298 終わらない僕らの夏休み!
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[目の前に重なり浮かぶいくつもの光景、書物で見た事のある図形や文字列が現れては消えるのをただ成すすべもなく茫然と見つめる。 極限状態の今一斉に蘇った記憶が、支離滅裂に重なり、再生されて行く。 所謂走馬灯と呼ばれる現象だと思い当ればまたそれに関連する記憶が引き出されるように別の光景が差し込まれる。
だからこれは、命を繋ごうと懸命に脳が検索する情報の中から己に都合の良いものを選び取ってつなぎ合わせただけの、ただの夢なのだ。]
(97) 662 2019/09/13(Fri) 02時頃
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[これまで身を置いて来た群を追われて独り彷徨う夏の終わりの祭の日。 ひと月ほども先のはずの一日を過ごす、あり得ぬ事ばかりの光景に手を伸ばしたい。
近付いては何処かへと遠ざかる幾人もの顔、大切な約束をした筈の誰か、此方を振り返るいくつもの眼差し、柔らかな頬の丸み、己の名を呼ぶ優しい声、何処か遠い知己の姿、切実に響いた誰かの願い、痞えるように、零すように幾度も囁く何かの気配、そして]
(98) 662 2019/09/13(Fri) 02時頃
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[ 『オレがそんなにイケメンか?』
その通りだよ、莫迦。 言う事を聞かない腕を叱咤して、どうにかようやく指先だけを持ち上げる。
一つだけ色を塗られた爪先が彼のシャツを掴まえる。 布地の表面を引っ掻く音が耳に届いたような気がした。
ああ、ようやくこの爪の先、僅かに彼の心に触れられたような安堵が広がる]
(99) 662 2019/09/13(Fri) 02時頃
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─9月1日深夜・叶い橋─
[皆や会堂と別れた祭りの夜、浴衣姿で橋の欄干に腰を下ろし、根良伊川の水面を覗き込む。
燻り続ける炎に炙られた思考は曖昧に掠れつつある。 嗚呼、この町の時間が巻き戻る瞬間が近付いているのだ。 時折橋脚に纏わり付くようにして渦巻く水の飛沫が、燃え上がる女の纏った焔に煌めいてチカチカと光るのを半ばぼんやりと眺めながら、浴衣の懐から一通の封筒を取り出した。]
(*0) 662 2019/09/13(Fri) 02時頃
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[何度渡そうかと記し、その度に書き損じてはあきらめきれずに仕舞い込んでいた手紙の束は全て処分した。 娘を亡くした母親が机や荷物を整理した時にうっかり未投函のこれらを見つけ出して最後の願いとばかりに彼の元へ届けられてはたまらない───
この先の未来へ進むその背に重たいものなど残しては行きたくないのに。
伝えれば良かったと後悔した事も数えきれない。 それでも悔いる事が出来るのは生きてその先の未来へと己も進める者だけが持つ権利だと思えた。
それでも想いの全てをただ破棄してしまうのは哀しいと最後に記したこれだけは共に去ろうと持ち出して来たのだ。 封筒を開き、一枚ずつ切実に綴られた文字を眺めては、昏い水面へと落として行く。]
(*1) 662 2019/09/13(Fri) 02時頃
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『嫌いにならないで』
[書き連ねられた文言の挙句の果ての最後の一文には呆れ笑いに肩を揺らしながら、そう言えば似たようなメッセージを送り付けた、と結局同じ事を繰り返した日の己を小さく鼻を鳴らして嗤った。
否、こうして繰り返した日々もまた死に際した己の都合の良い夢だったのかもしれないけれど。
最後の一枚を手放す。 ひらひらと風に舞い川面へ落ちて行く紙片を目で追う内にぐらり、と体が傾いで己もまた水面へと崩れ落ちる。
9月1日に託した願いを叶える事の叶わなかった燃え盛る亡者は、然し満足げに笑みを浮かべて水底に降り積もるいくつもの願いの上に溶け零れるように姿を消した。 苛まれ続けた痛みも熱も、憂いも悔いも既に無い。
後は川面にちかちかと瞬く星々の明かりが映るばかりだった───**]
(*2) 662 2019/09/13(Fri) 02時頃
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/* おわり!!!!!! まあもう星の話で終わってはいたと思うんだけどやっぱ出口しゅきーの話も片付けて終えたかった 出口くんほんとにいっぱい色々押し付けました最後嬉しかったありがとう〜〜〜〜〜アニキ〜〜〜〜
多分何か小さな本とかけんちゃんにも渡してたJK名刺とか、ちょっといいボールペンとか男子が持ってても大丈夫なやつ選んでもっていってもらったんだろな
(-401) 662 2019/09/13(Fri) 02時頃
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『ボール!』
(100) fuku 2019/09/13(Fri) 02時半頃
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[ヒナコの家から戻った、数日後の話――――]
(101) fuku 2019/09/13(Fri) 02時半頃
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― 9月12日 ―
[オレは、この日になるまで待たなくてはならなかった。 何故なら、ソイツはクラスメートをぶん殴って停学になったからだ。 馬鹿なヤツだ。オレみたいに壁ドンで済ませておけばよかったのに。もしかしたら頭もパンツのゴムみたいに弛んでいるのかもしれねェな。 自分の事は棚に上げて笑う。]
(102) fuku 2019/09/13(Fri) 03時頃
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ちょっと悪ィ、2年の鹿崎ってお前でいいのか? 少し時間あるか?
[鹿崎を2年の教室前の廊下で呼び止める。 オレはウソをついた。オレは鹿崎を覚えている。 向こうに警戒されないための、ウソを。]
(103) fuku 2019/09/13(Fri) 03時頃
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ちょっとお前に渡したいもんがあるんだわ。 なに、そんなやべーもんじゃねぇからビビった顔すンなよ。
[カバンの中からオレはお目当てのモノを探す。]
(104) fuku 2019/09/13(Fri) 03時頃
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はい、コレ。
[オレは鹿崎に『パンジー』の栞を手渡す。]
コレさ、『ヒナコ』からの贈り物。 どうするかは、『君次第』だわ。
[無理矢理にでも鹿崎に手に取らすと、オレは踵を返し、その場を去ろうとする。]
(105) fuku 2019/09/13(Fri) 03時頃
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あ、そうそう。『パンジー』の花言葉って知ってるか?
[振り返って鹿崎の眼を見つつ。]
ヒナコの母ちゃんから聞いたんだけど、
(106) fuku 2019/09/13(Fri) 03時頃
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『一人にしないで』、『私を忘れないで』って意味なんだと。 そンだけだ。ほいじゃァな。
[回りに囲まれても、『一人』だったヒナコに寄り添おうとした一人の少年。 彼の思いも、オレは『覚えている』。 今は覚えていないのかもしれないけれど。
忘れさせてはいけない、使命がオレにはある。 オレに『記憶が残ってしまった』のは、きっと女心のわからねぇオレに課せられたヒナコからの『おしおき』なんじゃねぇかなァとか*思ってみたり*]
(107) fuku 2019/09/13(Fri) 03時頃
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/* そっかあと1日しか(ry
(-402) fuku 2019/09/13(Fri) 03時半頃
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/* っちょ 出口いいいいいいいい
(-403) wallace 2019/09/13(Fri) 06時頃
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/* 俺、生涯、二番手でもいいんです。
って言わせたいんだな?(違う おうおうちょっとおパンツのゴム買ってくるからよぉ 延長しておいてくれよぉ
俺ぁ三連休なーんにもないんだからよぉ(^3^
[鹿崎迷人長考タイムと見せかけてお仕事!**]
(-404) mononoke 2019/09/13(Fri) 07時半頃
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/* いいの色々きてるなあ…!
とおもいつ、延長しておいてくれよおとあるので延長しますよ! 張り付いてなきゃいけないわけでもないし!
次村ある人いるかわからないけど、エピかぶったりしていいならこっちは問題ないですからね〜!
(-405) gekonra 2019/09/13(Fri) 12時頃
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/* 生き続けるのが苦手いいなあ! そりゃ会長は絶対そう思うだろうしな…!図太さ含めて人間要るものがいっぱいある……
て思ったら秋山先輩おぼえてるwwwwwwwwww わろた!!!いいねwwwwwwそれもまたよし
(-406) gekonra 2019/09/13(Fri) 12時頃
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/* 延長ありがとー!
雛子と出口を微笑ましく見守る。 ちゃっかり鹿崎にもパスしてる出口、イケメンすぎでは???
(-407) wallace 2019/09/13(Fri) 12時半頃
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『ボール!』
(108) fuku 2019/09/13(Fri) 12時半頃
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― 9月某日 ―
[鹿崎に会ってから数日後、オレは廊下で『アイツ』を呼び止めた。本来ならもうちと前でも良かったンだが。]
(109) fuku 2019/09/13(Fri) 13時頃
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会長。『久しぶり』だな。
[――――『会堂航』。『9月1日』の記憶が無ければ、久しぶりなハズだ。]
(110) fuku 2019/09/13(Fri) 13時頃
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突然申し訳無ェな。ちょっと『貰いモン』したんだが、オレよりも会長にピッタリだと思ってな。
[オレはカバンから会長に差し出したのは、]
(111) fuku 2019/09/13(Fri) 13時頃
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ホラ、コロンとかオレのガラじゃねェだろ? いや、会長なら少しはさ。いい匂いだろ?会長イケメンだしなんとかさ。
[某有名ブランドのコロン。バラの花束に『スイートピー』のベースノートを感じるヤツなんだと。 こっそり岸に教えてもらったから遅くなったの、ここだけの秘密な。]
(112) fuku 2019/09/13(Fri) 13時頃
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ここだけの話、『ヒナコ』から貰ったヤツだからな。 お前大事にしないと『泣かれる』からな。 ま、よろしく頼むわ。
[『スイートピー』の花言葉は、『束の間の幸せ』 彼女の『束の間の幸せ』を埋めてくれた会長を、正直羨ましく思っている。オレは、鈍感過ぎて叶えられなかったから。 女性陣から総スカンだろうな。岸からは呆れられ、安住あたりは狐の面をつけたまんまで『また怒らせたんですか』とか言われても仕方無いな。]
(113) fuku 2019/09/13(Fri) 13時頃
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あ、あと従兄弟の彼にも『よろしく伝えといて』くれよな。ほいじゃ。
[オレは会長に『貰いモン』を半ば押し付けると。 オレは、人気の無くなったプールを見つめる。]
(114) fuku 2019/09/13(Fri) 13時頃
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あとは、颯成(アイツ)だよな…………
[気にかかるのは、宍井と親しげにしていた、少年の姿。 宍井を忘れないでいてあげるのは彼の『使命』だと、オレは思ってるけれど。
せめてキャッチボールくらい出来たら、*なんてナ*]
(115) fuku 2019/09/13(Fri) 13時頃
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