223 豊葦原の花祭
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[背後の桜を振り返る。 そちらは優しい桃色で、こちらは普通の桜なのだと思う。 もう一度、うすずみさまを遠く見やる。
その姿は夜陰に静かに清廉に佇む。 どこかぴりっとした空気を感じるのは、神様がいるからだろうか。]
…なんか、哀しい色。
[思わず呟いた声は、風に流れて消える。 そう、感じてしまったのは、少女にとっての白という色は、“別れ”の色であるからかもしれなかった。]
(19) 2015/04/20(Mon) 12時頃
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双子 夕顔は、メモを貼った。
2015/04/20(Mon) 12時半頃
双子 夕顔は、メモを貼った。
2015/04/20(Mon) 15時半頃
双子 夕顔は、メモを貼った。
2015/04/20(Mon) 15時半頃
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[うすずみさまは、月明かりを受けて仄白く幻想的に浮かび上がる。 その姿をぼんやりと眺めていると、ざぁ、と強めの風が吹く。]
っ…
[着物の裾が翻り、反射的に抑えようとして、抱えていた手毬を転がしてしまった。]
待って…
[ころころと逃げるように転がる赤を追いかけ、少女は駆ける。 と、視線の先でその手毬が誰かのつま先にぶつかり、転がるのをやめた。 きれいな手がそれを拾い上げる。 顔をあげてみると、それはとてもきれいな男の人だった。 きれい、なんて陳腐な言葉では、足りないような。]
あ…
[ありがとう。 差し出されたその手毬を受け取りながら、そういおうと思ったのだけれど。 まるで何かに魅入られたように、言葉も体も思うようにならない。]
(38) 2015/04/20(Mon) 16時半頃
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[まるで硬直してしまった少女に、彼の人はどのような反応をしただろうか。 少女は数度唇を舐め、それからようやくか細い声を絞り出す。]
あの、あなたは…
[神さまですか。そう、問おうと思った。 けれど結局肝心なところが音にならない。 少女は両の手を胸の前できゅうと握りしめる。
少女の重ねた生の中で、人間とはよく会い話もした。 時にはあやかしとも出会うこともあったように思う。 けれど、神さまは、会ったことがない…だから、確信は、もてないのだけれど。
その男の人は、少女の知るどんな人とも違う存在だった。 何しろ“願い”が見えないのだ。 これは由々しき事態だった。]
(39) 2015/04/20(Mon) 16時半頃
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[どきどきと心臓が大きく脈を打つ。 人ならぬこの身に、心臓があるのかは知らないけれど。
くらりとした酩酊感に似た眩暈を覚える。 これは、毒だ。 そう思うのに、逃げることも離れることもできないのは…何故?]
あなたは…この地の人ですか?
[何とかして、お話がしたいと思ってしまうのは…何故? 少女は必死に言葉を探した。 揺れる眼差しがうすずみさまを捉え、あまり頭を通さないままに口走る。]
うすずみさま、白いんですね…
[自分でも何を言っているのかよくわからなかった。]
(40) 2015/04/20(Mon) 16時半頃
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[ひどい混乱が少女を襲う。 それは知らない感覚だった。
いつだって、その時に自分を呼び出した誰かが少女の中では唯一で絶対であったはずだった。 今は、ゆうちゃんも亡くなって、唯一絶対の誰かはいない。 それでも、ゆうちゃん以上の誰かなんているはずがないし、いてはいけなかった。 それは、次の誰かに求められ、姿を変えるまでの誠意だ。 それなのに…
こんなにも暴力的に惹かれ、本能が欲する存在は。 これが、神さまというものか。
人間の願いを叶えるという意味で、少女の本質は神と名のつくものに限りなく近しいのに、その存在は人間に近すぎるため、神には至らなかった、それが言霊という精霊だった。]
(-27) 2015/04/20(Mon) 17時頃
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双子 夕顔は、メモを貼った。
2015/04/20(Mon) 17時頃
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[小鈴、の名前が出れば、推測はほぼ確信へと変わる。 あぁそうだ、きっと、この人は。]
ぁう…
[やや乱暴な手つきで頭を撫でられれば、なすがままに頭が揺れ、小さく声を漏らす。 反射的に挙げた手が、頭を撫でる手に触れて、そこからぴりりとした何かが走ったような気がした。 乱された髪を整えるのもそこそこに、目線を合わせてくれたその人を正面から見つめ、幾分はっきりした声を出す。]
怖くない、怖くない、です。 あなたはとっても綺麗で優しい人だもの。 …でも、やっぱり別ものです。 慕う人の数が違うもの。
[ぷうと膨らませた頬は、まるきり子供の仕草だった。]
(51) 2015/04/20(Mon) 23時半頃
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[その時々で、たった一人しか幸せにできない私。 それも、必ず幸せにできるわけでは無い。 そんな私が並ぼうなんて、比べるのもきっとおこがましい。 そう思うのだけれど。]
…あの。 お願い、聞いてもらえますか。
[唐突な問いに、彼の人はどんな顔をしただろう。 ばっさりと切り捨てられなければ、お願いを口にすること許されただろうか。
またいつか、ここに来てもいいですか。 私のこと、覚えていてもらえますか。 貴方と出会ったこと、覚えていてもいいですか。
願いはたくさんあったけれど、なぜだか最終的に私が口にするのは…
ぎゅってして、いいですか、になった。*]
(58) 2015/04/20(Mon) 23時半頃
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双子 夕顔は、メモを貼った。
2015/04/20(Mon) 23時半頃
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/* うー、鳩だと更新がやりづらいごめんなさい それでも鳩から全角スペース技身につけたから少しは見やすくなったはず
(-31) 2015/04/21(Tue) 00時頃
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っ…!
[久し振り。>>62 そう言って、手を広げてくれたその人に、唇罠泣かせ少女は抱きついた。 まるで迷子が母親を見つけたような按配に。 ふぇ、と情けない泣き声が漏れる。 頬を滑る涙が顔をうずめた肩口に染み込んだ。]
ごめ…なさい…
[貴方のこと、覚えていなくて。]
ありがとう…
[私のこと、覚えていてくれて。 狭間の時を超える度、記憶の殆どを白く塗りつぶされてしまう少女には、その人と過去に出会った事があるのかどうかはわからない。 わからないけれど…酷くほっとした。]
(91) 2015/04/21(Tue) 09時半頃
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[貴女は私の願いを叶えてくれたけれど、貴女の願いは誰が叶えてくれるの?
そう私に尋ねたのは、“お母さん”だった。 その時私は何と答えたっけ。
ーー大丈夫だよ。私の願いは、貴女の願い。
その答えに返された、複雑な表情の意味が、その時は分からなかった。 けれど、きっと、本当は…ーー]
(92) 2015/04/21(Tue) 09時半頃
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私、夕顔って言います。 でも、もうすぐ“夕顔”じゃなくなるの。
[そっと抱擁を解き、少女が呟く。 少女の纏う着物から、夕顔の花が消えかけていた。 今や掠れた筆の跡のようになったそれを、少女は寂しげに見やる。 よく見れば、着物の裾の方から紅色が抜け、白くなり始めているのも分かるかもしれなかった。]
また、狭間の時に、ここに来ます。 その時は、姿も名前も違うと思うけれど。
[少女は笑みを見せる。 それは幼い顔立ちに似合わない、妙に達観した大人びたものだったが。]
また、貴方に会いに、来ますから。
[また、久し振りって、言ってくださいね。 そう言って小さく首を傾げた時には、ほんの少し影が薄れたようだった。**]
(93) 2015/04/21(Tue) 10時頃
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双子 夕顔は、メモを貼った。
2015/04/21(Tue) 10時頃
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時が流れ、ゆうちゃんはおじいちゃんになった。 小さかった坊やにも、お嫁さんができて、子供が生まれた。 双子ちゃんもそれぞれ家族を持って、なんとお姉ちゃんの方はそろそろ孫もできるんだとか。 ゆうちゃんの家には、家族がいっぱいになった。
縁側に座るゆうちゃんに、奥さんがお茶を持ってくる。 何見てるの、と聞かれたゆうちゃんが指差した先は、蕾の膨らんだ夕顔のツル。 あぁ、精霊が宿るって。 小さく笑う奥さんに、ゆうちゃんは穏やかな笑みを見せた。
(-44) 2015/04/21(Tue) 10時頃
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ーー夕顔が咲いたらな、また会える気がするんだよ。
そう言ったゆうちゃんに、奥さんは、まぁ、と笑った。
夕顔の花、咲いたらゆうちゃんに会えるのかな。 お話できるのかな、手をつなげるのかな。 がんばったね、って、頭撫でてあげられるのかな。
私は夕顔の蕾をそっと撫でた。 がんばれ、がんばれ。 早く、早く咲いておくれ。
(-45) 2015/04/21(Tue) 10時頃
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その3日後、ゆうちゃんは永眠りについた。 ゆうちゃんは、ひ孫さんの顔は見れなかった。 …私の顔も、見れなかった。 季節外れの冷たい風に凍えた蕾は、最期まで開くことがなかった。
「おやすみ、ゆうちゃん。」
もう動くことのない、節の目立つ指をそっと撫でて、私は呟く。 集まった家族が、隣の部屋で賑やかにお話ししている。 おじいちゃん、あんな人だったよね。 こんなこともあったよね。 そんな、楽しい思い出を語り合いながら。
ゆうちゃんは幸せだ。 たくさんの家族に囲まれて、こんなにも、想われて。 そう思うのに、やっぱり私は笑いながら涙が止まらなかった。 そしてやっぱり、落ちた雫は布団に着く前に消えてしまった。
(-46) 2015/04/21(Tue) 10時頃
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双子 夕顔は、メモを貼った。
2015/04/21(Tue) 15時頃
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/* うすずみさまに恋しそう(真顔
夕顔の性格だから言わなかったけど、名前をくださいくらい言いそうな勢いで惚れてた
(-48) 2015/04/21(Tue) 15時頃
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/* う、ぁぁあ(机だんだん うすずみさま、ずるい、ずるいよ(褒め言葉
(-49) 2015/04/21(Tue) 16時頃
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[ゆびきり。>>108 それは、少女もよく知る約束のしるし。 きらりと舞った蝶が、指先から袖に移るのを、幻でも見るように眺める。 小指を差し出した右手の袖に、とまった蝶はそのまま布地に縫い込まれる。 袖をきゅっと握りしめると、大事なもののように胸に抱く。 撫でられた頭の感触も、優しいまなざしも、声に含まれたぬくもりも。 この蝶とともに、私の中に残ってくれますように。 誰とも知れぬ相手に、少女は願う。
とん、と背中を押されるままに、歩き出す。]
…そう、そうですね。 楽しい気分で、またね。
[そっと口の中で繰り返し、少女はいったん振り向く。]
またね…――。
[唇だけで紡いだ彼の人の名前は、間違っていなかっただろうか。]
(114) 2015/04/21(Tue) 16時半頃
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[手毬を抱え、少女は小走りに駆けだす。 入り乱れる記憶に沈んでいた心が少し浮き立つようだった。 少女の半ば以上白くなった着物に、色とりどりの蝶がきらきらと揺れる。
お月様が下りたならば、お祭りは終わってしまう。 あと少し、もう少し。]
ふふ、あはは
[せっかくならば、今を楽しんでしまえばいい。 どうせ、狭間の時を超えて誰かの元へたどり着いたら、またしばらく自由などないのだから。 それを不便に感じたことは勿論ないけれど。 少女は桃色の花弁を巻き上げ、手毬で戯れ遊ぶ。*]
(115) 2015/04/21(Tue) 16時半頃
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双子 夕顔は、メモを貼った。
2015/04/21(Tue) 16時半頃
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/* テンションあがりすぎて危ない子になってるね、よくよく読んでみると(真顔
(-52) 2015/04/21(Tue) 17時頃
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/* 仕込み予定だったネタはほぼ消化したけど… うーん、残してる分はあるんだけど、これは未来のロルにとっておこうかな…でもちょっと鬱いなぁ…うーん
うすずみさま好き好き
(-53) 2015/04/21(Tue) 17時頃
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/* 今晩エピ入りだよね。。。体調整えてこ…
(-54) 2015/04/21(Tue) 17時頃
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[鞠を空高く放り投げてはそれを受け止め、くるくると舞うように遊ぶ。 手毬を一つつく度に、はらはらと“彼”の記憶が抜け落ちて、着物からは色が消えてゆく。 それでも袖で裾で舞い遊ぶ蝶だけは、消えないから。]
こんばんは。
[狐のお嬢さん、声をかけられれば笑顔を見せる。 それはどこか晴れ晴れとした笑み。]
ええ、お花見、お花見。 あなたも、お花見?
[歌うように言葉を返す。 手毬は少女の腕の中にすっぽりと収まった。 そして、こんこんと踊る狐の手を見て、同じ形を片手で作って見せた。 こん、と首を傾げて返しつつ。**]
(120) 2015/04/21(Tue) 21時頃
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双子 夕顔は、メモを貼った。
2015/04/21(Tue) 21時頃
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[こん、こん。 狐の指先をまるで交わす口づけのように合わせてご挨拶。]
ふふ、ありがとう、狐さん。
[向けられる賞賛には、素直にお礼をひとつ。 その視線の先を感じれば、抱えた手毬を差し出して。]
私、言霊という精霊。 誰かの存在を願う人の言葉に応じて姿を見せるの。 その人が、名前と役割をくれたなら、一生を見守る。
[着物は殆ど真っ白になり、紅は残り襟元を残すのみ。 それでも袂に裾に、蝶がきらきら舞い踊る。]
もうすぐ私、まっさらよ。 私に名前をくれた人、もういないんだもの。 でもこの蝶々は、私のものよ。 約束の印、くれた人がいるのだもの。
(136) 2015/04/21(Tue) 23時頃
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[少女は歌うように言って、くるりと回る。 少女が再び狐のお嬢さんに向き合った時、襟元に残されていた紅はすっかり消えていた。 少女の唇が何かの言葉を紡ぐ。 同時に、その姿が僅かにぶれた。
少女は誰かの娘であり、母であり、隣人であり、恋人であり、そして友人であった。 今狐のお嬢さんの前に立つのは誰だろう?]
ねぇ、あなたはだぁれ?
[尋ね頬笑んだのは、誰だったろうか。*]
(137) 2015/04/21(Tue) 23時頃
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[くるり、廻る刹那、脳裏に浮かんだのは少年。 友達が欲しい、と泣いた小さな小さな少年。 その姿が白い光の中に消えてゆく。]
さようなら、ゆうちゃん。 さようなら、ーー…。
[少女は最後、自身に花の名を与えてくれたかつての少年と、その名に別れを告げた。]
(-70) 2015/04/21(Tue) 23時頃
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/*ふぉぉ!! 村中で次のご主人見つかればと思ってはいたが諦めてたんだがこれは着いて行ってもいいのだろうか(そわぁ
(-75) 2015/04/21(Tue) 23時半頃
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/* 言霊システム、あんまり表に出してないからね、だからご主人無理だろうなと思ってたんだけど ついて行っていいなら行っちゃうよ!?(
(-77) 2015/04/21(Tue) 23時半頃
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[狐のお嬢さんは、あや、と名乗る。 私には、名乗る名前はもう無い。 次に私を求めた人に貰うまで…]
…!
[その“願い”は口にされた。 その言の葉が、揺らぎかけた少女の存在を引き留める。 本来ならば、誰かの口にした願いに呼ばれて目覚める自分だけれど、眠る前に呼ばわれ、願いを聞いた。 少女だった存在が、ゆるり笑みを描く。]
いいよ。 あやちゃんの友達という役目、いただくよ。
[それは、ひどくあっさりとした答え。]
(149) 2015/04/22(Wed) 00時頃
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[それがどのような世界なのか、彼女の住まう場所がどのようなところなのか、それは私には関係が無い。 どこへなりとも、着いて行く。]
いいよ。 あやちゃんの、望む者になってあげる。 だから…
[私に、名前を頂戴。
そう耳元で囁く私、どんな姿になるのだろう。 名前と役割が揃えば、私は彼女の望む姿の望む者になる。 それはまるきり新しい姿かもしれないし、先ほど消えた少女の面影を残すかもしれない。 けれど何れにせよ、服の袖と裾に刻まれた蝶だけはそのまま変わることが無いだろう。]
(150) 2015/04/22(Wed) 00時頃
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怯えないで、あやちゃん。 …願いを口にすることを、怖がらないで。
[私はあやちゃんの頬を両手でそっと包み込む。 額を合わせれば温度を感じるだろうか。]
貴女が口にしてくれれば、私は大体の事は叶えてあげられる。 でも、言葉にしてくれない願いは、わかっていても叶えられないの。
[だから、言って、と。 震える声ごと包み込むように、優しく強請った。]
(151) 2015/04/22(Wed) 00時頃
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