181 巫蠱ノ匣
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― 2階:広間 ―
[ふと気が付くとそこに立っていた。 自分の身体を見ると透けているような気がして。]
……ああ、俺は死んだのか。
[呟くを視線を更に下へと降ろした。 倒れている遺体は自分だ。 肩からばっさりと鉈で切られ、太腿には銃痕があり床には血溜りが出来ている。
それを認識した瞬間、半透明な現在の身体に同じ傷が作り上げられていく。 痛みはない。 しかし傷口から血がだらだと溢れて床を汚していく。 止まる事のない出血、しかし今ならどれだけ血を流しても死ぬ事はない。]
(+0) 2014/06/26(Thu) 11時半頃
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…あんた、千秋サンだっけ。 ずっと見てたんだ?
[視線をすっとずらせば凄惨な姿をした自分と同じような存在がそこにあった。 生きていない事は分かる。 右腕は欠損しているし、顔はぐちゃぐちゃだし。 あれと比べれば自分は案外綺麗に死んだものだとすら思った。]
なあ、見てたんなら分かるよなぁ。 アイツさぁ、化けもんだと思わねぇ? 俺、2回は弾当ててんのにさ、なんで倒れねぇんだよ。
[たった一発で痛みに蹲った己が弱すぎるのだろうけども。 銃弾とボウガンの攻撃に曝されても平気な顔をしているアイツは。 きっと化けものに違いないと苦笑を漏らした。]
(+1) 2014/06/26(Thu) 11時半頃
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痛そうってならあんただって相当だけどなぁ。
[ふらりと動けば流れた血が床を汚していく。 それでも痛みは感じない、死んでるからだろう。]
あっさりとか言うなよ。 俺は普通の人間なんだ、そう簡単に人殺しなんか出来るわけねぇだろ。
[それでも銃弾を叩き込んだのだから褒めてほしいくらいだ。]
…俺がまとも? どうだろうな、普通の人間をここに呼びだしたりしねぇだろ。
[ふと脳裏を過るのは手紙に書かれていた”秘密” 他の連中がどういう理由でここにいるのかは分からない。 でも、きっと似たような理由で集められたに違いないと思っている。]
(+4) 2014/06/26(Thu) 20時頃
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きっとさぁ、アイツの秘密はサイボーグって事なんだ。 そうじゃなきゃおかしいよ、なんでアイツ普通に動いてんだよ。
[アイツ、と顎で来栖を指す。 痛みに鈍感なのか、当たり所がよかったのか。 自分よりも攻撃を食らっているはずなのに立っているあたり相当人間離れしている。 そう思わないと、あまりに自分が軟弱すぎて泣けてくるし。 アイツが人間離れしてるんだ、そう思う事にした。]
(+5) 2014/06/26(Thu) 20時頃
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…これでも頑張ったのになぁ。
[あっさり死んだと言われれば苦笑するしかない。 あれでも自分なりに精いっぱい抵抗したつもりなのだが。 一般人としては頑張った方だと誰か褒めてくれてもいいくらいだ。]
あんたはまともなのか。 まともなヤツは自分で言わねぇけどな。
[ぺらぺらとよく喋る男だ。 話す内容も不快で思わず眉を寄せるが。]
俺が餌かよ、俺は喰わねぇって言われたんだけどね。 …でも、どうせもう死んでんだし喰いたきゃ喰ってくれてもいいんだけどな。
[死体を弄られるなど嬉しくはない。 それでも駒江になら喰われてやってもいいと思う。]
(+8) 2014/06/27(Fri) 00時頃
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……そっか、人殺しか。 つまんねぇ秘密だ。 ここじゃ殺すのが当たり前だもんな。
[だからそんな大層な秘密も掠れてしまう。 自分の秘密はそれに比べたらもっと小さく、矮小で。]
ナイショ、あんたが考えてるよりずっとくだらない事だよ。
[虐めをして、あげくに自殺させた。 それは学校側に隠ぺいされて、でも噂は広まって。 だから家族は崩壊して今や絶縁状態だ。
大層な秘密だと思っていたのに、ここでは小さい。 だからと言って気持ちが軽くなる事はない。 自分にとってそれはずっと刺さったまま抜けない棘のように記憶に貼り付いているから。]
(+9) 2014/06/27(Fri) 00時頃
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[ふと、喰われてもいいと思った相手を脳裏に浮かべ。 今頃どうしているのだろうと気になって。 まだ死んだと報告されてはいないから生きているのだろう。
ゆらり、と身体が揺らめいて。 そのまま姿は消えてどこかへと**]
(+10) 2014/06/27(Fri) 00時頃
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