[彼の英雄によって聖戦≪ジ=ハード≫が終わったが、正能をより高密に高度に組み込まれたと言われる、13世代目の一体たるこの殺人人形は蠢き続けた。
世界樹のあるこの地にコレが足を踏み入れた時、当時コレは血肉と泥で錆付かせた、女性の外殻をした人形だったという。
コレの機能を停止させたのが、魔将側の家系‟だった”教会の神父アイランド。
アイランド氏は、己の血筋、己の祖先の起こしてしまった罪を受け止め償う為に殺人人形らを壊していた。だが、それと同時に殺人人形のその高度な技術を生かして、人の為に成る物に変えようと動いていた。
魔物に対する武器を持ちながらも、人を癒す術を宿すために。
人形を分解し、プログラムを再構築させ、魔物の心臓を生かしながら、癒しの力を持つ属性≪エレメント≫・「光」を注ぎながら。人形が何度も暴走を繰り返し、何度も己の命が、体が削られようとも。
外殻が少女に近いものになった頃、コレは‟元”殺戮兵器として、‟レティーシャ・アイランド”として生まれた。
可愛らしく、穢れのない幼子のように。]**
(167) 2016/12/04(Sun) 20時頃