270 食人村忌譚
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[愛を失った夜、愛する者の肉を独占したくて堪らなくて。
女陰と乳房を望む女に掴みかかりたい気持ちが溢れてしまいそうだった。
男根を優しく包み込む女陰も、慈愛でもって掌を押し返してくれる乳房も。
己を見つめる目玉も、可愛らしい声を紡ぐ唇も、乱れる髪の一筋も。
感情が詰まっているだろう脳髄も、生きていた証の心臓も。
全部、全部全部全部全部全部全部余す事なく全てを己のモノにしてしまいたかった。
しかしそれは叶わぬ願いだった。
この村でそれを口に出せば罪人として裁かれるのは自分である。
それもいいだろうと考えはした。
考えはしたが、食われるのならば愛する者に食われたいと、そう願ってしまうから。
節の目立つ指や、弟を見つめる目、考える脳味噌、そして心臓を食べてくれたのなら弟の中で生きていける。
だけど、もっともっと、と求めるのだ。
汚物に塗れた腸や精を吐き出す陰茎に睾丸。
血液の一滴すらもその身に取り込んで欲しいと、そう願ってしまうから。]
[愛する者を独り占めしたかった。
愛する者だけに私の死体を食べて欲しいから。]
[男は弔い肉を受け取ってもそっとその肉を処分する。
愛を失ったあの日から村人を食べる事が出来ないでいる。
きっと錠ならば美味しく食べられるだろう。
彼は男にとって何よりも大切な家族だから。
ゆりも食べてしまうだろう。
複雑な胸中はあれども、あれも娘だと分かっている。
嫉妬心に苦しんだりもするが、情がそこにないわけではないのだ。
あの肉を食らえば初めて娘の存在を認識して喜びを覚えるのかもしれない。
そこには確かに愛はあったのだと初めて知る事が出来るのかもしれない。
そうなればきっとまた独占欲が湧き出て誰にもその肉を与えたくないと思うのだろう。
只、そう思えども実行に移してしまう勇気はない。
臆病な男は思うだけで動かない。
仲間がいなければ動けない臆病者なのだ**]
[山菜煮と、米と。
人の肉より、余程美味い。
糞尿の臭いに塗れた腸
膏ばかりでぐにぐにと噛み応えの悪い皮
男たちの硬い肉
骨と皮ばかりの老人の其れも
弔いという名目がなければ、口になどしたくない。
母は居らず、父もわからず
近しいものの居ない自分には
人を食べたいという慾がない。
誰ぞが食べたい
何処を食べたい
聞くたびに、ススムの胸は苦しくなる。
この村の風習に染まり切れない自分を
責めるような其れ。
居たとしても、自分は縁者を食わぬだろう]
僕は、僕は、 僕だけが
僕だけが。きっと違うんだ。
僕だけが。
どうしたら、何時にも、 何処にも
いられない。
僕は、どうして――
[苦悩の声を聴いたものが居ようなど
その時のススムは、知る由もなかった**]
ー −
[母親は『捨てた』つもりか『預けた』つもりか。
表向きは薬師の継承者になり得ると踏んで任せた子供。
しかし最初から、母親の罪を識っていた薬師は
罪人に己の種を撒き新たな罪を産ませていた]
せんせい。何でミナカタって言うの?
名前はどうなるの?
[問うた記憶の中の返事はいつも同じ]
『ミナカタは“皆を騙る”からさ。
わしたちは村人の命を助けもするし、殺しもする。
膨れ上がって立ち行かぬようになれば村は滅びる。
必要なところを間引いてやるのもお役目だ』
[その意味を知るのはもう少し先。
夜中に訪れる患者はいつも女。
切々と涙で語る物語は似たり寄ったり、結末も。
鬼灯から作った堕胎の妙薬。
堕ちた子供は何処へ流されていったのか。
源蔵が成長せぬのはきっとああやって消えたからだろう]
『わしらは代々村人皆を騙って生きていく。
名前など必要ない。
村の闇の1つに生きるのに、自分など必要ない。
不要だと思ったら間引くのも大事なお役目』
[酒を飲むと豹変する先代は嫌いだった。
そしてそれ以上に自分自身が嫌だった。
自分の為に生きることも出来ず、
村の為に名も棄てて、村の為に村の為だけに生きるなど。
不要になった者を間引いて良いと言われて。
最初に間引いたのは先代だった。
まるで抑え込まれていた蓋が一気に開いた解放感。
誰も知らぬ昂揚は誰かに教えずとも良いものか。
独り抱えたままで良いものか]
[──────そんな事すら判らぬほど。
罪を犯す果実は計り知れぬほど甘いのだ**]
[親の記憶は無く
村人達との繋がりを、何処か壁一枚向こうのことと
他人事のように感じている
羨む心地は無くもない。
ススムなりに、毎日勉学に励むのは
自分にしか出来ぬ事を探し
雄として以外の役割以外を手にいれるため]
子を作って、役目を終えたら食肉になって
……人間と家畜は、何が違うんです?
[学び舎に通い始めた頃
精通を迎え、女を紹介された頃
其々に尋ねた事がある。
各々の返事はどうだったか
問うていい内容ではない事を、2人目で理解して
それ以降は誰にも口にしてはいない]
[彼の望む家族像には程遠い。
向上心は方向性を違えていて
日に日に、村へ対する疑問ばかりが増えていく。
自分は、此処にいるべきでは無いのかもしれない
永遠に誰とも分かり合える気がしない
自分だけが人を美味いと思えない
自分だけが人に喰われたいと思えない
自分だけ
いつか、気付かれてしまったら
そんな恐怖を抱えたまま
今日も何食わぬ顔で、村人の真似事をする。
解決の糸口を、探しながら**]
[人間と家畜はどう違うのか、と問われた事がある。
色々と考えが巡る。
違いは感情を持っている事だろうか、と考えて違うと否定した。
家畜とて屠殺されるとなれば泣く事もある。
ただただ無為に殺されているわけではない。
彼らとて感情はあるのだ。
子を作り、役目を終えたら食肉となって。
どこも違う処などあるまい。
敢えて言うのならば。]
[ただ、そこだけの違いだ。
それを口に出す事はなかったけども。
この村でそれを口にするような人物の末路はどうなるのか考えるまでもない。
弟を一人残すわけにはいかないのだ。]
……死んだ人を食べるという事はとても神聖な行為ですから。
それを疑問に思ってはいけませんし、疑問が胸に溢れても口に出してはいけませんよ。
それが貴方の為です。
私はまだ貴方を食べたくはありません。
[だからこの時はそう答えたのだった*]
[この村の男も女も古くからの命の巡りに
何の疑問も持たなかった。
その疑問に持たぬ者の中に、
俺も確かに含まれていて、間引きに仄暗い愉悦を
独り抱えていた頃の事。
疑問を持つ者がいた]
へぇ……。
[どうしてそんな事を聞く?とは尋ね返さず、
返した俺の表情は普段とはまるきり違う狂気の一端を
唇に浮かべたまま、ニヤと笑う]
家畜も村の人間も同じだ。
いや、群れを作る動物とこの村の人間は同じ。
群れを守る為の統一の行動に疑問なんて持ちはしない。
だからお前は今、家畜から人間に成った。
おめでとう。
だが気を付けろよ。
群れは群れを乱す特別な考えを嫌う。
気付かれたら群れを守る為に排除される。
群れの中で自分を殺して従い続けるか、
群れを嫌って行動するかは好きなように。
あ゛?
何でそんな事話すのかって?
[くく、と喉震わせて彼を見つめた瞳に宿るのは
殺意でも憎悪でも脅す様な圧迫感を
感じさせるものではない。
どろりと、どの常識とも違う異質さを蕩かした色。
それでも人差し指を立て、シーっと秘密と示すこと位は
忘れない理性よりも戯れ。
その後、彼から問われることは無かった。
そして村から糾弾されることも無かったから。
俺がこの群を乱す可能性のある
異質な特別を間引くことはしていない]
[それをしない理由の1つに
彼の疑問に思うところがあったから。
別段この村で暮らし、薬師として生き、死んで
誰かの腹に収まるのも良いだろうと思っていた。
だがこの村を、家畜、動物の群れと称して気が付いた。
死んで誰かに食われれば、またこの村に生まれてくる。
人間の皮を被った家畜の群れに]
[ぞぅとした。
嗚呼、本当にぞぅとした。
俺は特別だと理解して、間引く歓喜に震えても。
所詮この群れから逃れられない。
そんな気味の悪いものあってたまるものか。
俺は家畜を間引きたいのではない。
人間を殺したい。
人間を殺して食ってみたい。
その為に……死んでも連れ戻されるこの村なんて。
……要らない]
[不要なものを間引くのが俺の役目。
俺にとって不要なものは……。
この想いは未だ誰も知らぬまま。
淀んだ血と臓物の中に埋まったままだ**]
[彼らの答えを聞いてから
村の人間はススムの中で家畜と同列になった。
先生の教えには、素直に頷き
ミナカタには、同じように人差し指をたてた]
[自分だけが人であるのだ。
其れを知られてはいけない
群れを嫌った所で
生活できるだけの力がないうちは
家畜の中に紛れて暮らすしかない
だから
教わった通りに、身を潜めている。
気取られては、群れに排除される。
実際注意勧告はされてしまった。
未だ、自分は 生かされている。
けれど、今年でもう18になった。
家畜を捌く方法も教わった
生活に必要な知恵も備わった
後は実践が伴えば、群れは
不要になる*]
後は滴る温い血があれば……。
[飢餓を訴えるのは喉か心か]
本当に。
この村は……いや、群れは終わりだな。
[随分と不要な者が目立つようになった。
それが素直な感想。
ぽつりと漏らした感想は。
疑う事も聞こうともしない群れには聞こえない*]
[風が攫ってきたのだろうか。
誰ぞの呟きが聞こえた気がして、見渡した]
……?
[群れの終わりを告げる不穏な声。
神通力が使えるわけでもない、ススムは
空耳だろうかと僅かに首を傾ぐ。
ミナカタに出会ったなら、声の元もわかるもの
学び舎に向かうまでに
彼に出会い、言の葉かわす事はあったかどうか*]
[視界の端に捉えたの薬師の男
先ほど聞こえた声は彼の声によく似ていた。]
誰かに殺されるくらいなら、いっそ私の手で。
[殺してその肉を食らってしまいたい。
何度そう思った事か。
寝ている弟の首に手を掛けた事もある。
しかし男に弟を殺すなんて事が出来るはずもない。
甘え、縋り、頼られる事に安堵を覚えているのだ。
弟には自分しかいない、そんな幻想に囚われているのだ。
死んで置いて行った愛した女とは違う。
誰でも受け入れ誰をも愛したあの女とは違う。
只、一途にこちらを見ている弟に依存しているのは己の方。]
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