[大丈夫、との言葉を聞けば>>48大きく深いため息をついた。それでも後で大きなたんこぶが出来るかもしれない。氷嚢を準備するべきかと頭の中にメモを残す。
汚れたジャージは全く気に留めていなかった。バーナバスの視線が汚れた膝部分に向いたことも気が付かない。
恨みつらみはあるのかどうか、窺うような視線は真っ直ぐに彼の双眸を見ることはできない。途切れた言葉と落とされたため息>>49は金色に隠れた耳にしっかりと届いていた。]
……はい。
ご迷惑、おかけします。
[すっかり意気消沈してしまった少女は多少よろめきながらも、バーナバスの助けもあって立ち上がる。腕を引かれるままにその後ろをついて行った。
ライオンの髪は、脱衣室の前で見た時よりもあちらこちらが跳ねている。
傾きかけた陽の色がその髪に差し美しい色に染まるのを見つめていたのは、おそらく少女だけだっただろう。]
(51) 2012/09/26(Wed) 18時頃