― 夜明け前:グラウンド ―
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[おもんは『頭』の部分に持ってきた首を、足元へぽんと投げた。首はどぶんと沈んでいく。おもんはそれを下駄で踏みつけて、すっかり地面の下へ沈めてしまった。
――またこの地に九尾の首が戻った。>>1:845
怪異は怪異を呼ぶという。力が強ければ強いほどに。
しかし今はもう、妖力の抜けてしまった抜け殻のような頭だ。なにせ、ナツミの渾身の拳を受けている。>>7:324
空になった手で、手遊びに三味線をいじりながら、クラウザーの話をきいていた。
ここには、あとはセイカとナツミ。ナツミは寝落ちかけで舟を漕いでいた。寝に戻りなと言ったが律儀なやつである。]
……たった一日でぇ?
[今日一日。一体自分は何を手にいれたろうか。
去り行くものとして、好きなようにしてきたが。
今日手にいれたのは九尾の首。これは持ち帰る。
持ち帰りもせず今世に全て捨てていくとするものがあるとすれば「ひとの縁」だ。それは「えにし」とも「ゆかり」とも「よすが」ともいうけれど。]
(688) gekonra 2018/09/27(Thu) 03時半頃