人狼議事

270 食人村忌譚


【人】 真剣師 鬼丞

[「好きな野菜は」、とあの夜、丞は容に問いかけた。
返答の有無に関わらず、丞は己の好みを口にする。
「柔らかい食感が好きだ、春の葉物が好ましい、部位ならば頬と舌が特に良いが葉物は肉とは異なる食感を得る―――」

そして、暗所にしまい込んでいた野菜をいくばくか籠にいれ、容に差し出した。また太陽の上っている頃に来い、と伝え、それまで手伝い程度しかしたことがなかっただろう神社の娘に、手が届くだけの知識を教えることとなった。

何のために米を、野菜を育てるのか。
生きるためか。 食べるためか。
それだけならばきっと、この村で今まで生きてはこれなかった。
特に、それが若い娘ならば。
少しばかりでも「好き」が加わればそれが理由になるだろう。
食べることが好きであれば、それは今日と明日を繋ぐ理由になる**]

(18) 2017/11/23(Thu) 03時頃

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