人狼議事


308 【R18】忙しい人のためのゾンビ村【RP村】

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[ 日に日に外の世界が遠のいていく。]
 



[ 幸い、アレの知能は高くないらしく、
 しっかりと門扉を閉じてさえいれば、
 塀を超えて敷地内に入っては来なかった。

 それが逆にわたしたちを、
 ここから動けなくさせていたのかもしれない。

 少なくともこの中にいれば、
 ノーリーンのようになることはない。

 けれど、確実に状況は悪化していったわ。
 みんな元気がなくなっていった。
 イライラしている様子もあった。

 当たり前よね。
 閉じ切った空間の中に身を寄せ合って、
 食べることすらままならないんだもの。]
 



[ いくら襲われず安全だからといっても、
 わたしたちはじわじわと弱っていっていた。

 なんせわたしたちはもともと二人暮らしで、
 お隣さんだって、旦那さんと奥さんのところに、
 息子さんと弟さん夫婦が急にやってきたんだもの。

 いくらお互いの家の食糧を持ち寄ったって、
 これだけの人数で消費すればあっという間よね。

 今晩もクラッカーを少し齧るくらいかしら。
 ふと顔を上げたらリビングルームで、
 ゾーイとウィレムがお互いにもたれて眠っていた。]
 



[ ジャーディンはきっと自室ね。
 オッドを抱いて上がるのを見たわ。

 ほかの大人たちもきっと、
 それぞれに部屋で休んでいるんだと思うわ。

 あまり栄養をとれていないからか、
 だんだんと動くのもおっくうになってね。
 何もしない時間が増えていたの。

 いよいよ何か手を打たなくては。
 わたしはそう考えながら、
 犬たちの様子を見ようと部屋へ向かったの。]
 



[ ……ねえ、いのちに優劣があると思う?*]
 


メモを貼った。


メモを貼った。



[ふっと意識が持ち上がる。

 さっきまで夕暮れの帰り道にいたはずなのに
 目の前にはぼやけた灰色の天井が見えている。

 近くにカーテンでもあるのか、
 さらさらと光が反射して煌めいて
 まるで休日部屋で昼寝をした時みたいだった。]
 



  ……う、

[ここは。

 もしかして、全部夢かな。
 ゾンビとか、進が死んだこととか、
 父さん母さんが死んだこととか
 振られたこととか。

 …………振られたことが嘘はさすがに無理か。]



[ともかくも、

 もしかしたら悪い夢でも見てたのかも、と
 そう思おうとした俺を現実に引き戻すように
 左肩がつきりと痛んだ。

 うめき声をあげると、近くで身じろぐ気配がする。
 のぞき込んできたのは――]

 「目ぇ覚めたか?」

  あ? …………
  ……なんで、あんたが、

[ぼさぼさの黒髪にやつれた顔。
 死んだ目をした、体格のいい男。

 ネコ元帥がそこにいた。*]



[ 部屋の前でお隣のご夫婦と鉢合わせたの。]
 



  あら、ちょうどよかったわ。
  ご相談したかったの。
  これからのこととか……色々と。

[ わたしはそう言って、
 彼らのもとへと歩み寄っていった。

 お二人ともやつれた顔をしていたわ。
 なにか話をしていたようだった。
 そうよね。このまま耐えてばかりいても、
 どうにもならないことは皆わかっている。]
 



  このままでは、
  皆動けなくなるのを待つだけだわ。
  でもまだ生きている人はいるはず。
  きっとどこかに安全な場所が──、

[ いつも落ち着いているご主人も、
 少し気が立っているように見えたわ。
 わたしの言葉を遮るようにして言うの。

 車はもうほとんどガスが残ってないんです

 腕を組んで、しきりに唇を噛んでいた。
 薄く剥けた皮を剥がしているのね。
 落ち着いた品のある人だったはずなのに。]
 



  ガレージの車。
  もうずっと乗っていないけれど、
  こまめにメンテナンスには出してるの。
  古くて小さい車だから不安だけど……

[ ご主人はゆっくりと首を横に振ったわ。

 仮に動いたとして、
  とても全員は乗れないでしょう

 きっとそんなこと、
 もうとっくに考えてたとでも言いたげにね。]

  誰かが生き残っている人に助けを求めて、
  そしてまた迎えに戻って来ればいいわ。

[ そう言った私に、ご主人は小さく笑ったわ。]
 



  ならキーを渡してください
   我々が行きますよ、大人を代表して
 



  それは……、

[ わたしは黙り込んでしまった。

 彼らに鍵を渡して、送り出して、
 帰ってくる保証がどこにあるの?
 戻ってきてくれなかったら、残された側は?
 外への連絡手段だってもうないのよ。
 今度こそどうしようもなくなってしまう。

 ご主人はため息をついたわ。
 ……そうでしょう。
  近所に食糧を探しに行くとは違うんです
 わたしの言葉を封じるようにそう付け足してね。]
 



  けれど、そうはいっても、
  このままだともう……、
  どうにかしないと。何か手はないかしら。

[ 庭で火を焚いてみるとか、
 バルコニーから信号を送ってみるとか、
 そんなことはもうとっくに試していたわ。

 少なくとも今まで、
 外界からの反応は何一つとしてなかった。

 外をうごめくものの数が、
 日増しに増えているように見えるばかり。

 私たちだって考えてはいますよ
 別に非難したつもりはなかったけれど、
 ご主人は少し気分を害したようだった。]
 



[ これからのことを考えるはずだったのに、
 あっという間に場は静かになってしまったわ。

 少しの沈黙のあと、
 唇をちろりと舐めてご主人が尋ねたの。

 ところで、その車のキーはどこに?

 ご主人はじっとわたしのことを見ていた。
 胸の内まで見透かそうとするみたいにね。]

  ……どうしてそんなことを尋ねるの?

[ 戸惑って、問いを返したわたしに、
 ご主人はだってアンフェアじゃないですか≠ニ。]
 



[ アンフェア?
 キーの保管場所を教えないことが?

 きっとわたしは納得のいかない顔をしたんでしょう。
 ご主人は当然だとも言いたげに言葉を続けるのね。

 だって、協力すると約束したじゃないですか

 なんだか少しまずい空気だった。
 わたしとご主人はお互いを見つめあって、
 少しの間黙りこくっていたように思うわ。

 そうすると突然、
 奥さんが仲裁するように口を開いて、
 わたしたちの間に割って入ってきたのね。]
 



[ 彼女ははじめにご主人を窘めたわ。
 脅すような言い方やめてちょうだい
  エドワーズさんが警戒して当然だわ
 そう言って、彼の前に立ったのね。
 わたしのほうを向いた彼女は言った。

 ごめんなさいね、夫も気が立ってるの。
  あなたの言うとおり、状況が悪すぎて。
  けれど、助けを呼びに行くのも、
  実際難しいのは分かってくださる?

 丁寧な物言いにわたしは当然うなずいたわ。
 彼女の言っていることはまっとうに聞こえた。]
 



[ わたしがうなずくのを見て、
 奥さんはどこか安心したようにも見えたわ。

 そして、それに≠ニ言葉を続けようとしたの。
 どこかぎこちのない笑みを浮かべて。

 どうしてかしらね。
 そのときの彼女、なんだか嫌な感じだった。]
 


 
 そんなことで揉めなくたって、エドワーズさん。
  ほら……ここにはまだ食べるものがあるじゃない
 



[ ── え? * ]
 


[――やだ。
 そう言って顔を膝に埋める青年が小さく見えて、
 まるで昔に戻ったみたいだなと笑う。]

  私も、……君も。 
  キャロルにはなれそうにないな。

[その名を聞いて、シーシャの肩が跳ねたように見えた。
 目端にちらつく動きに視線を外し、目を閉じる。]

  ……せめて、食事はとりなさい。

[昨日ここに来てから何も食べていないのだろう。
 意識のなかった間に強盗でも入っていない限り、
 ・・・・
 人ひとりが生きるだけの蓄えはあるはずだ。

 空腹はない。
 それなのに喉の渇きばかりが頭を満たしていく。
 眠るフリをして、あたたかいものから目を逸らした。]*



 「なんでって、お前、配信してただろ
  それで近くに来てるんじゃねえかと思ってな

  植え込みン中で伸びてんのを確保した。
  ……あ、左手無理に動かすなよ」

[丁寧に忠告してくれる元帥の言う通り
 右手だけを動かして起き上がる。

 よくよくみれば左腕は固定されていて
 誰かが治療してくれたのだとわかった。

 投げ渡される乾パンの袋を慌てて受け取って
 ぱさぱさに乾いた口に放り込んでは
 あまりの湿り気のなさに噎せた。

 げらげらと元帥の笑う声が聞こえる。]



  でもさ、なんで、俺なんか

 「生き残りだから?
  食料は心もとねえけど
  だからと言って人手を減らせば
  あいつらの数の暴力に負けるからな」

[腐った死体どもの。

 と、元帥は言った。
 その一瞬だけ、死んだ目にきつい眼光が宿った。
 
 多分、目の前の男もまた、
 ゾンビに大切なひとをやられたんだろう。]
 



  俺がゾンビになってたらって考えねえの

 「噛み傷がないから問題ないだろうと判断した。
  駄目なら、――――」

[その手が鉈を手に取る。
 俺はひきつった笑いを浮かべて首を横に振ると、
 せめて茶化すように冗談を口にした。]

  噛み傷ないって、確かにないけどさあ
  まさか寝てる間に剥いたりとかしてないですかにゃ?!
  きゃーーおまわりさー いでっ

[黙って水入りのペットボトルで殴られた。ひでぇ。]


  
 「服の上からでもフツーにわかんだろーが。
  お前もう一回ゾンビの群れに放り込むぞ」

  ふぇー。やめて。ごめんなさい。勘弁して。

[俺は配信の時みたいに軽薄に笑う。
 笑いながら、滲んできた涙を拭った。 
 手渡されたペットボトルの蓋をあけて水を飲む。

 ようやく、震える声で「ありがとう」の言葉が出た。
 
 知ってる人と話せることが、 
 こんなに嬉しいなんて、知らなかった。]



[乾パンを喉に流し込んだところで、
 がちゃりと扉が開かれる。

 数人の男たちが、
 ネコ元帥に向けてひらりと手を振った**]


メモを貼った。



[ 彼女の言っている意味が理解できなかった。]
 



  ──どういうこと?

[ 理解ができなかったから尋ねたわ。
 わたしにはまったく見当がつかなかった。
 もしかするとわたしの知らないところで、
 食糧を隠し持っていたのかと思ったくらい。

 ご主人は少しばかり驚いた様子だった。
 けれど、なんていうのかしらね。
 理解ができていないという風ではなかった。

 奥さんはしっかりとした口調で言ったわ。
 まっすぐにわたしの目を見ていた。]
 


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