[きっと、もうずっと前から、下牧ショコラは花輪メアリーの一挙手一投足に惹き付けられていた。
自分の血生臭い『物語』などよりも、彼女の『物語』を登場人物として楽しみたいと思った。
だからスタートボタンを自ら押した。>>0:2
その願いは叶ったけど――… 無自覚な「メアリーへの好意」は誰も知らぬまま。
「あわよくば自分にもチャンスが回ってこないかな?」という無自覚は切り捨てられる。
『親友』の皮を被った『越えるべき"闇"』としての役割が与えられた。>>1:224
「理想のはずの彼氏」はそれを助長するように振る舞わざるを得なかった。
ショコラが『物語』に抱いて逢魔が時を相手に歌った不満>>1:624の本質は、キャスティングについてのものだったのだ。
石炉の言葉を切欠に気付いた今、ショコラは「ジョブチェンジ」を願う―――*]
(29) 2022/09/17(Sat) 12時半頃