254 東京村U
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[同じ被害者かもしれない。 他人事とは思いにくい内容だ。]
……えと……あなたは無事? 警察って、動いてくれてる?
[電話先の相手が無事なら、自分の両親だって無事かもしれない。 もし電話先の相手が警察に動いてもらえているなら、自分たちのことだってきちんと調べて貰えるに違いない。 そう思いたかった。 同じような被害者だったら、協力だってできるかも――だから]
(251) 2016/10/02(Sun) 17時頃
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[「東蓮寺くん宛に、木露さんからメールが来てるんだけどなあ」と困ったように同僚がぼやく。「まあいいや、鈴里さんは来れるのね?」と、話が進まないことを悟ったらしい相手が会話を切り替えた。]
ええ、はい。
[答えながら、本を本棚に戻す。簡素な木製の本棚には、青背のプラスチックファイルが数冊並んでいる。そのうちの右端にある青いファイルを抜き出して開いた。
ちょうど一番上に乗せられた「未来なんていらない。別な私になりたい」と、そう希望欄に書かれた紙の上に、「田舎に帰らずに済む未来」と、その調査書を重ねた。 バネ式の金具を開いて抑えて留める。 ぱむん。と軽い音を立ててファイルが閉じられた。]
(252) 2016/10/02(Sun) 17時頃
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――アタシもそう言おうと思ってた! 会お!なんでもいいから知りたいの。
えと……名前きいてもいい? アタシは今は渋谷。どこ行ったら会える? **
(253) 2016/10/02(Sun) 17時頃
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/*いるまつぁん……(トクン
みよ子さん、めっちゃ楽しいんだけど、これ吊ってくれくれ狼COなのかなー?悩ましいなぁ。もっと見てたいし、絡みたいんだけど。
(-42) 2016/10/02(Sun) 17時頃
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/*霊界での東蓮寺&みよ子さんも見てみたいし……うーん?
(-43) 2016/10/02(Sun) 17時頃
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[がちゃりとドアにカギをかけて、四ツ谷駅までを歩く。鈴里が借りているマンションは、駅からはそう遠くはないが近くもない。
お互いに名前も知らない人間同士が肩を並べて同じ電車に乗る。いつもと違う時間の車内には、たまに見かける顔がいるということさえない。
ある日、ひとりふたりがふっと消えたとしても、 問題にもされないような人口過密地帯。 行方不明になった男は、あれだけ騒がれても見つからないままだ。
がたん。と、列車が速度を落として、 空気の排出音とともにドアが開いて新宿駅についた。]
(254) 2016/10/02(Sun) 17時頃
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PPP イルマは、メモを貼った。
2016/10/02(Sun) 17時頃
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……無事です、あたしなら。 動いてるのは、警察じゃなくて……
[どこから話したらいいか、説明に言いよどむ。 会って、ゆっくりと相談したい。 そう願っての提案は、予想に反して、すんなりと受け入れられた]
あ、ありがとうっ! ……ジリヤです。雪野瀬 ジリヤ。
今、新宿です。 ホテルとりますから、まずは駅で。
[時間と駅近の待ち合わせ場所を決めて、通話を切った。 午後からだ。今からいけば十分間に合う。 それまでにできることはないか、ジリヤは頭をめぐらせた――]
(255) 2016/10/02(Sun) 17時頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2016/10/02(Sun) 17時頃
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/*渋谷組との絡みを考えると、午後からがタイミング自然よね〜と思ったら4日目ですね。この先生きのこるには。
(-44) 2016/10/02(Sun) 17時半頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2016/10/02(Sun) 17時半頃
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― 新宿・某スタジオ・入間との通話前 ―
[ジリヤの曲も、いつか聴けたら(>>225)。 神と敬愛してきた男性からの思わぬ言葉に絶句し、 嬉しさと恥ずかしさで火照った顔を両手で覆い隠した]
……そ、そんな!? あたしの曲なんて、ぜんぜんヘタクソで……
[こわごわと両手を下げて、目元だけを覗かせる。 その目頭は、わずかに濡れていた]
もう、やめなきゃ、って思ってた。 この"仕事"……あの、アイドルのことだけど 専念しないとダメだったから。
でも、ちょっとまた、やる気出た。 いつか、自信もてる歌ができたら、 そのときは……うん、約束。
(256) 2016/10/02(Sun) 17時半頃
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[ドリベルがiPhoneの画面に映し出したパズルの写真(>>226)。 パズルは二十面体からはじまり、スライドするごとに、熊、鷹、へと形状が変わる]
……すっご。 これ、全部おんなじパズル? カクカクからはじまって? まだ続きあるの?
へぇ……不思議。 どういう仕組みなんだろう。 リンフォン?
[なんどもスライドを行き来させて、形状の変わり具合に驚く。 ごく自然な流れで、ふと疑問を口にした]
これ、完成したら、なんになるの?**
(257) 2016/10/02(Sun) 17時半頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2016/10/02(Sun) 17時半頃
お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2016/10/02(Sun) 18時頃
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***
To.木露 流衣様 Title.ご希望いただいた物件について
新宿不動産の鈴里みよ子と申します。 本日、東蓮寺が休みのため 代理でメールをさせていただいております。
木露様より東蓮寺宛にご希望いただいた物件につきまして、 現在、確保の状態となっています。
内見の日取りなど、ご希望があればご連絡ください。 入居審査書も当日お持ちいたします。
別件のご要望につきましてはご質問の内容にもよりますが、 売買にかかわる決まりなどについてはまずお話しできるかと思います。
新宿不動産 鈴里みよ子
(258) 2016/10/02(Sun) 18時頃
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─ 新宿不動産 オフィス ─
[カチ、と矢印のカーソルを送信の上にもっていきマウスをクリックする。ひとまず、心理的瑕疵物件担当なのだから。と割り振られた業務を終えて、肩を回した。]
あとは……
[次に何をするべきかと、今しがた送ったメールの相手の名前をぼんやりと眺めながら、鈴里は息をついた。 木露の名前は見たことがある。内容から本人だろうと思われるが「トレーサー」の作者だろう。黒い鳥文庫から他に「素顔連盟」等を出しているホラー作家だ。]
(259) 2016/10/02(Sun) 18時頃
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[丁寧な下地の説明とその細やかな状況設定の矛盾のなさは、よく下調べをしていることが伝わってくる。違和感を持たずに現実と地続きにある奇妙さに足を踏み込めるのは、作者の観察眼が偏らずに冷静だからだろう。]
うらやましいわ 才能よねえ
[人に、恐怖体験させられる才能だ。]
(260) 2016/10/02(Sun) 18時頃
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[ほんのりと淡く苦笑する。文字で人を別世界に引き込む、 その才能は、自分にはないものだったからだ。
黒い鳥を子会社として作られる前、その親の青い鳥ホールディングスが出している雑誌の賞に何作か続けて投稿したホラー小説は、どれもこれも箸にも棒にもかからなかった。
唯一ぎりぎり佳作に引っかかった一作も 評価はボロボロだった。
──描写に現実感がない。──ただ怖がらせようとするのでは足りない。それも失敗している。──熱は感じるが傾倒しすぎており視野の狭さに冷めてしまう。
この道を続けるならよりいっそうの努力が必要不可欠。 というのが当時の編集部から下された評価だった。]
(261) 2016/10/02(Sun) 18時半頃
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[一言一句なぞれるコメントを反芻すると、ため息が漏れてしまった。
「恐怖小説なのか幻想小説なのかサスペンスなのか 筆者がどこを目指したいのかわからない。 しっかりと自分の目指すものを見極めるべき」
厳しいコメントは、胸の中にはっきり刻まれている。ひどく刺さりはしたものの、転機となった一言でもあったことは確かだ。
あの一言がなければ、 きっと、今の自分はいない。]
(262) 2016/10/02(Sun) 18時半頃
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『325ページは、事件の起きた3時25分。』
(263) 2016/10/02(Sun) 18時半頃
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『歌詞に出てくるアスファルトはサクラコがアスファルトに打ち付けられた暗喩。』
(264) 2016/10/02(Sun) 18時半頃
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『引き裂かれたページは、サクラコと某事務所の俳優の恋仲が引き裂かれたという暗示。』
[まただ。『あの歌』の噂が、また一人歩きしている。]
(265) 2016/10/02(Sun) 18時半頃
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やめ、てくれ。姉ちゃんだけじゃなくて、オレまで……
[何度も何度も鳴り響く歌。まるで、海の奥底に引きずり込まれるかのように。]
(266) 2016/10/02(Sun) 18時半頃
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/*
太字一発言にリアタイ遭遇してしまい めっちゃびびってしまったよね いまね…
あと、わりと早期から考えていたことを ようやくいまごろ出すっていうね……
(-45) 2016/10/02(Sun) 18時半頃
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『嫌よ。シノちゃんだけじゃ、寂しいもの。』
[女の呟き、が一二三の耳元で囁かれる]
やめろよ、オレも姉ちゃんもアンタの所なんかに行きたくないっ……!
(267) 2016/10/02(Sun) 18時半頃
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『じゃあ、助けてよ。騙されて、一人きりのアタシを。』
[女は、一二三の手首を掴む。]
『シノちゃんも、アタシとお揃いにしてあげたの。でも、シノちゃんは全然喜んでくれないの。 だから、自慢の弟さんに協力してもらおうって』
(268) 2016/10/02(Sun) 19時頃
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『たす けてよ』
(269) 2016/10/02(Sun) 19時頃
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リーは、汗だくでベッドから*飛び起きた*
2016/10/02(Sun) 19時頃
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おはよう。出目ですよ。 大丈夫、こっちは無事。そっちは?
えーと……これからどうする?
[後ろで通話をしている入間澪音を見る。彼女は誰かに会いに行くようだ。 しかし一度解散するとしても、木露を一人置いて行くのは無責任に思えた。彼を巻き込んでしまった――どうしてもその気持ちが心から離れない。 とはいえ、家のベランダから、木露に気付かれずベッドの下へと先回りするという離れ業は、あまり現実的ではない。ベッド下の男はストーカーとは別人で、彼が帰宅した時にはすでに潜んでいたと考えるのが妥当だが。それでも自分が彼に頼らなければ彼は家を追い出されずに済んだのではないか。そう思えてしまうのだ。]
(270) 2016/10/02(Sun) 19時頃
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― とあるPC内のテキストファイル ―
2.出れらない迷い路の噂 また行き止まりだ。 いくら外に出る機会が多くないとはいえ、自宅の周辺で迷うことになるとは思わなかった。 引き返して十字路を右に曲がる。そのままL字に曲がりT字路を右に曲がれば、また行き止まりに突き当たる しかし、この街はこんなに入り組んでいただろうか。 それに人の気配が全くない。 歩いていても誰ともすれ違わないし、塀の向こうで誰かが生活をしているような匂いすらしてこない。 途方に暮れてながら歩いていると、また突き当りだ。 だけど、今度ばかりは少し様子が違う。 スーツ姿の男が立っていたのだ。 その男に僕は道を尋ねたが、聞いているのか聞いていないのか別の話をし始めた。 それは奇妙な異世界の話で――
(271) 2016/10/02(Sun) 20時頃
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3.事故物件に潜むモノの噂 ビルの中にあるコーヒーショップ。 編集者との打ち合わせを終えた後、僕は窓際の席で本を読みながらコーヒーを啜っていた。 ふと、外に目を向けると奇妙な光景が目に飛び込んできた。 少し離れた所に立つマンション。 その屋上で、女の子がまるで万歳をするかのように両手を挙げている。 やがて、その少女の身体は引っ張られるように浮き上がり――
(272) 2016/10/02(Sun) 20時頃
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― 朝:渋谷 ホテルの一室―
おはようございます。 こっちは多少変わったことがありましたが、概ね無事です。
[電話口から、『これからどうする?』と聞かれ、考え込む。 数十秒の時を経て、口を開いた]
少年少女はどうするかわからないけど……。 とりあえず、家の方を確認して見ようかと思ってます。 アイツがまだ居るのなら通報しなきゃだし、居なければ持って来ときたい荷物もあるし。 出目さんの家の方も見れるなら見ときたいですね。 ああ、それと澪音さんの方で時間が取れれば、話を聞いておきたいところかな。
[そして、また数秒開けてから言葉を続ける]
出目さんが嫌じゃなきゃですけど。 一人にするつもりはないし。
(273) 2016/10/02(Sun) 20時半頃
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キルロイは、ジリヤに話の続きを促した。
2016/10/02(Sun) 20時半頃
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/*おおおう!退場者が本になってくんですね!
(-46) 2016/10/02(Sun) 20時半頃
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…… え?
[少時の前。 ジリヤが口にした疑問に、青年は虚を衝かれた。 その様は、先の空白と比べ強かで露で、 彼女にも、その違和は、確かに感じられただろう]
……あ、 うん。 次は魚で……説明書みたいなのに書いていたのが、そこまでで。 だから、多分、それで終わりなんだと思う。
説明書が、完全だとは限らないし。 その先も、あるかもしれないけれどね。 もしかしたらさ。
(274) 2016/10/02(Sun) 20時半頃
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― 夕暮れ時・新宿通り ―
[薄く紫に青に染まりゆく、暮れなずんでいく新宿の街。百貨店から様々の喫茶店、洋服屋、大通り沿いのショーウインドウが並ぶ通りを、青年は一人、ギターケースを背に歩いていた。 スタジオ練習が終わってから、メンバーで夕飯を食べようかという話が出たが、ヴェスパタインとキーボードの二人がそれぞれ用事があるという事で、今日は解散の流れになったのだった]
……、
[人波のあいまを歩きつつ、青年は漫ろに考える。 一つはバンドのこれからについて。 もう一つは、]
……なんでだろう、……
[何故、自分は、あの時ジリヤに問われて、すぐに答えられなかったのだろう。躊躇ってしまったのだろう。リンフォンが、次は魚になるという、魚が終わりらしいという、それだけの知り切った単純な事実を、 言い淀んで、しまったのだろう?]
(275) 2016/10/02(Sun) 20時半頃
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