だって!…そうだけど、
……そうだけど。
[我慢が出来ないの。両肩を両手で抱いた少女はいやいやをするように首を振った。
周りに黒い霧≪black smog≫が広がっていく。美しき蝶の精霊≪モーチェ≫が徐々に青く染まっていく闇に、捕食されていく。]
でも、そう、そうなの。
その時にわたしたちは正しい摂理≪fall from virtue≫を作らなきゃ。
──理想の、世界に。
そのためには、我慢しなきゃいけないの。
[ありがとう、シメオン。ゆるゆると口角を上げると目尻に溜まった雫が零れ落ちる。ねえ、そうよね。そうでしょう。1人だけの同意では満足できないのだと、ガーディ…かつては光の世界≪ROYAL frontier≫に居たガーディアン"タナトス"をぐるりと振り仰ぐ。そうしてからの言葉に目を見開けば、頬が落ちるような顔つきで微笑んだ。]**
(*9) 2016/12/02(Fri) 02時半頃