[自動人形≪オートマタ≫が駆け出したのが赤く艶めく光に映る。>>165
──ああ、救ってくれようとしたわけでは、なかったのね。
期待など初めからしていたわけではなかったのに、自身に対しての嘲笑が溢れる。
教会すら、わたしの力にはなってくれない。
そして甘んじて──いいや、或いはその場から動けなかったのか──少年の死神の鎌≪タナトスの口づけ≫>>165を受け入れれば、噴き上げる紅の薔薇を撒き散らして少女は呆然と口を開いた。]
──いたい。
[まるでその呟きは、ただの少女≪Tada no girl≫のよう。
散る薔薇が、少女の涙が地に落ちる度に、そこから新たな命が芽生える。
そして───瞬間的に枯れていった。世界樹の根元から吸収するように暗く、黒く花々が染まっていく。そうして世界樹から伝った闇色の光が、決して無事ではない、大きく傷付いた体を柔らかく癒した。
──少女の本分は、繁栄と、命の祝福だ。]*
(188) 2016/12/04(Sun) 23時頃