84 戀文村
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[朝起きた時には、もうエリアスの姿はなかった。弟のいた痕跡だけが残る彼の寝室を覗いた自分は、昨日に比べると驚くほど冷静だった]
・・・母さんに、なんて言おう。
[母にかける言葉を一晩考えてはみたが、やはり思いつかない。母が起きてくる前に、そっと家を出た。] 今日は開いてるのかな、ダーラさんのお店・・
[ヤニクにベネット、片方と飲む約束はついに果たされないままとは知らず、それに]
あ、ウェーズリーさん。お疲れさまです。今は何かと大変だと思いますが、あなたの届ける手紙を待っている人、きっとまだまだいると思うから・・ どうか、あと少し。頑張ってくださいね。
[いつものように何気なく声をかけた配達人と会えるのが今日までと知るよしも、無論なかった**]
(29) 2012/03/29(Thu) 14時頃
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―本屋―
ああ・・いたいた。こんにちは。 窓、塞いだんだ。
[気がつけば結局ここにいる。何も変わらないようにすら感じる、この場所に] ・・約束してたでしょ?ヤニクさんと、ベネットと、ダーラさんの店に行くって。・・夜でも駄目なら、無理にとは言わないけどさ。
あ、私はもう大丈夫。エリアスの分も・・もう少しだけすればきちんと背負えると思う。お酒に逃げるわけじゃないよ・・多分ね。
[そう言って、店主に尋ねた]
他の人達もいるかもしれないけど・・・どうする?一緒に来る?
(46) 2012/03/29(Thu) 16時頃
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ミッシェルは、向ける声は、努めていつもと変わりなく**
2012/03/29(Thu) 16時頃
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[ベネットの返事が何であれ、一度店を出て、数日ぶりに工房へ向かう。戻ってきた頃にはかなりいい時間で。村の広場で、道端に腰かけては考えあぐねていた]
・・・・・そう言えば。結局母さんに、言いそびれちゃったな・・・
[何と言えばいいのか。決めていたはずなのに、いざ目の前にしても、うまく言う自信がなく。時間を無為に過ごしていた]
(62) 2012/03/29(Thu) 22時頃
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[工房の机の上に、指輪と走り書きが置かれている。]
”クラリッサに約束していた指輪です。彼女が生きていたら、渡してあげてください。
それと、もう私の事は忘れてください。・・・もし覚えているなら。私が死んだ事をいつまでも引きずらないで、前を向いて生きて。それだけが、私のできる事ですから。”
(-26) 2012/03/29(Thu) 22時半頃
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・・・でも、いつまでもこうしていても仕方がないよね。 ・・ねえ、エリアス。
[ふと空を見上げ、戦地だという方向を見やって呟いた]
・・・戻って来るよね、エリアス。 ・・・だけど。もし、最後までこの村に残る事ができた人がいてさ。 ・・・・・・幸せになれるかな。なっていいと、思えるかな。
ううん、ならなきゃダメ。・・・なんだよね。
[答えなど返るはずもなく。佇んでいたが、ややあって立ち上がった]
・・・ダーラさんの店、そろそろ準備してる頃かな・・?
[その足は、確認のためまっすぐダーラの店へ]
(71) 2012/03/29(Thu) 22時半頃
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―回想― [答えはある程度予想してはいたが、やはり若い店主はこの店の外に出ることを避けているようだった]
・・・そうなんだ。 ううん、いいよ。・・・残念だけどね。 そう言うんじゃないかって、本当は思ってた。
・・やっぱり返してもらおうかな、あのボトル。
[そう言って、一度店を出ようとしたが、去り際に]
・・・ねえ、ベネット。私思うんだ。 自分の知った人が次々戦地に旅立っていってさ。 ・・・・私、約束したんだ。エリアスの分もきちんと生きるって。
・・だけど、本当はそうなっちゃいけないってどこかで思ってるかもしれない。たとえ生き残っても、幸せになっちゃいけないって、思ってしまうかもしれない。
・・・みんな、必ずここに戻ってくるって考えていても。 ・・・・そんな事って、ない?
(78) 2012/03/29(Thu) 22時半頃
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―酒場前―
ああ、ダーラさん。 ・・・よかった、今日はやってるんですね。
[彼女の瞳をちらと見る。ヤニクがどこに行ったのかなど、知る由もなかった]
今日、寄らせてもらうって事でしたけど、あいにく立ち寄れるとしても私だけかもしれません。ごめんなさい。
[何か、祈るようなポーズに見えて首をかしげたが、疑いをさしはさむ事はない]
(84) 2012/03/29(Thu) 23時頃
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―少し前―
・・・そうだね。考えてみる。 ううん、考えてみる、なんて余裕私達にはきっとないんだ。 約束するよ。うん、必ず。
[だけど、今あまりここに長居するのは、なぜだか不安だった。いや、それこそ怖れていたのかもしれないけれど]
・・・・ねえ、ベネット。 頭では・・・わかってるんだよ、本当はね。
だから、ベネット。 あなたも、きっとずっと幸せに生きる権利があるよ。 ううん・・・ ベネットだけじゃない、みんな。
[ぽつりと、そう言って少しだけ笑い、店を後にした]
(89) 2012/03/29(Thu) 23時頃
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ああ、そうだ・・・・ 実はクラリッサと約束してたんだ。 あの子の指輪、私が作るって。やっとできたんだ。工房に置いてる。
もちろんクラリッサに会ったら直接伝えておくけど、 万一、召集があって直接会って言えない事があってもいけないからさ。 もし覚えてたら伝えてくれると嬉しいかな、なんて。
それだけ。
[何気なく思いだして、そう彼に伝えるだけ伝えておいた]
(91) 2012/03/29(Thu) 23時頃
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・・・そう言ってもらえると嬉しいです。
そう言えばヤニクさんは・・・? もう出立しちゃったんでしょうか。
[酒場にいるはずの彼の気配もないので、ふとそう問うてみた]
他にも誰か来るんですか?
(94) 2012/03/29(Thu) 23時頃
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ああ、クラリッサ。
[ちょうど運良く出会った彼女に声をかけた]
実は約束の指輪、できたんだ。 今は工房に置いてるけどね。まあ相手もわからないからサイズは適当だけど、お互いどうなるかわからないし。
また取りに来て、ね?
(96) 2012/03/29(Thu) 23時半頃
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[工房にはもう一通、手紙。封がされ、上にメモが乗って”どうか、ナタリアさんに届けてください”と書かれている。]
『ベネットへ
この手紙が開かれるなら、きっと戦争は終わっているのでしょう。読まれるかどうかも分からないけれど。無駄になるかもしれないけれど。遺しておきます。
・・・この手紙を読む頃のあなたは、まだ私の事を覚えてくれているのでしょうか。
工房に走り書きが残っているのを聞いたかもしれません。 あるいは、直接見たかもしれません。 ・・・忘れてほしい、と書いてあったのをあなたは知っているでしょうか。
(-33) 2012/03/29(Thu) 23時半頃
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・・・・・あれは、嘘です。
(-34) 2012/03/29(Thu) 23時半頃
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・・私はずるい女です。あなたは優しい人だから、そう聞けばきっと忘れないでくれるだろうと思ったから。
・・・私はあなたに生きて幸せになってほしいと思っています。だけど、それと同時に、私に縛りつけようとしている。
あなたの居場所はいつでも変わらない、戦争を感じさせない場所。本当に私はあそこでいるのが楽しかった。あなたは私の支えになってくれました。 私はあなたの事を愛しているけれど、心のどこかでは、どうしてエリアスが死んであなたが生きているのかと。そう思っているのかもしれません。
・・・・ね、ずるいでしょう。 だから、もし私の事を本当に気にかけてくれていたのなら。 今度こそ、本当にそんな事は忘れて、精一杯幸せに生きてください。
あなたはきっといい父親になれると思うから。 幸せになるのを恐れないで。
Michelle Moore』
(-35) 2012/03/29(Thu) 23時半頃
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・・・・・そう、ヤニクさんが。 でもそれでよかったんでしょう。彼が望んだ事なら。
クラリッサは残念がるかもしれませんけど・・ ううん、私の勝手な想像です。
・・・ああ、軍人さん達も来るんですか。
[ホレーショーの瞳を思い出した。あの色を。目の前の女性はそれと気づかせないが、昨日ベネットの家で話した一瞬は、確かに似たような色を湛えていた]
まだお酒を飲むには早いですよ。 そうですね・・・新鮮な野菜なんて、なかなか最近は口にしていないけれど。何かありますか?
(104) 2012/03/29(Thu) 23時半頃
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・・・・そうですね。ヤニクさんなら。 きっとどこかで、元気にやっているでしょう。
[どこか、視線は宙をさまよう。少し迷ったように考えあぐねていたが、やがて一つ切り出した]
・・・・ねえ、ダーラさん。あなたはやっぱり、ホレーショーさんと同じ目をしています。・・・わかるんです。
・・・ダーラさん。私、あなたの考えている事をどうこういうつもりはありません。 ・・・・こんな世の中ですからね。
・・・・・だけど。
(110) 2012/03/30(Fri) 00時頃
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今日は一日待ってくれませんか?
・・・大丈夫ですよ、一日だけ。一日だけでいいんです。 母親に、エリアスの事言わずに出てきちゃったんです。 まだ言いそびれてる。
ね、わかるでしょ? ・・・・・エリアスを失った私を哀れと思うなら、お願いです。一日だけ。
[それはきっと、ホレーショー達がやってくる前の事だったろうが]
(111) 2012/03/30(Fri) 00時頃
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/* やりすぎだって思うでしょ? 私もそう思います。
・・・・でも、やっぱ進行的にも日数延びるわけでないし、ギリギリの線じゃないかなとは思うんですが、どうなんだろ。
(-37) 2012/03/30(Fri) 00時頃
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―夜 酒場― ああ、ホレーショーさん。なんだか久しぶりです。 あの物静かな人も一緒だって、聞きましたけど。
[すっかり日が暮れた頃か、やってきた少し不自然なほど陽気な男に、努めて変わらぬ様子の声をかけた。平静通りになっていればいいのだけど、と思いながら]
いつもの・・・って、随分馴染みなんですね。 私もそのいつもの、ほしいな。
(112) 2012/03/30(Fri) 00時頃
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/* まあ襲撃して人数減らさなきゃいけない側にとってはエゴだよね。それは申し訳ないです。即襲撃でも構いはしないんだけど。
(-38) 2012/03/30(Fri) 00時頃
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・・・・ああ。軍隊ってよく知りませんけれど、 料理のことでいい話は聞いた事ないですね。
私は・・・そうでもないですよ。 年頃になってからは、ずっと工房に入り浸って手伝いばかりだったから。さすがにシチューぐらいは、普通にできますけどね。 それでもいいのなら。
・・・・私の家は、そうですね。母もいるから。 ・・あ。そう言えば心配・・・してるかな。 遅くなるとは伝えてますけど・・
(115) 2012/03/30(Fri) 00時頃
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・・・・そう、ですか。一日でも、駄目ですか。
エリアスは、私には生きてほしいと言っていましたが。 ただ今日だけは、誰も・・手に掛けずにいてほしいという事も、いけませんか。今日だけ。
・・・もちろん、私ばかりが哀れではありません。 ・・だけど、理不尽な死は戦死と同じです。
私は、エリアスの元に行くなら、せめて悔いなく行きたい。 一日準備を待ってほしいという事すら、許されませんか?
(116) 2012/03/30(Fri) 00時頃
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ミッシェルは、その言葉はホレーショーが来るより前に
2012/03/30(Fri) 00時半頃
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/* あくまでも奇数進行だから、という事で言ってみただけなんだけど、まあ全員がこれ言い出すと確かに、というのはあるよねえ。 うーん。ただの我儘だととらえられているのかもしれない。 悲恋があくまでもテーマだし。そこを否定するつもりはもちろんないよ。 悲しい別れ上等。
(-56) 2012/03/30(Fri) 00時半頃
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/* いや、でもミッシェル個人の意見としてもおかしくはないよね。うん。 という事で申し訳ないとか思うのはやめよう。 襲撃されたらそれはもうその時ってだけ。
(-58) 2012/03/30(Fri) 00時半頃
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・・・・決めた事?
それはあなたが決めた事でしょう。 ・・・あなたの相手が納得していたかどうかとは別の話。
それとも、ヨーランダも私と同じだったんですか?
・・・私の代わりの誰かを犠牲にしてと言っているんじゃない。ただ今日、手を止めるだけでも。 それができないなら・・・あなたのやっている事はこの戦争を始めた人間と全く同じです。
・・・大丈夫です、いつまでも待ってくれなどとは。言いませんから。私はただ・・・
[静かにうつむいて、言葉を切った]
(120) 2012/03/30(Fri) 00時半頃
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・・・・・わかりました。残念です・・・・ あなたたちは、本当に村の人のためを願っているのだと思っていました。
・・・申し訳ありません、私は・・・帰ります。 それでいいんでしょう?
だけど覚えておいてください。 ・・・あなたが手を汚しても、やっぱり悲しむ人はいるんだって。それは、本当です。ホレーショーさんも。
・・・・もう少し早く話しておけばよかったのかもしれませんね。
[ホレーショーが店に入ってきたのと同時、さして時間の経たないうちに席を立った]
・・・これでいいんですよね?失礼します。
[そう言って、返事を待つでもなく店を出て、家に戻った**]
(125) 2012/03/30(Fri) 01時頃
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・・・・みんな優しい人達なのに。 どうしてなんだろう。
こんな時だもの、人の命なんて大して意味はないのかもしれないけれど・・・・・
[呟いた声は店に入ってきた2人に聞こえたか、あるいは風に消えたかもしれない**]
(126) 2012/03/30(Fri) 01時頃
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