人狼議事


308 【R18】忙しい人のためのゾンビ村【RP村】

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   あ う ぁ


[言葉のかわりに呻き声を発し

涙のかわりによだれを垂らし

空虚な部屋の真ん中で
ゆらゆらゆれる 生きた屍がひとり。*]



[ 集まってきた子どもたちは、
 皆驚いて目を丸くしていた。]
 



[ え、なんでぇ?≠ニ、
 お隣の息子さんが素っ頓狂な声を上げた。
 大学生なんて随分大人びて見えていたけど、
 その様子はほんの小さな男の子みたいだった。

 ジャーディンも驚いたように、
 小さなパイが一切れのったお皿を見てたわ。

 興奮した様子で口数が増えた息子さんに、
 ご主人が一か八か外に出てみた≠ニか、
 運よく野うさぎを捕まえた≠ネんて、
 すらすらと無理のある嘘を告げていたけれど、
 それが聞こえてたかどうかも怪しいくらい。
 じいっと一点だけを見つめ続けていた。]
 



[ わたしはご主人のついた嘘が、
 今にもバレるんじゃないかと心配したけど、

 あまりにお腹が空いていて、
 細かいことを考えられなかったからかしら。
 それとも、本当は何の肉かだなんて、
 彼らには思いつきもしなかっただけかも。

 さほど気にする様子もなく、
 子どもたちは小さなパイをぺろりと食べた。
 あっという間に食べちゃったり、
 もったいぶるように小さく切り分けたり、
 それぞれのやり方でではあったけれど。]
 



[ 大人たちも静かにそれを口に運んだわ。
 ……しっかりと味はついていたけれど、
 おいしいのかまずいのか、あるいは──、
 最後までなんだかよくわからなかった。

 皆が食事を終えようとしたころよ。
 ふと、息子さんがご主人の手に目を止めたわ。

 包帯でぐるぐる巻きにされた父親の手に、
 息子さんの表情はみるみるうちに強張った。

 父さん、それ──
 いや、これは違う。安心しなさい。
  捕まえるときに少しケガをしただけだから

 そんな会話を最後に、食事の席は解散したわ。]
 



[ 片づけをしようと席を立ったとき、
 ゾーイがジャーディンにじゃれついてたわ。
 あの子はそれを少し笑って受け止めていた。

 食事中、物欲しげにしていたオッドの喉を、
 ウィレムがこそばすように撫でてやってた。

 ジャーディンがその様子を見て、
 おまえも同じものが食えたらいいのに≠ニ、
 少し疲れは滲むけれど穏やかな声で言った。

 わたし、ようやく少しだけ、
 これでよかったんだと思えた気がしたの。]
 



[ ああ、犬たちに夜の分の餌をやらなきゃ。*]
 


[兄貴をクローゼットに閉じ込めた、翌日。]

 ……10個。入るかな。

[ありったけの米を炊いて、おむすびを作る。
具のレパートリーなんて残っちゃいないから、
全部に梅干を詰めて塩を振り、海苔で味付けた。

昔、兄貴と旅行に行った時に使った
大きなリュックサックを引っ張り出してきて、
ティッシュやタオルを底に敷き詰める。
そして、ペットボトルに詰めた水数本と、
作ったおにぎりとを詰め込んでいく。
きっと、長い旅になる。
どこかで食べ物を見つけた時用にと、
割りばしや紙コップなんかも、隙間に詰めた。]



[例えば、今日のことを予めわかってたなら
 人を好きになったりしなかったんだろうか。]
 


[リュックサックの中を八割満たしたところで、
 次で最後にしようか、と
 元帥と言い交しながら、次の家へ向かう。
 気が付けば、なじみ深い場所に来ていた。]

  ここでさあ
  小さい頃、遊んだんだよね。
  
  子供が遊ぶにはちょっと狭いけど
  学校がそばにあって、
  帰り道の途中で公園によって……

[思い出話をしながら、
 真っ白なアパートに入っていく。
 …………見覚えのある建物だ。
 沙良とその家族が住んでいる場所だ。

 歩むごとに口数が少なくなっていく。
 それに気づいてか、元帥が「大丈夫か」と
 珍しく声をかけてきたから、首を横に振った。]



  でも、いかなきゃなんだろ

[ここは、やめてくれ、とか。
 そんな事言えるはずもなかった。
 どこに物資があるかわからない状態で
 えり好みなんかしてられない。

 俺は意を決してその一室に入っていく。
 ――――鍵は、開いていた。]



[まず鼻についたのは、異臭だった。]
 


[玄関先に女の人が倒れている。

 沙良の母親だ。

 大昔、おばさん、と呼ばわって、
 「おばさんって呼ばないで」と
 沙良に怒られたっけ。
 優しい人だったから、俺の言葉にもころころ笑って
 それが沙良の顔によく似ていたのを覚えている。

 手を合わせながら、その死体をまたいだ。]


[リビングに入っていく。
 つっかえるものがあったから、
 無理やりにこじ開けると、ごろりとまた何かが転がった。

 ドアノブを使って男が首を吊っている。
 眼鏡をかけた壮年の男性。
 沙良の父親だ。
 「娘さんを俺にください」って言う妄想はしてたけど
 面と向かって話したことは、あんまなかったかも。]



 「クシャミ」

  ……なんすか、元帥

 「大丈夫か」

[瞬く。手、と言われて、俺は改めて自分の手を見る。
 見た事もないくらいに震えていた。
 やだな、と軽薄に回る口を動かして、
 いつも通りを演じてみようとするけれど、
 やっぱり上滑りで、元帥の目はごまかせない。]



  なんでも、ないっすよ
  ここ誰もいないみたいっすね
  元帥は台所漁っててだにゃー

 「嘘ついてんじゃねえよ。
  とりあえず他の部屋の安全確保できるまで
  お前から離れたりしねえからな」

  なにそれ。男前かよ。惚れて良い?

[軽口を叩きながら、
 俺は沙良の部屋の扉に手をかける。]


[入ったのは随分遠い昔だ。
 まだ俺達がランドセルを背負っていた頃。

 うろおぼえだけど
 ピンクと水色と白をふんだんにつかった
 女の子らしいお部屋だった記憶がある。

 入るだけで甘いミルクティーのにおいがして、
 女の子ってマジで砂糖でできてんのかなって
 錯覚できるような、そういう可愛らしい部屋だった。

 この扉を開けたら、変わらない姿の沙良がいて、
 昔と変わらない笑顔を浮かべて、
 「いらっしゃい、秋くん」って、言ってくれねえかな。

 そんなわけねえよな。ウケる。

 物音を立てないように扉を開ける。]


[途端に襲い来たのは、
 強烈な腐臭と、蠅の羽音だった。]


[可愛いぬいぐるみが置かれたベッドの上に
 白と赤と黒でまぜこぜになった何かが転がっている。
 それは人間と同じくらいの大きさで、
 背格好は男のものに見えた。

 もっと言えば、服装は、
 俺が殺した進のものと、おんなじだった。

 その人「だったもの」の胸で泣くように
 誰かが、ベッドの傍でうずくまっている。
 泣いているように見えないのは、
 強烈な腐臭と共に響く、粘っこい咀嚼音のせい。]


[指通りがよさそうだった亜麻色の髪は乱れて
 蠅がまとわりついている。

 いつも清潔そうにみえた服に血が滲んでいる。

 すべすべだったはずの腕が、
 枯れ枝みたいになってる。]

[何。――これは、何。]



  う゛

[振り向いたそれと、目が合った。
 脳が揺さぶられる感覚。

 そいつが扉の前に辿り着く前に、
 俺はとっさに扉を閉める。

 ばん、ばん、と扉を殴る音が響く。
 元帥が太い腕で扉を固定して
 鍵を閉めるのが見えた。

 我慢できたのはそれまで。

 せりあがってきた吐き気をこらえきれずに
 マスクを外して、俺はトイレに駆け込んだ。]


[なんで?
 沙良の部屋に進の死体がある。
 ゾンビになった沙良がそれを食べてる。
  
 なんで?
 俺さ、2人の幸せを願って身を引いた筈なんだよ。
 片思いこじらせ童貞だって、身の程を知って
 進には当たったけど、沙良に恨み言は言わなかった。

 なんで?

 明日なんかこなければいいって、
 そんな罰当たりなこと願ったから、
 二人には幸せな明日はこなかったの?

 なんで?]


[あの日。進を殺したあの日。
 俺が保身にかられて逃げ出さなければ。
 沙良を説得していれば。

 ああいうことには、なんなかったのかもしれない。
 そう思うだけでもう俺は死んでしまいたい。
 何が英雄だ。何が。
 大事な友達だって好きな女の子だって
 誰一人守れやしないんだ。

 生きてる価値一番ないやつが
 なんで生きてるんだよ。

 なんで。]



 「クシャミ。……クシャミ。おい、串谷秋!」

[揺さぶられる感覚に我を取り戻す。
 珍しく焦った目をした元帥が、
 俺をのぞき込んでいた。]

  元帥。

[そういえばこいつの本名、知らないんだよな。
 って、どうでもいいことを考えた後、
 へらりと笑って、俺は声をあげて泣いた。]



[どうすればよかったんだよ。]*
 


 
[キャロライナに出会ったのは、実り満ちた畑だった。]
 


[海を越え、初めて降り立った大地は
 写真で見たよりもずっと広く、私は少し辟易していた。
 どこかしこ作物が実り、肥料のすえたような匂いがする。
 先輩のサポートとはいえ、契約相手の前で
 鼻を摘む訳にはいかず、実状確認の名目で
 ひとりの時間を得てようやく鼻筋に皺を刻んだ。]

  ……何もないな。

[ここにいるのは元々大豆かトウモロコシだけで、
 賛同する声も、声量を憚る必要もない。
 後者は収穫間近で、実った種を青い葉の内に隠して、
 白い髭を乾いた風に揺らしていた。
 息苦しさなど欠片もしらないような土地に、
 息をするのすら躊躇ってしまう。]


[規律正しい養父母の下、道を外れることなく生きてきた。
 学業の成績は特別秀でている訳ではなかったが、
 幸運にも職を得ることができ、就職してすぐ借りた
 アパートにも、今では余裕を持って住み続けている。

 シエスタを切り上げる度に真面目だな、と言う同僚へは、
 両親に似たのさ。と、肩を竦めて見せた。
 
  人というものが、あまり好きではない。

 近づけば感じる体温が苦手だ。
 ――肌の奥に何かが入ってくる心地がする。
 感情の滲む声が苦手だ。
 ――耳の底を己の意思とは別に擽られる感覚がする。

 共有を強いられる時間も、並ぶことで生まれる比較も、
 そして何より、それらの恩恵を得ながらも
 疎い続けている自分自身が好きではなかった。]



  ……っ、 と、

[腰の辺りに強い衝撃があり、蹈鞴を踏んだ。
 丁寧に磨かれた革靴の先が柔い土へとめり込む。
 振り向いた視線の先には、燃えるような赤毛があった。]

  “お兄さん、どこから来たの!?”

[キャロライナ――キャロルは、
 ここら一帯の畑を管理する一家の末娘だった。
 周囲に建物のほとんどないこの地で生まれ育ち、
 スクールには通わず、家の手伝いをしているのだと言う。
 大人とばかり接しているからだろうか。
 彼女は私の知る子どもよりずっとしっかりしていて、
 そして私の知る何よりも自由だった。

 そんな彼女を揺れるトウモロコシの前で初めて見た時、
 私は太陽の在処をようやく知れた気がしたのだ。
 これまで、曇天の中で生きていたことに気づいたのだ。]


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