254 東京村U
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PPP イルマは、メモを貼った。
2016/09/27(Tue) 00時半頃
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― 清瀬駅 ―
[東中野駅を、深く潜って大江戸線へ。 肩がくっついているジジイの生暖かい体温が入間には非常に不快だった。 練馬で乗り換えて清瀬へ。 到着とともに電車から出て、ほっと一息ついた。
遅刻をするわけでもなく、早く来すぎるわけでもなく。 いつも通りの時刻に校門をくぐって、たまたま見かけた同じクラスの女子に挨拶をすることで、入間はやっと朝の嫌な喧嘩のことを忘れた。]
(9) 2016/09/27(Tue) 01時頃
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― 朝・教室 ―
[いつも遅刻をしてくる転校生である一二三(ひふみ)がHRの前に登校してきた。 どこだかの地方から転校してきた男の子だ。遅刻癖があって、お調子者でときに笑わせてくれるところは嫌いじゃない。そんな彼は影で「ろくでなし」と呼ばれている。1+2+3は6なのに、ひふみときたらろくでなし。遅刻常習犯だし、まあ妥当なあだ名だろう。 生徒の何人もが珍しいものを見る目で彼を見て、いじりにかかる。入間もその一人で――]
うわっ。はあ?時間早くない? ひふみ〜、遅刻の皆勤賞狙ってたんじゃないの? [バイトをやめたんだという彼に、へぇーと相槌をうった。]
(15) 2016/09/27(Tue) 01時半頃
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[入間のすぐ傍、椅子に座った生徒のノートパソコンで、彼女たちは動画をみていた。 動画はニュースでも報道されていたあるアイドルの自殺未遂、あるいはあるアイドルの死について。]
あぁ、これか。
[暇かよ。 こんなニュースをわざわざピックアップして放送する余裕がある今、この世は平和と呼べるのかもしれない。 自分とは縁遠い出来事である「だれかしらない人の死」に関して、芸能レポーターと大御所がコメントしている。それに、仲間みんなで、なんとはなしにくすくす笑った。]
(20) 2016/09/27(Tue) 02時頃
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あ、そういえば歌番組っつーか、 ミュージックアワーといえばさぁ……
[動画は件の歌番組のVTRを流し始めようとしていて―― ――ぶつん。 不意に動画が止まった。もとい、画面が暗くなった。 女子達は、一斉に「ろくでなし」の顔を見遣った。 ノートパソコンから、コンセントが抜けていた。]
は〜〜〜〜〜? ひふみ〜〜〜? やればできるんならさし直せってー。
[それから、女子数人でろくでなしと囁きあって小さく笑う。 文句をいっているうちに、一二三本人に誤魔化されるやら、仲間のうちの女子一人が気を効かせてコンセントをつなぎなおすやら。 次第、女子たちの興味関心は死んだアイドルの話から、ミュージックアワーに関することへ移ろい、先ほどまでの動画は途中で止められ、キャンディ・ノヴァも出演したミュージックアワーの動画が流れ始めた。]
(29) 2016/09/27(Tue) 02時半頃
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♪らぶらぶにゃんにゃん、らぶにゃんにゃん
[日本人離れした顔のあるアイドルの歌い方を、入間はやや小馬鹿にして真似た。 少しは似ていて笑ってくれているのか、はたまた愛想笑いか、周囲の女子から笑い声が聞こえる。
そのなかに、聞き間違いでなければ『くそったれが』という小さな男子の声を聞いた。]
…………?
[一二三がそう呟いたのだろうか? 入間の表情は、一瞬にして真顔になる。 すぐに一二三は居眠りを決めこんだようだった。 「なに?」と女子グループのひとりから訊かれ、入間が言葉を選ぶうちに、先生が教室へと入ってきた。**]
(30) 2016/09/27(Tue) 02時半頃
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PPP イルマは、メモを貼った。
2016/09/27(Tue) 02時半頃
PPP イルマは、メモを貼った。
2016/09/27(Tue) 09時半頃
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(感じ悪う〜〜。)
[くそったれが、というクラスメイトの小さな小さな呟き声に対して、入間はそのような感想を抱いた。 ちらりと机に突っ伏して丸まった背を見遣る。 不貞寝か狸寝入りかもしれないなと思った。]
(56) 2016/09/27(Tue) 12時頃
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[件の動画だって、スマホをいじっているうち目に入った噂話のひとつにすぎない。動画だって幾人かのTwitterユーザーにRTされて出回っていたものだ。 それを見ていただけで怒られる所以なんてあるだろうか?]
かとりー、さっきのって声聞こえるってホント? アタシどこだか全然わかんなかったよー。 は?耳とかめちゃくちゃいいし。
あはは!わー、霊感とか言い出しちゃった?きっも。
[耳の良し悪しを揶揄われ、友達の香取里奈を揶揄い返す。 すこし思い込みがつよいところがあるもんね、なんて入間は思う。 その体型でポッチャリを自称するのはちょっと無理がある。]
(58) 2016/09/27(Tue) 12時頃
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[人が死んでいるから、笑ってしまったのが、フキンシンだっただろうか? だったら怒られるべきは笑わせてきた出演者だろう。 もしかして一二三はIKB32のファンなのだろうか? 転校してきて以来皆に知られていなかっただけで、彼の正体とはキモいタイプのアイドルオタクだったのだろうか。 転校生という物珍しさも相まって、お調子者の彼がちょっと気になっている友達のことも知っているので、もしそうだったら……]
(そうだったら……だったら、うーん、笑えるかも?)
(59) 2016/09/27(Tue) 12時頃
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[一限目の若い男性教師の英語の授業が始まり、自分なりの気持ちの落ち着けどころも見つかって、一二三の様子に関してを、入間は一度すっかり忘れた。 英語教師の安井の顔は、顎周りと額の広さを除けば、まあまあ嫌いじゃない。 背が高いおかけでスタイルがよく見えるのが良い。 おかげで英語は苦手でも話を聞く気がおきやすかった。]
(61) 2016/09/27(Tue) 12時頃
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[意識は暫くの間男性教師に向いていた。 だから余計に、気が抜けていて、はっとさせられたのだろう。 一二三がむくりとその体を起こした。 視界に入った動くものに、何の気なしに入間は視線を向けた。 斜め後ろから見る一二三の頬に、涙がつたって見えた。 見てはいけないものを見た気がして、入間は声には出さずに口のなかで「えぇー…」とつぶやく。]
(そ、そんなに?泣くほど?)
[勿論、さっきのことで泣いてるとも限らないが……]
(63) 2016/09/27(Tue) 12時頃
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[午前の授業が終了する。 昼休み、購買で買ったパンやお弁当をそれぞれもって、椅子を引き寄せ合って友達で輪を作る。 輪の真ん中には、三つくっ付けた机。 机には、化粧直し中の友達のコスメグッズ、友達の一人が朝買った音楽雑誌が広げられ、友達のスマホがMVを流しながら置きっぱなしにされていた。 雑誌には、あるインディーズバンドのライブ時の写真と、それに関する記事が載っていた。]
午後はぁ〜、スズキの授業かぁ。だっる……。
[なんとなしに、授業中不意に視界に飛び込んできた同級生の涙で、モヤモヤを引きずっていた入間は、髪の毛の先をいじりながら呟いた。]
アタシ午後いいやぁ。帰ろっかな。 電車すいてるし。
[なんで朝から親の喧嘩を聞かされて、昼まで他人のことでモヤモヤしていなきゃならないのだろう。 学校もつまらないなら、遊びに行く他ないなと考え、入間は午後の授業をサボることに決める。]
(64) 2016/09/27(Tue) 12時半頃
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― 清瀬駅 ―
[学生鞄を肩にかけて、清瀬駅から電車に乗った。 白茶けたシートに腰かけた。 電車が発車する。]
………。
[髪の毛の先をなんとなしにいじる。]
……。 …………。
[入間はさっとスマホを手にとって、ラインを一二三に送った。 『さっきウチらなんかした?😓💦』**]
(73) 2016/09/27(Tue) 17時頃
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イルマは、リーに話の続きを促した。
2016/09/27(Tue) 17時頃
イルマは、ドリベルに話の続きを促した。
2016/09/27(Tue) 17時半頃
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― 昼:西武池袋線電車内 ―
[すぐに返事がかえってきた。>>102 どういう意図の絵文字なのかよくわからなくて、片眉よせた。
『ウチら動画みてたあとなんか怒ってなかった?』
と送信した後、数秒迷ってから
『元気なさそうだったし😩』
という言い回しを選んだ。 泣いてるの見ちゃったとか、自分たちは何も悪いことしていないだろうとか、言いたいことはあるのだが、一度堪える。]
(157) 2016/09/28(Wed) 13時頃
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[練馬で大江戸線に乗り換えて東中野へ。 電車に揺られてまた三十分が経ち、車掌が駅名を呼ぶ。 次は東中野……と聞こえて少々。電車は止まった。]
(159) 2016/09/28(Wed) 13時半頃
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― 昼:東中野 ―
[入間は電車から降り、大江戸線の改札を出た。 黒く長い帯のようなエスカレーターへ向かい、そこへ立つ。 流されるまま、明るい昼間が待っているはずの地上へ向けて、とろとろとあがっていった。
――着替えて、遊びにいった先で一晩あかして、夜は家に居ないで住むようにしようかな。 その考えに至るのも、習慣になってきている。
駅から出る。 午後の明るい陽射しがややまぶしく、眠たくなりそうだった。]
(160) 2016/09/28(Wed) 13時半頃
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[いつもと変わらぬ埃っぽい色の小ぶりなビルやマンション。 色鮮やかなコンビニ。 青や赤のゴシック体の文字だけが並んだキレイさもカワイさもへったくれもない質素な看板。 電信柱たちは細くて黒い管同士で手をつないでいる。 なんの変哲もないこの駅前から家への道もすっかり歩き慣れた。
道端には子連れの人やオバサンオジサン、どこかの制服着た男の子や女の子、自転車をフラフラ漕いでいる老人。 見知った顔なんて一つとしてないが、それも含めての『普通』の景色である。]
(163) 2016/09/28(Wed) 13時半頃
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[日向ぼっこをしている無機質なアスファルト。 秋の昼間の日光が柔く降り注ぐ灰色の帯。]
(167) 2016/09/28(Wed) 14時半頃
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[駅から少し歩いただけで、入間は、真っ白なタイルの敷かれたマンションの前にたどり着いた。]
(168) 2016/09/28(Wed) 14時半頃
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― 昼:東中野のあるマンション ―
[まだ新しいこのマンションは、オートロックのその玄関からマンション内に入るだけで、使用された床材や壁材などなどからくる臭くもないがいい匂いでもない、作られたばかりのにおいがする。 同様に、作られたばかりのにおいのするエレベーターに乗って、真新しい8のボタンを押した。
揺れも少なくエレベーターは8階まで上る。 白い壁のエレベーターのなかで、入間はスマホを見て軽く唇をとがらせ、髪の毛の先をいじった。 電車の中で声をかけた友達から「今日はパス」と返事がきたのだ。
『マヂか😣😱💦💦』 『ま しょうがない✋🐰 また今度いこ💕』]
(169) 2016/09/28(Wed) 14時半頃
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[エレベーターの白い扉が左右に開いて、柔らかいクリーム色の壁があらわれた。 クリーム色の壁の廊下を歩き、八階の五号室まで。
入間は鞄から鍵を取り出した。 鍵をあけようとするが、鍵は『かかった』。 一瞬にして血の気が引く。]
(170) 2016/09/28(Wed) 14時半頃
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[冷えた体温が、親への不満で急激に温まる。]
(はあ? 閉め忘れてんじゃん)
[腹が立ってくる。不用心にもほどがある。 盛大に不満のため息をもらし、鍵をあけなおして、扉を開いた。]
(ムカつくなー……泥棒はいってきたらどうすんだよ)
(171) 2016/09/28(Wed) 14時半頃
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[しかし、玄関に入って、はたとする。 母親の靴と、父親の靴が揃えておかれていた。 帰ってきていたのだろうか。 はたまた今日は二人とも休みをとったのだろうか? 折角いない時間に帰ってきたのに……と、内心落胆する。 そうと分かればさっさと出かけてしまうのが良いだろう。
靴を揃えて脱ぎ、まだワックスがかかって間もないすべすべの廊下を、紺色の靴下で歩く。 室内の壁は無機質すぎないアイボリーに近い白。 窓が大きいため、室内は明るい。]
(172) 2016/09/28(Wed) 14時半頃
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[格子ガラスのはめ込まれたリビングへ続くドア。 どうやらリビングに両親はいないようだった。 入間はドアを開く。 二人とも部屋に籠っているのかもしれない。
居間には朝同様、明るい陽射しがはいりこみ、広いフローリングの床と、毛足の高い踏み心地のいいラグをてらしている。
出かける前に飲み物を飲んでから――そうと思って入間はキッチンに向かった。]
(177) 2016/09/28(Wed) 15時頃
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[まだほとんど新品のようなキッチンはよく片づけられている。 母親が主に選んだ食器や調理器具。 ぴかぴかのシンク。 大きな冷蔵庫。 木製の食器棚は上等な品で無駄な装飾はないデザイン。 表面にキズの少ないダイニングテーブル。 椅子は、三脚。家族分。]
(178) 2016/09/28(Wed) 15時頃
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[キッチンに居た長く黒い髪を後ろに括った女が]
「おかえり」
[と言った。 口元だけでなく、眼鏡をかけた目を笑わせて、目じりには笑いじわができていた。 エプロンをかけて、布巾で皿をふいていた。]
(179) 2016/09/28(Wed) 15時頃
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[不意に後ろのほうで音がした。 ドアが開いた音。 脱衣所や風呂場へと続くドアが開いたのだと位置でわかる。]
「おかえり、みおん」
[と男の声が言った。 足音がゆっくりと近づく。 足音は、キッチンの方へ向かおうとしているのがわかる。 そちらを見ようとすると、短く刈った髪の毛とそこへまじった白髪が、そして横顔が見えた。 髭を剃ってはいるようだが顎や口元は黒っぽく、そしてそこへ笑みをうかべていた。]
(180) 2016/09/28(Wed) 15時半頃
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[頭が真っ白になり体が動かない。]
(181) 2016/09/28(Wed) 15時半頃
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[ だれ ]
(182) 2016/09/28(Wed) 15時半頃
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[二人の男女がこちらを見ている。 男は回り込むようにキッチンに向かいながら片時も入間から目を離さずにいる。その男には名前を呼ばれていた。馴れ馴れしく娘でも呼ぶような口ぶりだった。どうやら自分はその男に知られているらしいのだが、何故知られているのかが見当がつかない。
「早かったじゃないか」と更に続け「はは」と笑い声をあげているのだが笑い声の癖も声音も聞いたことはなく、細めた目は笑っているはずなのに、その表情が果たして本当に笑顔にあたるのかがわからなかった。
だってその男を知らないのだから。
強張った体の一部がやっと動いてくれたかと思ったが、舌が絡まっているばかりで「ぇあ」という意味不明な言葉を発することが出来ただけだった。早鐘を打っている心臓のせいで息が苦しく手足が動かない。]
(183) 2016/09/28(Wed) 15時半頃
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[女がこちらの声に小さく笑ったのが聞こえた。 僅か首を傾げた女の仕草はほんの一瞬だったのだろうがスローモーションのようで、黒くてつやのない癖毛の前髪がごわごわと揺れてみえた。 笑い声が自分を馬鹿にするせせら笑いで滑稽さゆえのことなのか、何かが面白かったのか、そもそも果たしてそれが笑うという動作だったのか、そこには感情が乗っているのかもわからない。
なぜならその女も知らない人だから。
入間が硬直しているのに対して男女は顔を見合わせるように首を横へ動かす。油を入れた瓶の蓋を捻るさまや、ひとりでに首を動かすマネキンを連想させた。 その目がこちらを見続けている。お互いの顔をみる仕草があったにも関わらず、横目でずっと視線が絡んで離れない。 女が言った「そうたいしたの?」という言葉が、遠くて遠くて聞き取りにくく、それの意味を頭が捉えることが、できなくて、]
(184) 2016/09/28(Wed) 15時半頃
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[逃げないと]
(185) 2016/09/28(Wed) 15時半頃
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[頭のなかがそれで一杯になったとき、ようやく体が動き、靴下がワックスのかかった床にとられて滑り転びそうになりながら、入間は一心不乱に走って逃げた。後ろから男女が追いかけてきている。最も近い位置にあった母親の部屋へ飛び込み、中から鍵を閉めた。]
(186) 2016/09/28(Wed) 15時半頃
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[ だれ? ]
(187) 2016/09/28(Wed) 16時頃
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[ 誰がアタシの家にいるんだ? ]
(188) 2016/09/28(Wed) 16時頃
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[ドアの向こう側から「みおんちゃん、どうしたの?」「どうした、みおん、だいじょうぶか?」という声がする。
声は心配という形式を音にのせたようなそれ。 けれど心配をされているという実感は無論わかない。 不気味さだけが押し寄せてくる。]
(189) 2016/09/28(Wed) 16時頃
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[ドアの向こう側で声が
「ねえ、ママたち何かしたかしら」
と言った。]
(190) 2016/09/28(Wed) 16時頃
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― 昼:805号 入間家 ―
[見知らぬ男女の声は、しきりにこちらへ話しかけてきている。
「みおん、どうした? ちょっとへんだぞ、いきなり逃げるなんて……」
「ねえ、出てきて話してみて、みおん。 なにかあった?ママたちで力になれるかもしれないから…」
あの両親面をした男と女は一体誰なんだ。泥棒なんだろうか? 入間は声を全部無視して、震える手でどうにかスマホを手から取り落とすことなく学生鞄から取り出した。 膝が、足が、がくがく震えている。スマホへ視線を落とすついでにそれが視界に入った。
電話をかける先は母親。 一度目のコール音。 それを聞く間も「早くでて!」と念じ続ける。 二度目のコール音が鳴り出すか、というタイミングで、ごく近くから携帯のバイブレーション音が聞こえ、入間は音に身を竦めた。]
(206) 2016/09/28(Wed) 17時頃
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[母親の携帯電話はこの部屋のなかにあるようだった。 電話を持っていっていないという事から、さまざまな考えがいっぺんに頭の中をぐちゃぐちゃに掻き回していった。
入間は力の入らない役立たずの手足で、音のしたほうへ這って近づき、ベッドの下で光っているスマホを見つけて、それを引き寄せ、拾い上げる。 混乱していると同時、恐怖心と嫌さで泣きそうだった。
ベッドの下に、もうひとつ、スマホの光を反射しているうすべったいものが落ちていることにも気づいた。 手を伸ばして拾いあげると、それはプラチナ色のカードだった。 電話番号がかかれている。 入間はそれを見るも何の店のカードかはよく分からないまま、カードをポケットにとりあえず仕舞いこんだ。]
(207) 2016/09/28(Wed) 17時頃
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[父親にも電話をかけてみたが通じない。]
なんで出ないの……ばか!
[涙声でそういうも、その声へ声をかけてくるのは、今はドアの向こうの見知らぬ男女だけだ。]
そうだ、けいさつ
[こういう時は110番? いや。最寄りの交番の電話番号もアドレス帳に入っていたはずだ。入間はとりあえず交番に電話をかけた。]
(208) 2016/09/28(Wed) 17時半頃
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もしもしっ、あぁっ、ああ、あの、し、しらない人が! しらないひとが、家のなかにはいってて! 親のふり、す、するんです か、かぎ、しまってなくて、あの はやくきてください! あの人達おかしいの! たすけて!
[電話先で男のひとが「落ち着いて」「住所は」と言った。 入間は混乱しながら、つっかえつっかえ自宅の住所をこたえる。 混乱して古い住所を言ってしまいそうだった。]
(209) 2016/09/28(Wed) 17時半頃
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[祈るようなきもちで警察の到着を待った。 警察の到着は思ったよりもずっと遅くて、入間は警察のやくたたずと心のうちで何度も罵った。
暫しして、玄関の戸が開いた音。待ちわびた。 扉の前にいた二人は、母親の部屋の前を離れていった。 人の声が微かにするが、何をいっているのかまでは分からない。 とにかくこれでどうにか追い返してくれるはずだ。 もう射殺でもなんでもしてくれ。 身分をたしかめて、おかしなやつだって連れて行って一生牢屋から出さないでくれ。 スマホを握りしめている手は、力をいれすぎていて、真っ白になっていた。]
(210) 2016/09/28(Wed) 17時半頃
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[暫くして――ドアのむこうから聞こえたのは
「もう出てきていいよ、大丈夫」
という優しい警察の声ではなかった。
「どうしちゃったの、みおん……。 警察にまでいたずら電話するなんて。 パパもママも怒ってない。 ただみおんが心配なだけ。」
目の前が暗くなる、とはこういう感覚か。 眩暈がした。]
(211) 2016/09/28(Wed) 17時半頃
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🍀ぃるまぁ🍀 @xXamurirumaXx 3分 けいさつはやく だれかたすけてください!
🍀ぃるまぁ🍀 @xXamurirumaXx 3分 こわい
🍀ぃるまぁ🍀 @xXamurirumaXx 4分 あたまおかしい人が家に
(216) 2016/09/28(Wed) 18時半頃
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[Twitterに思わず書いてしまったツイートにも、まだリプライはついていない。 なんで、どういう理屈で警察が追い返せてしまうんだ? 今までここに父も母も住んでいて、父の名前は祐輔、母の名前は祥子。新築だし近所と付き合いがあるわけではなかったけれど。 確かにここで生活していたのに。
父母と名乗る二人は、いまだにぶつぶつ外でいっているが、ついに「じゃあ、話す気になったら出てきてね」「夜、みおんの好きなものを食べよう?一緒に何か食べにいこっか」と言って、ドアの前を離れていくようだった。
今しかない。]
(217) 2016/09/28(Wed) 18時半頃
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[入間はドアに耳をくっ付けて息を殺した。 足音に耳をすます。遠くでリビングのドアが開いた音がきこえる。
心臓がまたばぐばくと音をたてていてうるさい。 怖すぎて酸素も血のめぐりもなにもかも足りていない。]
(218) 2016/09/28(Wed) 18時半頃
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(こわ……1、2の、3ででる、きめた、よし)
[いざ飛び出すとなると勇気がでなくて、自分にルールをつけた。 一度、目を思い切り瞑る。]
(219) 2016/09/28(Wed) 18時半頃
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(いちにのさん!)
[閉じ籠っていた母の部屋のドアのカギを開け、ドアを開いた。 思い切り駆け出したが廊下が滑るのを忘れていた。 また転びかけるも、どうにか堪えて廊下を走る。 後ろでリビングのドアが開く音がするが振り返らない。 玄関に靴下のまま飛び出すと、体を縮めて靴に指を引っ掛けた。 ドアを開け放ち、廊下まで靴下まま飛び出して、全力で走ってエレベーターに飛び込み、「1」のボタンを押して、扉の開閉ボタンの閉の字を歯を食いしばって何度も叩いた。 二人の知らない人間が追いかけてくる前にエレベーターの扉が閉まる。 持っていた靴を床に落とし、足の裏も払わずに足を突っ込む。 7階。6階。5階……階数がかわるたび、「とまるな」と祈った。 祈りが通じたのか、エレベーターは1階までおりる。 1階の扉が開く際に、生唾を飲み込んだが、人影はなかった。
入間はエレベーターから飛び出して、エントランスを出て、真っ白なタイルのそのマンションから思い切り逃げ出した。]
(220) 2016/09/28(Wed) 18時半頃
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― 午後:東中野駅 ―
(肺が痛い〜!!)
[泣き言はいくらでも言いたいが、そんな場合じゃない。 とにかく電車に乗って、この駅を離れるところから。 今日ほど入間はこの家が「駅チカ物件」だったことを感謝したことはない。
駅まで走り続け、改札にスイカを押し付けた。 電車の音がしている。
入間は中央総武線各駅停車の電車の扉が閉まるぎりぎり手前、どうにか体を滑り込ませ、短いスカートからパンツが見えてしまうかどうかなどお構いなしにへたりこんだ。]
(221) 2016/09/28(Wed) 18時半頃
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[息を整え、立ち上がる。]
………、……
[電車内にいる見知らぬ人がこんなにも何を考えているか分からず怖いことなど、今まで一度だって経験したことがない。 ちらちらと電車内のひとに視線をくばるも、何もわからない。 素性の知らない誰かしら。 それ以上になるには、この途方もない数の人の生活人生立場その他諸々を知る他ないのかもしれないし、知ったところで更に嘘か本当かなど、どう分かったらいいのだろう。 なにせあのぽっと沸いて出た謎の偽親が、交番の警察官に「入間澪音の父と母だ」と一時的にも認められるような事があるくらいなのだ。 本当の父と母は大丈夫なんだろうか。 入間は、不意に今朝書いたアンケートを思い起こした。]
(222) 2016/09/28(Wed) 19時頃
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[そうだ。 そういえば書いた。>>0:55
項目1 どんな未来をご希望になりますか。 『ケンカしないマトモでやさしい親のいる未来!』
ぞっとして、また体が小刻みに震えだす。]
(223) 2016/09/28(Wed) 19時頃
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ま、まって
[コトダマとかいう迷信だろうか。 勿論、こんな事が起きてほしくて書いたことじゃない。 アンケートを書いたからってこんな変なことが起こるわけもない。 要は自分が記入したのは、ただの愚痴だ。]
(224) 2016/09/28(Wed) 19時頃
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[冷や汗で背中がつめたい。 青ざめながら入間は、家から持ち出した母親の携帯の通話履歴を見始めた。せめて会社に行っているとか、どこかで仕事をしているとか、無事を確かめたい。 通話履歴の最後にかけた相手は――**]
キルロイ先生…?
……が 外人?
(225) 2016/09/28(Wed) 19時頃
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PPP イルマは、メモを貼った。
2016/09/28(Wed) 19時頃
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[母は出版関係の仕事をしている。 どんな本を作ってるとか、そんな事はよくしらない。 入間はホラーもミステリもその他学術書だろうとエッセイだろうと興味がなかったし、それ以前に読書をしない。 電話をかけるまえ、ばくばくと心臓が大きな音をたてる。 この人だって、家にいた変人たちの知り合いかもしれない。 そう思い始めたら、電話をかける手が止まってしまった。
かわりに自分のスマホを半べそで見た。]
(226) 2016/09/28(Wed) 19時半頃
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[入間が次に連絡をとろうと選んだのは、年上の従兄だ。 ラインに「大変なことがあって」と一言送った。 続けて「家に変な人が入ってきて逃げてきた」と送信。
自分はどうなってしまうんだろう。 友達関係にも怖いことがあったとラインしてみたが、彼女たちに助けて貰えそうな気もしなければ、家に自分の親だと名乗る謎の他人が現れたと言ったところで、みんなが自分の親の顔など知るわけもない。
だからまずは親類に。 それも、東京に居るはずの彼ならば、と考えた。]
(227) 2016/09/28(Wed) 19時半頃
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[従兄からの返事を待つ間、また母の携帯をみる。 そうこうしている間に電車は大久保駅を通り過ぎていた。 次は、新宿……電車内のアナウンスを聞き、新宿で降りたら、このキルロイ先生という人に電話をかけようと決める。 静かに、長く息を吐きだす。 やっぱり無事かどうかが心配だ。 会社や仕事関係のひとにあたってみて、一緒に居るなら直に会って、大丈夫だと安心したい。]
(228) 2016/09/28(Wed) 20時頃
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(いちにのさんっ)
[入間は新宿駅で止まった電車から降りながら、頭の中でそう掛け声をかける。 『キルロイ先生』に電話をかけた。]
(229) 2016/09/28(Wed) 20時頃
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(お願いっ、日本人で日本人で日本人でおねがいっ)
[周囲の人、電車の音、注意喚起のアナウンス、さまざまな音でうるさい駅構内で、母の携帯電話から聞こえるコール音に耳をすませた。 すぐに『キルロイ先生』は出た。 男のひと。そんなに歳がいっているという感じはしない。]
あ―― あの 急にすみません。
アタシ、入間祥子の娘なんですけど、 母が、そちらにいっていませんか?
(250) 2016/09/28(Wed) 22時頃
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イルマは、キルロイが日本人で内心ほっとした。
2016/09/28(Wed) 22時半頃
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そう、ですか。
[電話先の声は、こんな電話に驚いているようだった。 落胆。すぐ見つかってほしかった。声のトーンが沈む。 それでも「入間祥子」の名前を否定されはしなかった。 入間祥子が知り合いのつもりで話してくれている。そこには安心を得られた。]
……えと
[どうしようか入間は迷った。 家であんなことがあった後だから、知らない人に話していいのかどうか。でも一人で、誰が誰ともわからず、母の知り合いなんて全然しらずに、どう無事を確認したらいいというのだろう。]
な、なんでもいいから知りませんか!? 何処に行く予定だったとか、 普段仕事でどういうところに行くとか!
(254) 2016/09/28(Wed) 22時半頃
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[入間は不安から、結局さらに言葉を続けてしまい]
け、携帯が。 家に置きっぱなしになってて。 それで、 家に知らない人がいて。
(256) 2016/09/28(Wed) 22時半頃
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警察のひとには来てもらったんですけど!
[あの役に立たない警察! そう思って、つい声が大きくなる。]
その変なひと、アタシも最初泥棒かなって思って。 そのひとたち、す……すごく普通に台所にいて。
[思い起こすに、気持ちの悪い光景だ。 思わずそわそわと周囲を見回す。]
アタシの名前まで何でか知ってて。 そいつら、自分たちのこと、
――アタシのパパとママだっていうんです。
(261) 2016/09/28(Wed) 23時頃
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そんなの、泥棒でも変じゃないですか!? 意味わかんなくって、怖くて。 怖かったし、ヤバい人たちかとおもって アタシ、母の部屋に隠れて、警察に電話したんです。 変な人がいるから来て!たすけて!って!
隠れてたから、警察がホントに来てたのかわかんないけど…… だれか人が来た音はしてたんです。
警察のひと、帰っちゃったみたいで。 その家に勝手に入ってた人たちに 「どうして警察にいたずら電話なんてしたの」とか そんな風に言われて……
[こんな話、子供の妄言と思われてしまうだろうか。]
(264) 2016/09/28(Wed) 23時半頃
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はい。帰ったら、オバサンのほうがお皿をふいてました。 オジサンのほうは、お風呂場のほうから出てきたっぽいので、 ちょっとわかんないです……アタシもてんぱってたから。
あの、母とは会ったことありますか? だって、そもそも、見た目がぜんぜん――
[そう思ったときに、黒の長い髪をよく纏めていたことや、体型、眼鏡などのわかりやすい言葉がつかえないことで、ぞっとする。 父もそうだ。白髪交じりの短い髪。ひげはちゃんと剃っていて……]
ち、ちがってたんですよ! すくなくともあんなに癖毛みたいなかんじじゃないし…… 顔だってぜんぜん違ったし……
[今日の気温なんてしらないが、何だか寒気がする。]
(277) 2016/09/29(Thu) 00時頃
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たぶん、そうだと思います。 遠くてよく聞こえなかったけど……話し声はしてたから。
[警察を追い返してしまったという電話先の相手の言葉を肯定する。]
家に居たら危ないかもって思って、逃げてきました。 いまはとりあえず、新宿に……
[そういうと、相手は会って話ができないかと言ってきた。 正直一人はもう不安で不安でしかたなく]
あ、あの……えと、じゃああとで、 この携帯にまた電話してください! さっき言ってた作家さんへの連絡、よろしくおねがいします。
(281) 2016/09/29(Thu) 00時頃
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あと……その
知り合いは、まだ……返事がきてなくって。 パパにも連絡ついてないし……。
[だから、正直、ひとの声がきけて、話をきいてもらえるのが、ありがたかった。]
(285) 2016/09/29(Thu) 00時頃
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