287 ―シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア2―
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[ 忘れるものか。 ]
(82) 2018/11/07(Wed) 23時頃
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―― 自室 → ――
[ぴりり、という携帯の音に、まぬけに目を醒ます。 棺おけを模したベッドの中だった。
バーの店長からのメールが見えた。 次のシフトはいつ入れるのだという催促だった。 男は呻く。
そういえばトレイルに歌ってもらうんだ、と どこぞで間接キッスは嫌だのなんだのと 言われていたことも知らず 思い出した。
良い歌声のひとがいるから今度つれてきていい? と 店長にメールを返信してから ゆらり、と身を起こす。]
(83) 2018/11/07(Wed) 23時頃
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―― →キッチン ――
――ってえ、あああ……?!
[男のすっとんきょうな声が小さく響いたのは、 少し後のこと。
冷蔵庫から見事に消えているチョコレートに またやられた、と頭を抱えた。 十字架ではきかないなら 今度はニンニクでも寝ている口につっこもうか。 と、まだ見ぬ盗み食い犯相手に思いつつ
寝覚めの悪さをさましたく ホットミルクをつくろうとしていたのを思い出すのは それから少しだけ後のことだった**]
(84) 2018/11/07(Wed) 23時頃
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―― キッチン ――
[それから。「ご自由にどうぞ」と書かれたチョコレートに 男は、ああ、と理解が及んだように呟く。 これは多分、ベッキーが置いたものだろう。>>91 記された文字に、ふふ、と小さく笑った。]
注文していたケーキが届くのは……明日だっけ?
[そうそう。 あれから、チョコレートと一緒に ケーキも用意しておこうかと思って通販で頼んだのだった。
もちろんどこかで胃もたれしそうな夢を見ている 誰かさんのためではなく どこかで「こうもりさん」の本を見ている 誰かさんのためでもなく いつも仕事を頑張っているベッキーのために、である。 甘いものが多すぎると言われてしまっても悲しいので 日持ちするバウムクーヘンだったけれど。]
(136) 2018/11/08(Thu) 21時頃
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[トレイルが機嫌よく歌を歌っていた時間よりも 少し、後のこと。>>117
ほんのり珈琲の匂いが残るキッチンの中で 牛乳を確認して、ちょっとだけ考え直す。
男はお湯を沸かしはじめた。 大きめのボウルに牛乳をふわりと注ぐと、 そっと電子レンジにいれる。
心地よい音が響いてからレンジから牛乳を取り出し、 手馴れた様子で泡立て器でそれを混ぜる。 泡を、とりわけてから あらかじめ淹れておいた珈琲にそっと注ぐ。 上からふわふわと液面に泡を乗せれば、完成だ。 使ったものの片づけは後にして、 用意した飲み物を片手に、 端末でニュースを見ようとして]
(137) 2018/11/08(Thu) 21時頃
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――、わぁ……
[やっぱり、綺麗な歌声だなあ、と ホールの方から聞こえてきたそれに目を細めた。
懐かしい。とても、懐かしい歌だ。>>135 何せ齢100なものなので。
長い年月が経ったものだなあ、なんて思いながら しばらく、その子守唄に耳を傾け**]
(138) 2018/11/08(Thu) 21時頃
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[今日のニュースを捲っていく。 確か20年前は紙でそれを確認していて 10年前は折りたたみできる携帯でそれを読んでいて
視界に映るものは色鮮やかになっていくのに 手に取るものは 文字を刻む紙から、文字を映し出す液晶に変わったのに 綴られていることは、今も昔もそう変わらない。
どこぞの大統領の演説が紹介され どこぞで人が死に、どこぞで少年が犬を救う。
そういう、 あふれた世界の話を飽きもせずながめていた男は ・・ 足音を聞いて彼女の訪れを理解し、 そっとその画面から顔をあげた。>>153]
(159) 2018/11/08(Thu) 22時頃
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やあ、ロイエ いい夜だね
[昨日の今日で、あわせる顔などなかった。 男は彼女の指に巻かれた包帯を一瞥すると 少しだけ顔をしかめ
――同じものをくれる? と聞かれて、 もっと顔をしかめた。>>154]
あんた、俺が昨日あんたに何したか覚えてる?
[苦笑して、後ろ頭を掻き、 それから黙って立ち上がる。 手をあらって再び同じ工程を繰り返す―― 慣れた手つきで。]
(160) 2018/11/08(Thu) 22時頃
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ホールに東洋の机があるよ ジェレミが注文したんだって こたつ、ってしってる、ロイエ
……砂糖はそこ。
[五分もすれば、きっと、机の上に もうひとつ同じ飲み物が置かれるだろう。
彼女にそれを手渡して 男は机に置かれた調味料の中から スティックシュガーの束を指し示した。*]
(161) 2018/11/08(Thu) 22時頃
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/* こいつ執着はしてるけどデレるかっていわれると ぜんぜん、デレないので この……
(-18) 2018/11/08(Thu) 22時半頃
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/* >>171 ロイエのこういうところry
(-19) 2018/11/08(Thu) 22時半頃
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/* 炬燵にはいるキリシマがみたい!
(-21) 2018/11/08(Thu) 22時半頃
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/* 夢の内容はいつか見た風景そのままではあるけど メタ的には 祝福されるべき夫婦→指輪をつけた女 (ロイエのこと) 名前がないといけない子供⇔名前がなかった子供(クシュンのこと) っていう連想ゲームで構成されております
かいたひとにしかわからないね! ジェレミ要素もいれたかったです。
(-23) 2018/11/08(Thu) 22時半頃
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……そりゃあ良かった
[包帯の白さを忌々しそうに睨んで>>170 その細い指を、いつか落としてしまう未来を思い描く。
その時こそ、この女は絶望するのだろうか、 いやそうに、するのだろうか。
……そんな事を思うのはおかしいのだろう。 「あいしている」とのたまいながら その相手の絶望する様子を思い描くなんて。]
怒れば、いいのに 恨めばいいのに
[けれど、眠そうなその一言が やっぱり無神経に心を苛立たせていくから 男は、穏やかな仮面を被りきれないまま。>>171]
(180) 2018/11/08(Thu) 23時頃
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…………。
[まるで、家族の食卓だな、と思った。>>173 そんなはずは無い。 ここはみんなで住むナタリアのシェアハウスで 目の前の女はただの他人。 男をひとでなしにした、ひとでなしなのに。
勝手知ったる様子で座って、頬杖をつく姿も。 満ちる珈琲と牛乳の匂いも。 この温度感も。]
……
[男は軽く眉間に皺を寄せて、応えない>>173]
(181) 2018/11/08(Thu) 23時頃
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………… 知らない? こたつ
ああ、昨日見せてもらったからね。 ……かわりに代金は高くついたけど。
足が入るくらいの高さの机に コンフォーター≪掛け布団≫が挟まってて 中に暖房器具でも入ってるのかな。 あったかいよ。
[男は女の表情を一瞥してから>>175 ひとつ、椅子をはさんだ場所に座り 砂糖もいれないカフェオレもどきをひとくち飲んでいる。
聞きたがりの知りたがり。眠そうな、夢見がちな吸血鬼。 よく似ていると思う。 似ているのに、相容れない。]
(182) 2018/11/08(Thu) 23時頃
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行っちまえばいいのに。 きっと、こたつの中で寝てそのまま朝だぜ 寝ながら死んでそう。笑えないな
[ふふ、と笑って、目の前のおんなの表情を見る。 編まれた髪に視線を落とし、 指どおりがよさそうだなと思う。 思っただけで、思考を他に逸らした。]
きっと今頃、皆そっちでお茶会してんだろ。 ドキュメンタリがいたら、こたつに入る吸血鬼!って いわれてると思う。
[あの低いこたつの中に入るみんなを想像して、 ふっと男は笑い、睫を下げる。]
俺は、あのひとたちが嫌いじゃない あんたに怒る気にはなれない
(183) 2018/11/08(Thu) 23時頃
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[そういって、男はまた一口、*]
(184) 2018/11/08(Thu) 23時頃
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/* 「鉛の冠」かなあ 「The longest night」も捨てがたい…と 曲をくるくるしてる
(-27) 2018/11/08(Thu) 23時頃
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/* 足音でわかった、は、人間好きなひとの足音はわかるらしい、という噂からなんだけど、あまりにもささやかなデレすぎて これはデレではない(デレとはなんだろう…)
(-28) 2018/11/08(Thu) 23時頃
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/* >>193 この動き とても 素敵
(-29) 2018/11/08(Thu) 23時頃
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[片目を輝かせてこちらを見る、 その姿はいつもよりは少女じみて見えて
……少女じみて、といっても 外見は変わらないのに、おかしなことだと思った。 それを見て少しだけ、男の笑みが和らぐ。>>197]
もっと大きかったよ。 みんなで囲めそうなくらい。
[大きさや形を示す手が小さいので、 男は彼女より大きな手で、もう少し大振りに そのこたつをあらわした。
ほんの一瞬だけ、甘さを感じて ゆる、とまどろみに落ちそうになる。 仮の食卓の中で。>>196]
(213) 2018/11/09(Fri) 00時頃
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…………、
[けれど、眠りは一気に、引き上げられてしまうのだ。 ぽつり、と女がなんとなく零した言葉で。>>199 差し向けられたスティックシュガー。 笑ったままの、女の顔。 偽の食卓。
きっとそれで満足してしまえばいいのだと思う。 思うのに、やっぱり、]
(215) 2018/11/09(Fri) 00時頃
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[こんなにも恨めしくて憎らしくて、執着していて 思い残すことのひとつくらいはあってもいいじゃないかと 思ってしまう
思ってしまったので、 ]
(216) 2018/11/09(Fri) 00時頃
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…センキュ
[男は、それだけを言って、 そのスティックシュガーを受け取った。 さらさらと自分の飲み物に入れて 一口だけ、飲み込む。 甘いね、と呟いて
男は微笑んだ。]
(217) 2018/11/09(Fri) 00時頃
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怒ってたら、良くなかったの? あんたに怒らないのは、ただ俺のためだよ きっとあんたに怒ったらみんな嫌いになっちゃうぜ
意味わかる? それだけあんたが憎いってこと。 憎くて恨んでて、愛してるってこと。
[ひとも、ひとから派生した怪物のなりそこないも 憎んで愛している
――どっちつかず、蝙蝠野郎の戯言だ。 戯言を吐きながら顔は笑っている。 目だけ伏せて、冷めかけた液面を見つめ、]
(218) 2018/11/09(Fri) 00時頃
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思い残すことがないんなら、 俺をそんな風にしちゃった分くらい、 償ってくれたってバチあたらないでしょ 償う気もなさそうだけど
[指を伸ばす。それは彼女の手をとるためのものではなくて その顎を捉えるためのもの。 くちびるにするには、覚悟が足りなくて 片目を隠す髪へ、触れるだけのキスが 届いたのか、届かなかったのか
椅子一個分の距離だから きっと避けるのも簡単で 女が避けようが、避けまいが、 男はどちらにせよあっけなく離れる。]
(219) 2018/11/09(Fri) 00時頃
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[―― 届くのは、砂糖の足りない苦い珈琲の匂い。*]
(220) 2018/11/09(Fri) 00時頃
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/* ????????
ごめんねロイエ かいてるひとが一番わかりません でもなんか穏やかに殴り合ってる感あって好きです とりあえず 楽しいです(それが一番大事)
(-42) 2018/11/09(Fri) 00時頃
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/* でもこれ困惑させてないかだけ心配です エピこわい
(-43) 2018/11/09(Fri) 00時頃
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