241 線路上の雪燕
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[三等車の乗り心地を試してみようとした男の足に、嗅覚が急制動をかけた。 肉体労働者の筋肉の壁は、あの戦争で祖国が越えることの適わなかった要塞線のように、男の歩みを阻んだ。
――人いきれ、という表現さえも、上品に過ぎる。 ほとばしる汗が染み、垢じみた作業着から漂う匂い。あるいは、饐えたアルコールの臭気。
品のいい淑女なら一呼吸で失神してもおかしくないほどの空気が、もはや質量さえ有するかのように、かれの前に立ちはだかっていた]
……う、む……しかし、故国のためにも……いや、だがこれは……、
[誰にとって幸いだったものか。男が迷っている間に、ニズの駅への到着を知らせるアナウンスが流れて。 どっと飛び出していく三等車の旅客。開いた空間に清冽な夜気が流れ込んで、悪臭を洗い流していく]
……ああ、丁度いい。中継駅の設備も見ておきたいしな。
[ひととおり三等車を眺めてから、駅も見て回ろう。 ああ、駅といえば、あの同郷の財閥令嬢は、従者と再会できたのだろうか。
まあいい、ともかく、いまは早々に三等車内の視察を終えるとしよう。屋外の、うまい空気を味わうためにだ]
(4) 2015/11/30(Mon) 00時頃
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[肉の突風といった調子で旅客が噴出した三等車両の乗降口から。 暫し遅れて、鼻面を抑えた東洋人の男が、ニズ駅のホームに降り立った]
……さすがに寒いな。
[異国の夕暮れ、その冷気に小さく抗議して、駅舎や提供されるサービスを調査すべく歩みだした]
(10) 2015/11/30(Mon) 00時半頃
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[ホームを歩く途中、見かけた小さな姿と――例の罵声。>>49
剥き出しの悪意を若い娘に向け、罵る群集の無恥には呆れるほどだ。 そして、いわれなき蔑視を塗り替えるだけの評価を受けられない故国の現状に、歯噛みする。
割って入ろうと近づいたところで、雰囲気が幾らか変わった。 彼女と話していた青年が、なにか反論したのか。そういう感じではあった。
この国も、捨てたものではない。 彼女について列車に戻ろうとする青年の様子に、微か、口許を緩めた]
……慣れなくて、当然ですよ。
[すれ違いざま。愁いのある瞳に、呟かれて。>>73]
でも、百の悪意を受けても、一つの善意で救われることもありますから。
[と、異国の青年に視線を向けて、続けた]
(88) 2015/11/30(Mon) 20時頃
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[櫻子にかけた言葉は、半ば、自身に向けたものでもあった。 正義感か義侠心か親切心か、ともかく良識と呼ばれるべきなにかに基づく青年の行動は、同じ悪意に曝される自分をも救ったのだ]
――ありがとう。 君たちの国を嫌いにならずに済みそうだ。
[やはりすれ違いざま、故国の言葉で青年に向かって呟いた。 意味はわからないだろうが、別に構わない。自分の気分の問題だったので]
(91) 2015/11/30(Mon) 20時頃
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[幾らか明るくなった気分で、そのまま駅舎を眺めて歩く。 食堂車を利用できるほどの余裕がない乗客の胃袋を狙ってのことだろう、軽食や飲み物などを扱う売店も多い。 多数の乗降客目当てだろうか、音楽を奏でるものもいる>>68ようだが、駅舎内での芸は保安上どうなのだろう。
そんなことを考えながら適当な売店を覗いてみると、そこは土産物を扱う店のようだった。 幾人かの客のいる店内を、見て回って。 土産を選んでいるのか、少女の真剣な様子>>69に、つい笑みがこぼれる。 どこの国でも、子供は悩みがなくていい――いや、当人にとっては、真剣に悩んでいる真っ最中なのだろうけれど]
(93) 2015/11/30(Mon) 20時半頃
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……?
[――右、左、肩越しに後ろも確認して。 自分が紳士かどうかはまったく確信が持てず、素敵という形容詞には己の語学力を疑ったが、周囲の客が女性ばかりの以上、どうやらその問い>>102は自分に向けられたもののようだ]
どちらが好きか、か。
[ふむりと、首を傾げてから]
――蜂蜜かな。 好きというか、私の故国でも蜂蜜を食べるから。馴染みがある。
いまはともかく、少し前まで甘いものは贅沢で――子供のころ、盗み食いして追い掛け回されたこともあったかな。
[つっかえ気味の現地語で、そう答える。最後の一言は、冗談めかして]
(119) 2015/11/30(Mon) 21時半頃
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いやいや、どういたしまして――、
[少女と言葉を交わしながら、感じる視線の熱>>121に首を動かす。
その先には、人参色の髪をした少女がいた。 異国人が珍しいというわけでもないだろうに、じっくりとっくり、見られている。
先の『素敵な紳士さん』発言といい、この視線といい。 もしかすると、この国の少女たちの審美眼に自分は適っているのだろうかと思いたくなる。 まあ、思ってみるだけならば自由ではあるが、そうでないことは明らかだ。 といって、汚れた大人たちから浴びせられるような、どろりと粘ついた悪意とも違う]
いや……知った顔では、ないはずですが。
[少女>>127に応えて、人参色の髪の少女に視線を向け、なんだろうかと首を傾げた]
(128) 2015/11/30(Mon) 22時頃
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……サクラコ? 私がいなくて困っているって、それはどういう……、
[発音の違いに、僅かに戸惑ったが。サクラコと櫻子が繋がって]
……ああ、ええ、はい。それは、ありますが、えっと。
[食い気味で畳み掛けられると、リスニング能力的に怪しくなってくる]
その、彼女に何か、起きましたか。
[ついさっき、すれ違ったばかりなのだが――何があったのだろう。 親切な青年がついていたはずだが――]
(135) 2015/11/30(Mon) 23時頃
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ああ……サラグニッドを出る前。
[確かに、お付の人とはぐれて、困っていたようだった。 なんといっても、旧熊野財閥の令嬢だ。 こちらの言葉も完璧な人物を付けたに違いない。 そんな従者とはぐれたら、それはもちろん、困るだろう。
なにか微妙に違う気もしたが、なるほどと、頷いた。>>144]
ああ、そろそろ乗車時刻か――お嬢さんたちも、雪燕の?
[自分は特に何を買うでもないから、問題はないが。 一刻を争うというほどでもないが、あまりのんびりとしてもいられない。 といっても、この状況でさっさと自分だけというのも、どうかとは思う]
なんなら、荷物を持とうか。
[紳士と言われたからというわけでもないが、一応、そのように申し出てみた。 問題ないようであれば、会計をする少女たちに一礼して、列車に戻るだろう]
(158) 2015/11/30(Mon) 23時半頃
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