自分でも差し出がましいと自覚はあったのですが、如何しても貴女に食べて欲しくてお願いしてしまいました。
――― そしたら。
遠慮はするけど、要らないとは決して言わなくて。
自分の“好き”を大切になさる方なんだと思いました。
かわいいだけでも、ないんですねって。
[プリンに纏わるエトセトラ。
カウンターを挟んでそんな目を向けられているとは彼女も思うまいが、好きなものに触れている時、人は無防備なくらい素直になる。素の彼女は、己の心のドアベルをリンリンと揺らした。]
そう思うと、宇都木さんは僕のキューピッドなのかもしれません。
今度、こっそりお礼を言っておきますね。
戸崎さんにメロメロになっちゃう機会を頂き、ありがとうございましたと。
[揶揄と本気が入り交じる惚気た報告。
きっかけも、過程も、結果も、同じくらい大事にする男は、彼女の羞恥心だけ大事にしない。寧ろ、百面相の移り変わりを全力で楽しんでいた。]
(141) momoten 2019/12/02(Mon) 01時頃