったのはただのカレー味の液体だった。]

 アイツ、普通のカレー薄めたもんじゃねぇのか……。

[とりあえず、食パンを浸して食べた。]

(30) 2020/10/23(Fri) 15時半頃

【人】 卐黒帝會卐 ハルミチ

[SAITAMAでも微妙に辺鄙なところに位置するためか、この辺りはまだ比較的平和だ。
 とは言っても、スーパーやコンビニに入ってくる品物は極端に減っているし、個人商店の休業。交通機関も都会行きのものは概ね止まっている。

 グループLINEをひらく。
 ケントが、家族で疎開するらしい。水と空気と米は美味いが、ネットの繋がらないド田舎だとか。
 惜別のメッセージとともに「米送れ」とテキスト入力したスタンプも送っておいた。みんな続いた。ノリのいい奴らだ。]

(31) 2020/10/23(Fri) 16時頃

【人】 卐黒帝會卐 ハルミチ

[コンビニに行った。
 ラストの食パンを手に入れた。
 クソクレーマー老害が、弁当がない、お前らが買い占めたんだろと、店員に怒鳴っていた。]

 うっるせェよクソジジィ!
 マジで入ってきてねぇんだよテレビ見てねぇのかダホが!!

[暇つぶしも兼ねて、毎日来てるからよく知っている。
 商品入荷が本当に少ないのだ。先日など、トラックから降ろされたバッカンが、たった2枚しかなくて驚いた。
 クソ老害は、こんな店はもう来ないと、グダグダグダグダ文句を言いながら、店を出ていった。
 良かったな店員サン、営業妨害ジジイがひとり減ったぞ!]

(32) 2020/10/23(Fri) 16時頃

【人】 卐黒帝會卐 ハルミチ

[店員に感謝された。
 むしろ、デカい声出せてスッキリした。

 引きこもり生活って、鬱憤たまるんだよなぁ……**]

(33) 2020/10/23(Fri) 16時頃

【人】 硯友社 みょんこ

[ マンションのエントランスが見える頃には、
 街中の異変を嫌と言うほど味わっていた。

 あちこちから聞こえる悲鳴と破壊音。
 大量の血をこびりつかせて、フラフラと歩く人。

 私がその間を通り抜けられたのは、運でしかない。

 人だかり。パトカー。救急車。
 通い慣れたはずの道は喧騒が埋め尽くしていた。
 何度か、こちらに向かってくる人を突き飛ばした。
 幸い──と言っていいのか。
 人の多い朝の住宅街は、私"だけ"を狙う人は
 いなかった。]

(34) 2020/10/23(Fri) 17時頃

【人】 硯友社 みょんこ

[ 小走りに足を進めていると、両目からだらだらと
 涙が流れる。
 足元はまるでグニャグニャのマットレスのようだ。
 それでも。]

──アーサー…、アーサー……

[ 帰らないといけない。
 どこか自分と違う場所だと思って部屋を出た自分が
 本当に恨めしい。
 あの茶白の猫の元へ帰らないといけない。]

(35) 2020/10/23(Fri) 17時半頃

【人】 硯友社 みょんこ

[ 顔を上げた私が見たのは、
 白煙を身にまとう我が家だった。]

(36) 2020/10/23(Fri) 17時半頃

【人】 硯友社 みょんこ

うっ…そだあ……

[ 肩の力が抜け、どさりと通勤かばんが落ちる。
 マンションの1階、東側の方から白い煙が湧いている。
 映画じみた光景に私はただ立ち尽くしていた。
 そのまま32(0..100)x1秒ほど経ったろうか。]

(37) 2020/10/23(Fri) 17時半頃

【人】 硯友社 みょんこ

[ 手から滑り落ちたスマホが、地面に叩きつけられ、
 カシャンと音を立て我に帰った。]

し、消防、119番。

[ 指が震え、うまくタップできない。
 一度手をグッと握り、開いて、それでもなお震える
 指で119番へコールする。が。]

──何、よ。何でよ──出て!出てよ!!

[ プツプツとコールまではできるのに、呼び出し音は
 話中のそれに変わる。
 何度も。何回も。]

やだ──やだやだ──何で──

[ 煙は変わらず立ち昇っている。]

(38) 2020/10/23(Fri) 17時半頃

【人】 硯友社 みょんこ

う…あ…

[ その時の私は多分どうかしてたんだと思う。]

く…そぉあああああああ!!!

[ 悲鳴のように叫びながらマンションのエントランスへ
 私は走った。]

(39) 2020/10/23(Fri) 17時半頃

【人】 硯友社 みょんこ

[ 自分の心臓の鼓動がうるさい。
 白煙が苦く肺に突き刺さる。涙で視界もままならない。
 息がうまく吸えない。吐けない。それでも。

 エントランスのオートロックが開くまでの数秒が、
 何時間にも感じた。
 ゆっくり開いた扉に割って入るように滑り込み、
 階段を駆け上がる。
 私の部屋は、2階。]

(40) 2020/10/23(Fri) 17時半頃

【人】 硯友社 みょんこ

[ 階段を一段とばしで駆け上がり、自分の部屋へ走る。
 こんな大きな足音で廊下を通ったことはない。 ]

鍵…かぎ…どこ……

[ 手も足も、身体中がおぼつかない。
 すでに廊下は煙で薄ら暗く、光すら届かない。
 鍵を回して、いつも見知った玄関ドアを開けて。]

アーサー!!

[ 玄関から呼びかける。声はない。]

アーサー!!どこ!!

[ 悲鳴のように叫びながら、暗い部屋に入る。
 靴を脱ごうとして、なかなか脱げずにそのまま
 脱走防止の柵を蹴り飛ばして飛び込むと、
 弱々しく枯れた声で、みゃあん、と声がした。]

(41) 2020/10/23(Fri) 18時頃

【人】 硯友社 みょんこ

[ 恐らく煙に気づいて何度となく鳴いたのだろう。
 枯れた声の猫は、それでも私の手に頭を摺り寄せた。]

ごめんね…!ごめんね…!!

[ 大人しく抱かれたままじっとしているその猫を抱えて、
 私は部屋を出た。

 部屋を出ると、徐々に黒くなっている煙が目の前を
 埋め尽くしていた。
 頭の中は目の前と同じ、真っ白だった。
 その場に立ちすくみ、全身の力が抜ける。

 「みゃおん」

 わずかに身動いだ猫に思考を繋ぎ止める。
 大丈夫、いつも通る道だ。いつもの通りに。]

(42) 2020/10/23(Fri) 18時頃

【人】 硯友社 みょんこ

[ 煙が晴れたと思った瞬間、そこは外だった。]

(43) 2020/10/23(Fri) 18時頃

【人】 硯友社 みょんこ

[そのまま、走り、走り、走り。
 マンション全景が見えるところまで離れて振り返ると
 マンションの東側の煙は赤い火に変わっていた。]

あ…あ───

[ その場にへたり込むと、猫はジタバタと動いた。]

よかった…アーサー…大丈夫?
怪我してない?

[ ふと気づくと私の方がひどい状態だった。
 服は所々すすで黒く汚れ、あちこち擦り傷もある。
 猫はジタバタともがき、私の手を引っ掻いた。]

つっ──!

[ 猫は、そのままこちらに向かって激しく威嚇する。]

(44) 2020/10/23(Fri) 18時頃

【人】 宝石収集家 ビアンカ


[ リビングルームに戻ったら、
 ゾーイはまだご機嫌斜めのようだった。
 ぐずぐずと鼻を鳴らしながら、
 ソファに体を投げ出して、
 宥めようとするノーリーンを蹴飛ばしてた。

 戻ったわたしに気づいて、
 ノーリーンが困った顔をこちらに向けたわ。

 一旦家に荷物を取りに戻ります
 ゾーイがお気に入りの玩具がなきゃやだって、
 もうそればっかりで手がつけられないと。
 こうなってしまうともうダメだと言うのね。

 とはいえ男の人たちは外に出ていた。
 危険だからと私は引き止めたけれど、
 車で家まで行ってすぐ戻るだけだからって、
 ノーリーンは耳を貸してはくれなかった。]
 

(45) 2020/10/23(Fri) 18時頃

【人】 宝石収集家 ビアンカ


[ ノーリーンの気持ちもわからないではないわ。

 男の人たちは毎日外に出かけて、
 きちんと誰一人ケガせず帰ってきていた。

 ゾーイは状況を理解するには幼すぎる。
 どうしたって時折泣きわめいたりするのを、
 わたしたちは仕方ないものと扱っていたけれど、

 それでもゾーイが騒ぎ出すと、
 お隣の奥さんは落ち着かなさそうにしたし、
 ノーリーンはそのことをひどく気にしていたわ。

 なんならお隣さんには出て行ってもらって、
 また5人で過ごす術を考えてもいいと言っても、
 何かあったときに男の人がいないのは怖いと。]
 

(46) 2020/10/23(Fri) 18時頃

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