― 飲みすぎ注意!>>108 ―
[食道楽であるこの身は飲兵衛でもある。
その日は確か、つよいピート臭をオンザロックでレイヤー分けして楽しんでいた。ストレートも美味いが、グラスの中でぐるぐると琥珀が渦巻くのが可愛らしい。]
私はあの方を今も昔も尊敬しているので、それが思慕に見えたのでしょう。でも、良い友人ですよ。
[飲酒が進むと眼鏡を外す癖がある。
だらしなくジャケットの袷に掛けるから、忘れることはないけれど。
そうして一拍空けて、グラスを傾け小さく笑う。
話の目的はともあれ、意図が読めぬでは弁舌で食うに困ってしまう。彼が問いたいのは男女の仲であるか、という話ではなく。]
……僕はお慕いしている方がいますから。
[瞳だけで笑って答える些細なやりとり。
彼女の印象については首肯しかねるものの、例えるならタンポポ。なんて言っても恐らく通じない。酒で妄言を咽喉奥へ追いやり。]
(164) 2019/11/26(Tue) 23時頃