人狼議事

270 食人村忌譚


【人】 真剣師 鬼丞

[畑道具をしまう掘っ立て小屋の軒先、自宅より日当たりの良い此処に、二週間ほど前に今年初めての柿を干した。
何本か吊るしたそれを指でもみこみ、3つほどがついた紐を一本、常に懐にしまっている小刀で切る。
まだまだ出来上がっていないかもしれないが、一つ食べてみて駄目ならまた吊るせばいい。

干し柿は普段女子供にくれてやってしまうが、今年は自分でも食べようと考えていた。

少し、太ろうかと考えたのだ。
太ると動きにくい、と言ったリツなどはまだ若いが、丞はただでさえガタが来ている。
江津子の言葉で、容と交わした言葉を思い出していた。若い娘に「食べてもいい」と言われたことを。本気ではなかったろう。丞も先ほどまで忘れていた。
何も起こらなければ、先に食べられるのは己だ。
残された者が、せめて美味しく食べられるように。
――少し、太ろうかと思いついたのだ]

(107) 2017/11/23(Thu) 23時頃

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