254 東京村U
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………これだ。
[山岸五郎が食い入るように見つめているページには、ワタリガラスの姿があった。日本のハシブトガラスより大きな……ちょうどあの大カラスほどの大きさだ。
そして、その近辺のページにはトリンギット族の文化資料として、彼らの村に遺されていた羽の生えたトーテム像の写真が映っていた]
あの部屋の最初の死亡者……桜井安吾の専攻は北米先住民族に関するフィールドワーク………
ひょっとしたら。いや……
多分これが、当たりだ。
[山岸五郎の呟きは、誰にも聞かれる事はなかっただろう**]
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[アンケートの女の、充血した目が、こちらを向く。(>>145) 訳の分からない団体の、知らない女。 ただの他人なだけで、乱暴をしてきそうなわけでもないのに、「知られている」と感じるそれだけで、ぎくりとしてしまった。
キルロイ先生に助手だと紹介されたから、とりあえずはそういう事にして、軽く会釈をする。]
(167) 2016/10/06(Thu) 22時半頃
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[まるで女が訝しむように、キルロイ先生に質問を返すあいだ、ひやひやした。 キルロイ先生と、アンケート女が交わす会話を、黙って、黙って聞き続けていたが――]
(168) 2016/10/06(Thu) 22時半頃
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[――東蓮寺くんは、迷子になってしまったらしくて。]
……!? ま、迷子!?新宿で?今は?
電話、貰ってるってことですか?
(169) 2016/10/06(Thu) 22時半頃
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[ハナコちゃんのことを、お兄さんの声が少し小さく響いた。ハナコちゃんは気にせず右手を引っ張って進んでいて、聞かれたことには一度だけ振り向いたけれども、笑っただけ]
……私も、よくは知らないんです。
時々、家の冷蔵庫が開くようになって、私ママかパパが閉め忘れたのかなって思ったけどちがくて。
でも、怖いって言うより不思議なだけだったんですけど。
昨日帰ったら、ママとパパがもう帰ってきてて、誰かと話してるんです。
「私」がそこにいて、会話をしてるみたいに。
そしたら、出てきた「私」はただの影だった。
あそぼうって、私の部屋に逃げ込んだから、後を追って、それから、――テラスに。
[そこから先を良く覚えてない。
誰かに、引っ張られて、それから]
「ヒナちゃんとね、アソビタカッタ」
[思い出そうと左手で頭を押さえる。前を行くハナコちゃんがぽつりと口にした言葉に、その左手はまた下に落ちた。ハナコちゃんの表情はわからないけど]
「デモ、だぁれもきづいてくれないの」
「ヒナちゃん、小さいコロから、知ってるんだよ」
「あのイエは、コワいけど、ヒナちゃんに気づいてモラエたの」
小さい頃から? あの家に来る前から?
[小さく頷いて、ハナコちゃんは前方にある階段を指さした]
「ダイジョウブ、だよ。シンパイしないで」
[ハナコちゃんを怖くないのは、その存在をどこかで知っていたからなのかな、なんて]
PPP イルマは、メモを貼った。
2016/10/06(Thu) 23時半頃
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[知ってたはずのところにいたのに、知らないところに出た――新宿西口での出来事を思い出す。 こんな通りあったっけ、なんて、確かに思った。 新宿ダンジョンなんて呼ばれるけれど、一日、二日たっても出られないなんて絶対におかしい。どう考えてもあり得ないのに、どうしてこの女は悠々としているのだろうか。 入間は首を左右にゆるゆると振っていた。無意識だった。
それに――それに。また知らない人が自分の名を呼んでいる。 アンケート用紙には、入間は名前も住所も書いていない。 従兄が名前をこぼしたのかもしれない。 はたまた――あの「なりすまし」の偽親達同様、いつの間にかに名前を知っているのかも。そう思うと怖気がする。]
……どうして? 電話、受け取ってたのに、探しにいってあげないの?
ば、場所は?新宿駅? どうしてあなたにだけ、電話がつながるの?
(175) 2016/10/06(Thu) 23時半頃
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PPP イルマは、メモを貼った。
2016/10/07(Fri) 00時半頃
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