301 十一月うさぎのないしょ話
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態と?
[>>79聞き返している時点で、断じて態とではなかった。 怖いもの知らずか好奇心かと言われれば、まごうことなき好奇心。 猫は一度死ぬまで、己の好奇心の危険さに気付けない。
気付けずにいるから、ひと口クレープを食んでしまえば、そちらに意識取られる。]
……、
[わずかの静寂、甘みのハーモニーを味わう途中。 切ったはずの話題が帰ってきて>>80、微かに眉を寄せた。 が、理由を聞けば少しは納得する。 二人のことは魅力的だけれど、比べるものじゃない。 それはそのとおりだと思うから、口を開けないぶん首肯した。]
(87) mmsk 2019/12/01(Sun) 01時半頃
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んん、
[>>82節だった指が耳に触れ、そのくすぐったさにぴくりと強張る。 指が動くたび、自分以外の存在を明確に感じて心臓が何度も鐘を打った。 耳元にもうひとつ心臓が出来たみたいに、体温がうつっていくだけでどきどきする。 それがするりと自分の体のかたちをなぞって、頬に降りて。 咀嚼なんてしている場合じゃなくなって、止まっていたけど。]
っ、んむ、――
――はい。
[返事を求められて、急いで喉奥に持っていった。 ちゃんと言葉で、返したくて。]
(88) mmsk 2019/12/01(Sun) 01時半頃
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[でも、言われなくてもこんなこと、他にやる予定はない。 特別同士。そんな関係だから、自分もさまざま心を許しているつもり。 触れることも。ヘアアレンジも。好みを知るためのお買い物も。]
そうですね。 ……だって、そのつもりで半分って言いましたから。
[>>83間接キスも。 間接じゃなくしちゃいますか、とまで言い出す勇気はまだ出てくる気がしなくて、もう一口をもらうふりして飲み込んだ。]
(89) mmsk 2019/12/01(Sun) 01時半頃
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[クレープを食べ終えるころ、次はどこに向かうかの算段をつけながらぐるりと目線を巡らせる。]
……あの。 商店街抜けた先くらいに、よくヘアアクセ買ってるショップがあるんですけど。
ヘアピン、見ていきますか。
[一番に買いたいと言ってくれたものを優先したい。 宅本さんの欲しいものを買う買い物だから、自分の計画よりヘアピンだ。 商店街を抜けた先に、ショッピングモール。 安価でも質がよく、可愛いデザインのアクセサリーが揃う気に入りのテナントが入っている**]
(90) mmsk 2019/12/01(Sun) 01時半頃
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[>>84己が出したものがどう食されるのか気になってしまうのは癖だ。 他の客に対してもそうだし、他の客にも見られるとドキドキすると言われたことはある。
それでも、今日カコを見ていた視線に料理人としての純粋な癖だけではない意味が宿っていたように。 カコが感じていたドキドキに、純粋に「見られている」ことの緊張以外の意味があったのなら。
それは二人の間に流れる気持ちが「お互い様」で「同じもの」だからだろう。>>81]
店じゃ出せねぇ顔してんのはわかるよ。 さっき思わず言ったのも。
"murmur coneyの乙坂シェフ"のイメージとは違うだろ?
でもそれも好きだって、俺が思うより想ってくれてること、 ――嬉しくてまた好きになる。
[カコも知らない彼女も己が「全部好き」だと、同じ位置を指腹で撫でることで示した。]
(91) Ellie 2019/12/01(Sun) 11時頃
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……もう着くのか。
[示された終点を明らかに惜しむ声が出る。>>85 細い道は少し心配になるが、辺りの住宅の雰囲気を見る限りは治安は悪くなさそうでほっとする。 彼女が一人で歩いただろう過去の夜と、今後己が送れない夜に、彼女が無事自宅の玄関を開けることは常に気にしていたい事柄だから。]
狡い俺は嫌い?
[ニヤニヤと追い打ちをかける。 返って来る気持ちが期待通りのものだとしても、敢えて。 「じゃあまたね」の挨拶までの少しの時間も惜しんで求めた。]
(92) Ellie 2019/12/01(Sun) 11時頃
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[――ら、打ちのめされたのは乙坂の方だった。 呼び捨てでもさんづけでも構わなかったが、彼女の声で響いた「かずま」の響きがあまりに甘くて、奥歯が痒くなる心地にごくりと唾を飲み込んだ。]
――うん。 はは、思ってたよりキたわ、 ……はー、こんな感じか。 店で呼ばれたら手元狂いそう。
[とうとう着いてしまう。 「おやすみ」に続く前口上が少しでも長く続くように、自分も何かを言おうとしたのに、耳元に残る「かずまさん」が脳を溶かして言葉が上手く出てこない。]
俺も、ありがとう。 マフラーは……うん、また今度。
店に来た時にでも、 ――あー、こないだ書いてなかった日は休み、だし…… 寒くねぇから平気、うん。
(93) Ellie 2019/12/01(Sun) 11時頃
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そうそう、カッコつきでdinnerて書いた日は「貸切」看板出して開店記念パーティをするんだよ。 常連さんにはスタッフがこうやって内緒話みたいに伝えてるんだけど、……もし都合が良かったら、是非。
食いたいもんあったら教えて。 連絡先――あー、名刺持ってねぇから何かメモしようか。
[物理的に手を離すきっかけを作らないと、このまま永遠に繋ぎとめてしまいそうだ。 そう思って緩めたのは乙坂の方が先だったのに。
困ったような笑顔でするり彼女の手がポケットの上部を目指したなら、思わず掴んでしまった。]
(94) Ellie 2019/12/01(Sun) 11時頃
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やっぱ、寒いからちょっとあっためて。
[繋いでいない方の手を彼女の背中に回して引き寄せる。 ドッドッドッと鳴る心臓が煩い。 シャンプーの香りだろうか。彼女からは良い香りがする。 あと少し、あと数秒。]
……マフラー渡してて良かった。 危うく、
[もっと近づくところだった、と身体を離し、今度こそ肩に引っ掛けていたワンショルダーバッグを探る。 料理のネタ帳を一枚ちぎって右肩上がりに電話番号とIDを書き連ねた。**]
おやすみ、カコちゃん。
(95) Ellie 2019/12/01(Sun) 11時頃
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[彼女の耳に触れたのは己の指だが、己の耳に触れたのは彼女の声。鈍い振りをして誠実ばかりを知っている。>>88 あれだけ彼女を大事にしたいと思いながら、素直な我が身は指先から伝わってくる緊張感を悦んだ。 触れた場所から拡がり行く独占欲が熱い。]
やっぱり。 ―――…貴女はそういうとこ、狡いです。
[己が想う以上に彼女はこの感情を許してくれるし、何より受け入れて、選んでくれている。
それを掌の上で教えられる男は、悔しくもないのに眉尻を下げた。自然と彼女の口元に視線が降りたのは偶然。]
(96) momoten 2019/12/01(Sun) 14時半頃
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……でも、そういうところも好きですよ。 貴女を日に日に可愛く想うのは、僕が日に日に好きになることと密接な関係があるように思います。
[今、彼女が見せる顔は店員のものではないし、己が見せるのは客のものではない。意識し合う男女のものだと教えてくれる。
愛される覚悟も、意識してくれることも。 彼女は言われたことを鵜呑みにする絵に描いたようなお人よしだが、言葉を信じるなら、己は中でも特別なのだ。>>89]
このままだと、世界一可愛い女の子になっちゃいますね。 それは道理でも、少し不安になります。
(97) momoten 2019/12/01(Sun) 14時半頃
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行き付けというやつですね。 貴女が好ましく思うものは僕も気になります。 ああ、でも。
[本来己は遠慮を知る性質ではない。 彼女に厭われては本末転倒と猫の羊のと皮を被るだけ。 ――― 丁度、あんまりに可愛いと念を押して不安を吐露したところでもあるし。]
よく行く場所なら、手を繋ぎたいです。 [故意犯の物言いと指先が滑るのは同時。 先には耳を包んだ掌が、今度は彼女の手を取り上げる。 大きな掌の中に、閉じ込めてしまうように。
掌を重ね、指を絡め。 ぎゅっと結んで掴まえた。]*
(98) momoten 2019/12/01(Sun) 14時半頃
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違いますねぇ。 “murmur coneyのお客さん”が知らない乙坂さんです。
でも、だから、嬉しい。 だって……恋人、ですから。
[恋、という響きのくすぐったさにはにかむ。好きと伝えるのとはまた違うくすぐったさだ。 手の甲に触れる彼の指>>91の固さも、いつもよりくだけた笑顔も、少し乱暴な話し方も、店員と客の間柄では知り得なかったもの。 餌を欲する雛鳥みたいにもっとと願う欲は、自分の心臓が保つ程度に少しずつ出していくとしよう。]
(99) Pumpkin 2019/12/01(Sun) 16時半頃
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はい、もう着いちゃいます。 もっと遠かったはずなのになぁ。
[欲の代わりに零れたのは、彼>>92に続く寂しげな音だ。 疲れた日なんてどれだけ歩いても見えて来ない景色が、今日はワープしたみたいにあっという間に視界の中。 終わりから目を逸らし、ニヤニヤ顔の恋人を見上げる。]
む、意地悪。知ってるくせに。 ……大好き。
[何度目かの好きは、少し拗ねたような声。彼に求められる喜びの照れ隠しだ。 こんなに好きにさせてずるい。 近い呼び名は、お返しみたいなものだ。くらえ。]
(100) Pumpkin 2019/12/01(Sun) 16時半頃
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……そ、れは、良かった……です。
[くらった。乙坂>>93の反応に、顔が真っ赤になるのが分かる。繋いだ手が燃えるように熱い。 連ねた言葉は別れを惜しむ時間稼ぎであったし、動揺を隠すためでもあった。]
できるだけ早く返しに行きますから、 風邪、引かないでくださいね。 24日に大きな仕事があるので、 暫くはバタバタしちゃうんですけど……パーティ?
絶対行きます。都合は良くします。 えっと、じゃあラザニア食べ……あっそうですね。 私名刺ありますので ――っ!
[いつもの計画性はどこへやら。 わたわたとほどいた指は、ポケットの主>>94に捕まる。 引き寄せられるがまま、よろけた足で腕の中に飛び込んだ。]
(101) Pumpkin 2019/12/01(Sun) 16時半頃
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[近い。近くて、熱い。驚きに固まった身体から、徐々に力が抜けていった。 マフラーと同じ匂いに包まれながら、空いた手で彼の服をそっと掴む。 額を彼の肩に押し当て、2人分の鼓動に目を閉じた。]
……?
[頭上から聞こえてきた声>>95に意識を向けると、耳の中に囁きを残して身体が離れた。 さっきまで燃えるように熱かった身体に夜風が染みる。身を小さく震わせた。]
……。
[差し出された一枚の紙に手を伸ばす。 ワインレッドの爪は紙を通り過ぎ、差し出す手の付け根に触れようとした。]
(102) Pumpkin 2019/12/01(Sun) 16時半頃
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一馬さんに、カコちゃんって呼ばれるの好きなんです。 そんな風に呼ばれることないから、新鮮で。 かわいい響きでしょう?
[輪郭を辿るように手の淵、それから指の付け根へ。]
でも、私も、一馬さんの特別が欲しい、な。
[小指の側面をなぞり、順番に指先の山を越え、最後に紙を掴んだ。]
……次、会った時。 もっと近く呼んでください。 いっぱい、傍で。
(103) Pumpkin 2019/12/01(Sun) 16時半頃
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それじゃあ、おやすみなさい。 連絡しますね。
[代わりに名刺を差し出し、扉の向こうへ駆けていく。 自動ドアが閉まる直前、ふと思い出したように振り返り、自分の心臓の辺りを指で示した。]
ついてるかも。
[無防備に飛び込んでしまった箇所は、少し汚れてしまったかもしれない。 申し訳なさそうに両手を合わせてから、マフラーを引き上げ、顔の半分を隠した。 ひらりと手を振り、名残惜しさを振り切るように駆けていく。*]
(104) Pumpkin 2019/12/01(Sun) 16時半頃
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― 自宅・302号室 ―
[駆けた足はそのままエレベーターへ飛び乗り、染みついた動作で3階へ。ヒールの音に気をつけながら、早足で自室の鍵を開けた。素早く身体を滑り込ませた。 ドアに背を預けたかと思えば、ずるずると滑り落ちるようにしゃがみこむ。]
……っ!
[マフラーに隠した顔の熱が冷めない。きっと耳まで赤い。 睫毛を震わせながら、小さく息を吐いた。視線を手元へ動かす。 受け取った紙は少し皺が寄ってしまっていて、両手で破らないように伸ばした。右上がりの文字を指でなぞる。]
(105) Pumpkin 2019/12/01(Sun) 17時半頃
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[名刺には電話番号とメールアドレスしか載っていない。 鞄からスマホを取り出し、貰ったIDにメッセージを送る。]
『桐野江です。 今日はありがとうございました。 パーティ、楽しみにしてます。』
[あまりにシンプル過ぎる文面と数秒睨み合った。 素っ気ないと思われてしまうだろうか。しかし、自分の性格と年齢が壁となって立ちはだかる。]
『また、デートしてくださいね。]
[数分の葛藤の末、一文が追加された。]
いっ……足攣った!
[足の裏に走った痛みに、慌ててヒールを脱ぎ捨てる。 背伸びから解放された足を震わせながら、親指でもう一度スマホをタップした。
画面には、ハートを持った猫が揺れている。*]
(106) Pumpkin 2019/12/01(Sun) 17時半頃
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ずるいんですか? ……、
[宅本さんのいう狡さの本質を飲み込みきれなくて、なのにやっぱりとついて、軽く目を見張る。 それなら宅本さんだってずるいです、とか、お互い様ですよ、と売り言葉に買い言葉風に続けようとしたが、クレープを口に入れながら、指先の温度に心臓鳴らしながらで回せる範囲の頭では、反論するだけのずるさを見つけられなかった。 彼の振る舞いはいつも紳士然としていて、穏やかだ。 強いて言うなら、]
宅本さんだって、こんな風にするの、ずるいです。
[そんなに紳士なくせに、こんなにどきどきさせてくるのが、ずるい。 猫と羊に騙されたまま、心はゆっくり育っていく。]
(107) mmsk 2019/12/01(Sun) 20時頃
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せ、かいいちは言いすぎじゃないですか。 わたしが可愛く見える、……のが、宅本さんの気持ちの問題なら、不安に思うことなんて、何にも。
[自分で可愛く見えるというのはなかなかに照れくさく、口にしてから急速に言葉尻がすぼんだ。 事実、近年特に浮いた話もなく、こんな初々しい関係になったのも久しぶりだ。下手すると学生時代以来かもしれない。 そんな自分だから、不安にさせることはないと思っていた。]
(108) mmsk 2019/12/01(Sun) 20時頃
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はい。 アクセサリーが色別に区分けされてて探しやすいんですよ。
[行きつけのショップテナントの話に切り替われば、声のトーンが上がる。 単純に好きなもののこと、話すのも楽しい。 そこに、故意犯の指先が伸びてくる。 末端で体温を混ぜ合わせるように、掌と掌が重なって。]
――ふふ。 やっと出てきてくれましたね。
[思い返すのは、はじめての夜の帰路。]
(109) mmsk 2019/12/01(Sun) 20時頃
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[ショップまでは、それほど距離はない。 商店街からはずれて、大通り側に面したところ。 3階にある小さなテナントは、安価なアクセサリーを一面に、虹のように並べていた。 一も二もなく、青色の方に向かう。]
なんだかここに来ると、来るだけでも楽しくなっちゃうんです。 いろんな色があって、全部アクセサリーで。 この中の一番を決めて手に取るのかと思うと、わくわくします。
[シニョンキャップ、シュシュ、バレッタ、バンスクリップにリボン。 ヘアアクセ以外も、コサージュやブローチ、ペンダント。 数ある中からヘアピン類のまとまっている小さなボックスに目を留めた。 そこからは、楽しみながらもどれにするかを真剣に悩みだす*]
(110) mmsk 2019/12/01(Sun) 20時頃
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[「恋人」と紡ぐ彼女の声の柔らかさにまた胸がきゅうと鳴る。>>99 乙坂がカコの「見せたい自分」の裏側を欲するように、カコもまた「客の前で料理を出す乙坂」のオフの姿を欲してくれている。
手を繋いで歩くことが許される関係になってから数十分。
新しく知ったのは、彼女が己をすごく好いていてくれることと、自宅の場所。
拗ねた声で響かせる「大好き」の甘さ。>>100]
いやほんとマジで。 店で呼ばれたらやばいから。
[くらわせてきたカコも動揺する乙坂の姿に動揺して赤くなる。 呼ぶのと呼ばれるの、どちらが先に慣れるのだろう。 でもいつか慣れたとしても、こうして照れ合った衝撃を忘れることはないのだろうという確信がある。
きっと、ずっと。]
(111) Ellie 2019/12/01(Sun) 20時半頃
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「できるだけ早く」逢えるのは嬉しいけど、無理だけはしないでくれな? デカい仕事抱えてんなら、尚更。 俺も体調には気をつけるし。
ってハハ、慌てないで良いよ、
[「都合は良くします」だなんて可愛すぎることを言うその口を塞がずにいられたのは、己のマフラーが防波堤の機能を果たしてくれたから。 それでも離れようとした手を繋ぎ直して引き寄せることまでは我慢できずに。
強張る身体から力が抜けるのがわかる。>>102 抱擁に応える手が乙坂の上着に触れ、今度は少し乙坂の身体が固くなった。
随分長い事こんな風に誰かと抱き合うことがなかったから初心者みたいで情けないが、カコの動悸も激しいところを見ると、そんな乙坂の錆びた抱き締め方でも冷めさせることはないようだ。]
(112) Ellie 2019/12/01(Sun) 20時半頃
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響きも可愛いけど、カコちゃん本人が可愛いからなぁ。
[漸く離した手は、差し出した紙片の受け取りでまた触れ合った。>>103 ムラなく塗られたワインレッドがマンション玄関からの照明を受けてきらめいた。 輪郭をゆっくりなぞる間、その美しい指先から目を離せない。
指の動きが色っぽいと気づいたのは何時だったろう。 その指が銀のフォークを持ち上げて己のパスタを運ぶ様を見つめる視線は、もしかしたら自覚よりも前から料理人の興味の範疇を越えていたのかもしれない。
そんな彼女がメモを取り、同時に此方は力を抜く。 告げられたお願いに、差し出していた手は硬直させたまま、もう片方で口元を覆った。]
(113) Ellie 2019/12/01(Sun) 20時半頃
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……煽るのも上手いとか、
[じ、と見つめる。 今は、「次」ではない。]
覚悟しとけよ? 「もういい」って言っても言うからな。
[いっぱい、傍で。]
(114) Ellie 2019/12/01(Sun) 20時半頃
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[駆ける彼女の軸はぶれない。>>104 高いヒールでもゆっくり歩く必要はなかったのだと再認識すれば、自分との帰り道を伸ばす為の行動に愛しさが増す。 振り返り両手を合わせる姿のなんと可愛いことか! ヒールなど履いていない乙坂の方がよろめきそうだ。]
……嬉しい。
[黒シャツに、彼女の名残。 お互いの気配を交換して、夢ではないと思いながら夜を過ごす幸せを貰ったことに笑みを浮かべて。
自動ドアが閉まってから3階の一室に明かりが点くまで乙坂は暫く佇んでいた。*]
(115) Ellie 2019/12/01(Sun) 20時半頃
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