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カルーアは度数が高いの?
[これには少し驚いた。
だって甘くて飲みやすかった。一杯飲むくらいでぼんやりしてしまって、あんまり覚えていないけど。
強いお酒だったなんて、知らなかった。]
こ、来ないですよ。
オットーもウッチーも、わたしが飲めないの知ってるもの。
二人になることも、ないし。
[だいたい夜シフトが終われば深夜。
賄いを食べてお腹を満たして、近くのお互いの自宅に帰る。
二人になるとしたって、帰り道の少しの間くらい。]
はい、初めてで――
…………え。
ええと…………そうですね?
[こういう店は初めて、を再度肯定しようとして、続いた言葉に思考が止まる。
何? ナンパ、って、言いました?
あたまがまっしろ、という表情を隠しも出来ずに、瞬きを繰り返しながら曖昧な返事をした。]
[ちなみに、疑問符で締めくくったのを他の店の誰かが聞いていたなら、呆れ顔で初めてじゃないでしょ、と窘められるかもしれないが、生憎ここには誰もいない。
根っから染み付いたお人好し、ナンパをナンパと気づかずに、手助けしたりお茶に付き合ったり、は前科がある*]
メモを貼った。
メモを貼った。
ご自宅でも作れますよ。
ホットワインみたいに暖めても美味しいかと。
[料理人の彼女にアレンジの提案というのは釈迦に説法だが、ひとつずつ、確かめるみたいに聞いてくれる声が嬉しくて恥を忘れる。調子に乗らないように自重しても、顔に張り付く笑みが普段の三割増し。]
牛乳で割っている分、原液ほど高くないですがビールより度数がありますよ。勧めてくる方には―――…、注意してくださいね。
[口当たりの良いカクテルはすべからくレディキラーだ。アルコールに明るくない彼女を慮って言葉を添えるも、丁度そのタイミングでドリンクが運ばれてきた。
オレンジを狐の尻尾に見立ててグラスの縁に引っ掛けたサングリアと、件の女殺し《カルーアミルク》]
………。
[ススス。
笑みを張り付けたまま、やわいモカ色を引き取る。]
[気を取り直すように咳払いを挟んで。]
お二人とも紳士的な方ですからね。
夜遅くに女性を連れ出す行為は避けているのでしょう。
そこに親しさや思いやりはあっても、他意がないのは理解しているのですが…。それでも嬉しいものです。
[グラスの曲線に円弧を描く唇を押し当て、唇を濡らす程度糖分を摂取する。己の突拍子もない発言を受けて、惚けている彼女を肴に。]
……ご存知かと思いますが、僕はmurmur coneyが好きなんです。ですから、出来るだけ行儀の良い客と思われたいんですよね。
戸崎さんにでもですし、他の方々にも。
お店が客に選ばれたいように、その逆もあるとは思いませんか。
[アルコールを喉に滑らせ、意識を冷やして酔わす。
瞼を下してしまうのは勿体なくて、驚愕の顔から視線を外さぬまま。一度だけ、ゆっくりと瞬きで瞳を洗い。]
―――…鋼の理性と鉄の意志で言わなかったこと、
実はいっぱいあるんです。
[僅かに上体を傾け、卓に肘をついて乗り出した。
店のカウンターで見せるポーズだけの内緒話では無くて、此度は彼女だけに、静かに囁く声量。]
戸崎さんは、かわいいですね。
[音がしそうな彼女の瞬きを、間近で数えて。]*
メモを貼った。
――へえ。
温めるのは、おいしそうですねぇ。
そうしたら、シナモンとかも入れたいな。
[ホットワイン自体は未経験でも、温かいフルーツの味わいは想像できる。
笑顔の深まる宅本さんにつられて、だんだん緊張も笑顔に変わってきた。]
牛乳、おいしいからなぁ……気をつけます。
ビールは苦くて飲めないですけど、カルーアは飲んじゃいそう。
[そこでちょうど、ドリンクが運ばれてきた。
ミルキーな褐色と、色鮮やかな紫。]
……あ、
[スッと、カルーアミルクが宅本さんの手の中に。
ちょうど気をつけろと言われたばかりで先にそちらを取るアクションに、他意なく紳士だと思った。
アルコールに挑戦したいという気持ちはあったけれど、まず入り口はノンアルコール。
フルーツの踊るグレープジュースを、ひとくち。]
[グレープジュースは、想像以上にさっぱりしていた。
漬けられたいくつかの柑橘に、ベリー。
甘いぶどうの風味に、酸を足してくれている。]
でもそれは、宅本さんもでしょう?
[会話のうちに、同僚を紳士と評する言葉があればそこに目の前のひとを含めた。
だって今も。いくつも気遣いを見せてくれている。
けど、でも。
ナンパ、って聞こえた言葉が、頭の中をぐるぐる回る。]
え、……あ、はい。
それは……なんとなくは。
[murmur coneyが好き。
それは、なんて嬉しい言葉。]
そんなふうに言われなくても、すてきなお客様、だと思いますけど――
[客観的にはこうして閉店後にお酒をいただいているのは、褒められたことではないのかもしれないけど。
自分から乗っかったようなものだと思うから、宅本さんは悪くないと思う。]
お客さんがお店に選ばれたい……?
[その逆、はぴんとこなくて。
そのままひっくり返したけど、お店は誰を拒むようなこともない、はず。]
[鋼の理性。いつか聞いた言葉。鉄の意志。
やってくる単語を一つ一つ頭の中に落とし込んでいるうちに、距離が不意に縮まった。
テーブルの上。乗り出して、半分の距離。]
かわっ――……
[あんまりにも驚いて、言葉を失った。
瞬きはまた繰り返し。睫毛が何度も上下する。]
わ、わたし、が?
……わたし、に、選ばれたい、ってことですか。
[話を総合してみる。
これはナンパらしい、ということ。
お客は店に選ばれたいらしいこと。
カルーアミルクは度数が高いこと。
勧める人は注意した方がいいこと。
紳士は深夜女を連れ出さないこと。
そういうことなんだろうかって、さっきとはまた違う緊張が急に襲ってきた*]
貴女に構いたがるのは、僕が紳士だからではないですよ。
貴女に限っては、きっとその逆です。
[楽しいお酒を。と誘ったはずなのに、彼女を困らせ、楽しんでいるのは男の方。あまいデザートカクテル程度では酔わないけれど、夜の街に繰り出してからずっと陽気な心地が胸で躍っている。]
そうですねぇ……。
[行儀の良い客、と聞いてもカウンター内の住人である彼女の反応は鈍い。カウンターを挟んだ内側と外側、繋がる橋になる言葉を選ぶ暫しの間。]
―――…例えば、残さず全て食べきるとか。アルコールでなくてもドリンクはオーダーするだとか。誰も聞いていなくても、美味しい時は、美味しいと口に出すとか。味の感想を伝えるだとか。
マナーも含むのですが……、
また来てほしい、と思われるゲストになりたいです。
[己がどれだけ厄介な客でもうさぎの巣穴は拒まないだろうが、これもまた気持ちの問題だ。
飲食に対し、金銭を支払う。
そんな消費契約のみでは到底語りつくせない思いが彼女の店にはある。]
だから、我慢していたんですよ?
首筋がお綺麗ですね、とか。
旋毛がまんまるですね、とか。
貴女に不埒な軽口を叩かないように。
[見つける度に飲み込んできた、彼女のかわいいところ。
それでもこれらはまだまだ初級編。
鳴き声もかわいい。
―――― なんて言いだしたら振り切る可能性がある。]
[近付いた彼女からは爽やかなフルーツの香りがする。
瞬きに合わせて瑞々しい芳香が弾けるよう。]
直ぐに答えなくても大丈夫ですよ。
ビックリさせている自覚はありますからね。
でも、意識して、考えてください。
そして、出来れば検討してくださいな。
貴女に好かれるよう、目一杯努力しますから。
[ひそひそ話を丸い耳に向かって吹きかける。
カウンターの中でもその気はあったが、オフの彼女は小動物のような反応をする。耳のカーブに触れたい誘惑に、少し瞳が揺れた。]
貴女の彼氏になりたいってことです。
[彼女だけに聞かせる内緒の吐露。
視線を合わせてニコリと笑った。]*
[うん、うん、と。
並べられる「行儀のいい客」の条件を聞いては、一つずつ同意を示すように頷く。
全部食べる人、ドリンクを頼む人、美味しいって言ってくれる人。
そう、宅本さんは、そんなすてきなお客様。]
宅本さんは、いつだって、また来てほしいお客様でしたよ。
オットーみたいにサンドイッチ作ろうかな、って時々思ってました。
[そう思うよりずっと早く、毎日のように見かけるお客様になっていたけど。
そんなにこの店を好いてくれて、店の味を好いてくれて、サンドイッチを作る乙坂が羨ましかったくらいに。]
[首筋や旋毛を褒められたのは、はじめてだ。
ついグラスを支えていた手が、首筋に伸びる。]
ふら、ちな、軽口……
[これでも不埒の意味くらいはわかる。
その軽口を叩く相手をどう見ているかも、わかる。
きっとそれこそ、「行儀のよくない」お客様にそんなことを言われていたら、背筋が震えるほどに怯えていた、かもしれない。
でも、今は?]
[すぐに答えなくても、と言ってくれた。
けれど、答えたほうがいいのだろう、と染み付いたお人好しが頭の中で叫んでる。
意識して、考える。
検討する。このひとは、わたしのことが。
例えば、これが本当に知らない人なら。
考えられません、と一蹴した。
例えば、同僚の誰かなら。
驚いて、それから何度も理由を聞いて。
けど、断ったら店に居づらくなるかも、と思ったら悩んでしまうだろう。
じゃあ、今は?
宅本さんは?]
[はじめて会った時、道に迷っていた。
あの時、宇津木でも重いと言った荷物をさらっと持ってくれた。
紳士でないなんて言うけど、きっとそんなことないんだと思う。
話し言葉がおもしろくて、興味が湧いた。
親近感があった。
作ったものを、おいしいと言ってくれた。
好きなプリンに、名前をくれた。
内緒話をしてくれた。
作ったものを、もう一度と言ってくれた。
名前を、考えてくれると言っていた。
どこからわたしを想われてのことなのか、わからない。
でも。]
あの……ええと。何か、変かもしれないですけど。
いやじゃ、ないです。
[思い出が、たくさんある。]
あ……なんて言うんでしたっけこういうの。
おともだちからお願いします?
……でも、もうおともだちみたいなものかな……
[最後は独り言じみて、ぽつぽつと。
この関係をなんと言おうか。知り合いも、常連も超えた、これから育む、この関係を*]
戸崎さんもサンドイッチを?
それならフライドポテトも付けてほしいです。
[店外だからリクエストにはならない、だからこれは浮かれた我儘だ。
己の誘いに乗ってくれたこと、夜半に二人で会ってくれたこと、己の想いを邪険にしないこと。どの時点で拒絶されても可笑しくないのに、彼女はずっと己を舞い上がらせてくれるから。
今の我が身は、我が心は、きっと30cmほど浮いている。]
取って食べたりしませんよ。
ああ、いえ。意識して頂けるのは嬉しいので、手は、そのまま。
[首筋を押さえる指先に笑みを噛んでも、図々しい男は彼女に安寧を齎さない。不躾なまでに彼女を見つめ、グラスを傾ける。
不意に卓に降りた沈黙も、不安を駆り立てるものではなく、寧ろ、途絶えた音に安堵した。なにせ彼女は見るからに懸命に頭を回してくれている。
……考えてください、って言った端から、こんなに真剣に考えてくださる。
こういうところ。
ますます好きになっちゃうんですよねぇ。
[ゆっくりと椅子に座り直しながら紡ぐ独り言。
首肯をうんうんと繰り返し、懊悩する彼女には聞こえないくらいの声量で。]
いいえ、変じゃないです。
僕は嬉しいです。
[彼女が再び言葉を発するまでの間にグラスは空いて、いつしか男は頬杖を突いていた。無論、瞬きの回数を減らして見入っていたのは彼女の表情。]
関係性に名前を付けなくても、大丈夫ですよ。
料理に名前が欲しいなぁと思うのは、もう一度頼みたいからですが ―――…、
[彼女に選ばれたくはあるが、それは妥協や打算であって欲しくない。うさぎの穴へと通ってすっかり舌は肥えてしまった。]
名前が無くても、僕は貴女が好きです。
でも、好かれる覚悟はしておいてくださいね。
[最後は少しだけ挑発的に。
店で口説くような真似はしないけれど、想うだけは自由自在。
―――― “美味しい”と“好き”で育てる想いというのも、中々贅沢だ。]*
フライドポテト。
つくります。
この間、ウッチーにもオットーにも評判だったんですよ。
[答えやすい話題になって、ぱっと顔が上がる。
トスカーナポテトをまた作ろう。自分で食べるためだけでなく、食べてもらうために。
それもまたすぐ、"考える"ために俯き気味になるのだけれど。]
[そして、考えて、思い出して、紡いだ答えは変ではないらしかった。
ほっと、息を吐く。
少し笑えた。]
んん……えと、じゃあ、名前のない関係、で。
変わることはあっても、同じには戻れないですもんね。
[料理の名前は、繰り返すためのもの。
変わりゆくその瞬間だけのものには名前がなくてもいいと、ずっとそう言ってきた自分が名前にこだわるなんて、おかしい話。]
好かれる覚悟、って、どういうことしたらいいんでしょう……?
ううん……
[けど、関係性に名前はなくなったのに、新しい悩みが増えるのは、予想外。]
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