人狼議事


308 【R18】忙しい人のためのゾンビ村【RP村】

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[ ……でもね、わたし本当は、
 やさしくて利口なあなたが好きよ。]
 



[ けたたましい音が響いたわ。
 何かしらねえ。もうよくわからないの。

 人の声もするわ。
 お隣のご主人かしら。それとも息子さん?

 あんまり騒がしいから、
 ノーリーンがわたしを食べるのをやめて、
 そちらへ向かうことにしたみたい。

 ああ、床に転がっていると、
 木戸を打つ音がよく体に響くの。
 もうきっとだめねえ。
 じきにここもまた騒がしくなるわ。]
 



[ べろりと何かが頬を舐めた。
 やあねえ、くすぐったいわ。
 そこにいるのは誰かしら。

 犬たちの吠える声は、
 今はてんでばらばらに聞こえるわ。

 ごめんなさいね、こんな飼い主で。
 あなたたちのことを守ってやれなくて。
 わたしの一番にしてあげられなくって。

 もう、逃げてもいいのよ。
 こんなこと言って、
 わたしは本当にひどい人間ね。]
 



[ 雑多に音が響く世界で、
 わたしは静かに耳を澄ませて、
 そのときを待って呼吸をしていた。]
 



[ そして、そのときはやってきた。]
 



[ ……ああ、よかった。
 かすかに、エンジン の、音が──、**]
 


[遠くで何かが崩れる音がした。

 ショッピングモールの元噴水広場で
 子供たちとサッカーをしていた俺は
 びくりと背を震わせて騒音の方を見る。
 
 何してんの、とか、
 もう耐えられない、とか、
 
 そんな声が聞こえた気がして、
 すっかり得物になってしまった金属バットを構えた。]


[ 最後に見渡した電子の世界は、
 それでも綺麗事に満ちていた。
 もう一度私は、私の中の毒を投稿しようとして。]

あれ───

[ 投稿画面ボタンを押したまま画面が止まる。
 ローディング中のまま、何秒経っただろう。

 「投稿に失敗しました」

 無機質なメッセージが画面に表示されて気づいた。
 携帯が圏外になっていた。]

ああ───もう。

[ 私の怒りは届かない。
 恐らく近くの基地局がやられたのか、
 そもそもインフラが死んだのか。
 いずれにせよもう私の怒りは世界に届かない。]


―― とある非人間の日常 ――


[ヴゥン、ヴヴゥン。

 鄙びた雑居ビルの一室で、
 空調が低い唸り声を上げている。

 ――いいや、違った。

 ボロボロのスーツ姿の男が喉を鳴らして
 奇妙な呻き声を漏らしているのだ。

 壁の配管に手錠で繋がれた男は
 ギョロ、ギョロと作り物の人形のように
 充血した眼球を時折動かしている]
 


[ひとだったものを殺すことにすっかり慣れてしまった。
 それでも、虫の知らせというか
 嫌な予感には背筋が震えた。
 
 駆け込んできたダンス部のJK――菜々緒が叫ぶ。]

 「榎本さんが外に出て……
  だめ、バリケード、崩されちゃった。
  ゾンビたちが来るよ!」

  ――、
  ……ああ。とうとうかぁ……

[悲痛な叫び声だった。
 子供たちは悲鳴をあげて各々、
 母親や父親と思いつく限りの隠れ場所へと向かう。

 元帥、と、俺は噴水の傍で
 うたたねしていたそいつを揺さぶって
 寝ぼけ眼に悪い知らせを叩きつけてやった。]




  ま、ま……まるとく じょうほ……
  れれれれれれいばんの
  さんぐぐぐらす
 
  げ、げ……ていにじゅううよ、よじかん
  とっ……………か、ににににせんよんひゃ……
  えん おとく で

  くくくくくくりっく


[けたけた。けたけた。

 かつて人間だったものは愉快に繰り返す。
 人間の声音とはかけ離れたそれは、
 まるで壊れたレコードのようだった]
 



[偽物のサングラスの入った
 段ボールに囲まれて
 男は仮初の命を享受する。

 時折、血に飢えたかのように
 自らの腕を齧る。
 白い骨が、めくれた皮膚の合間から
 見え隠れしていた]
 



[痛みもない。苦しみもない。
 ただただ、楽しくて。

 仲間を増やさなきゃ。
 なんだかおなかが空いたし。

 この手錠、邪魔だな。外れない。
 腕を捥いじゃおうかな。
 今はやめとこう。

 ああ、おもしろい。しあわせ]
 



 「食料が尽きるかバリケードが崩れるか
  どっちが先に来るかって話だったな」

  ねーえ、元帥。その通りだけどさ、
  おまえさん達観しすぎでない?
  
 「政府からの物資も届かなくなったし
  おまえだってわかってたんだろ? ジリ貧だってよ
  ……さて」

[元帥はあたりを一瞥する。

 逃げ惑う子供たち。

 ひとまず歳の小さいものの命を
 優先しようとする女たち。

 我関せずとありったけの食糧を持っていこうとする
 だらしのない男たち。]




  ……あは


[心底幸せそうに、それは笑った]**
 



 「今俺達の目の前には選択肢が二つあるわけだ。
  逃げるか、戦って死ぬか」
 


[どうする? と元帥が死んだ目を向けてくる。
 すっかり血の滲んだバットを肩にかけて
 俺は力なくにっと笑って、
 栄養不足気味の痩せた体で胸を張って
 格好をつけてみせた。]

  サイコーにカッコいい三択目。
  戦って生き残る、に決まってんでしょ。

[男子よ、最期まで英雄たれ。

 そう格好つけて言い放った直後。

 ショッピングモールの入り口付近のバリケードが
 大きな音を立てて崩落するのが聞こえた。]*


[ 頭をぐしゃぐしゃとかきむしり、
 血に濡れた布団をベッドから蹴り飛ばす。

 ──アーサーがそうしていたように、
 私はベッドの上に横たわり、そのまま丸まった。

 "あいつら"が来たらどうしよう。
 ちらりとよぎった思考は、すぐに溶けていった。]


メモを貼った。


[ そのまま何度か、目覚めては非常食を食べて。
 食べたらまた寝て。
 マンションの貯水槽はまだ無事らしく、
 トイレは普通に使えた。
 水の色は濁った赤錆色で、とてもじゃないけど
 飲む気は起きなかったけれども。]


[ 眠っているときに夢を見た。]


メモを貼った。


「あんたは可愛げのない子ね」

[ 夢の中で顔の見えない女性が言う。]

「譲ってあげなさい。あんたはいらないでしょ」
「こんなものいらないでしょ。捨てといたわよ」
「いつまで泣いてるの、面倒な子ね」

[ その女性も悪い人ではない。
 ただ───私がうまくやれなかっただけ。

 単に、合わないだけ。

 だから。

 いつの間にか女性の足元には、
 私が我慢した物がうずたかく積もっていく。
 その山が高くなるほど、女性と私の距離は広がる。]


[「わたし」はもう戻ってこなくなっちゃった。

身も心もゾンビになってしまったら
もう思考も、言葉も、
わたしが人間である証は
なんにもなくなってしまって。

血だまりのなか転がってた母は
しばらく経つと立ち上がって
ふらふらと外へ歩いてった。

そういえば
母の肉を口にした瞬間だけ。

身体中の痛みと、心の空虚が
癒える気がした。

だから母も、きっと、探しに行ったのだ。]


メモを貼った。


メモを貼った。


[―――運転を始めた最初は酷いものだった。
運転技術なんてないに等しいってのに、
ゾンビがそこらじゅうを徘徊し、
窓ガラスは割れ、ごうごうと煙をあげるビルの横を
見ないフリをして、走らなきゃいけなかった。

郊外とはいえ、ここは東京のはしくれだ。
>>2:*4東京はこの感染騒ぎの筆頭だっていうのに
自分の住んでいるところはまだ大丈夫だろうと
きっと、生き残りが集まっている場所があると、
そんな風に思っていた。

数日分の食糧の用意だけはしておいて、
この期に及んで、僕は、
すぐに頼れる人が見つかると期待していたんだ。]


[町中に無事な人は、居ないに等しかった。]


[もしかしたら、かつての僕のように、
建物内に籠っている人はいたかもしれないが。
そんな人を探す余裕がないぐらい、
町はゾンビで溢れかえってしまっていた。

東京の郊外は、都心で働く人の住む家が多い。
それを考えると……今、この地区の有様は、
当たり前の結果のように思えた。]


「いらないでしょ、全部」

[ 女性の手元には小さな猫がいる。

 取り戻そうとする私の手足が粘った物に掴まれる。
 それは腐った肉。
 それは、"それ"だ。

 いやだ。返して。私は叫んで、
 思い切り"それ"にモップの柄を振り下ろし。

 その瞬間、私は目を開いた。]


[馴染みのスーパーを通り過ぎるとき、
まだ"人間"である人がゾンビに喰われながら
僕の方へ手を伸ばしたのが見えたけど。

そうなってしまったら……もう、助からない。
僕は、それを身をもって知っている。]

 ……ごめんなさい。

[喰われていく人々から遠ざかるために、
アクセルを強く捻り、バイクが加速する。

出来る限り生き延びてやる。
そう、決めた決意は今も揺らがない。
でも……町の惨状は想像以上に残酷で。
何もできない無力感か。辛いのか、苦しいのか。
自分でも訳の分からないまま涙を流しながら――

車同士がぶつかり横転した横をすり抜け
ひたすら、道路を走っていって。]*


[それから、何日が経ったっけ。]


[―――風を切りながら、少し上を見上げれば
夜空の星々が眩しいぐらいに輝いている。
道を照らす証明灯はたまについていたけれど
消えている区間の方が多いような。

僕は、そんなどこまでも続くような高速を、
ひたすら真っすぐ、走っていた。]


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