151 雪に沈む村
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―― 工房 ――
うん、約束。
[指切りげんまん、と軽く歌ってソフィアと約束を交わす。クシャまで、という言い方に、他に、誰かが旅に出ることを聞いたから落ち込んでいたのかなと少し、思う。 安心させるように首を少し傾けて、微笑んだ。]
ううん。俺は旅には出にゃいよ。 冬眠する、つもり。ちゃーんと準備もしてるんだ。
……ソフィこそどうするの? どっか、旅に出たり、する?
[有翼族は寒さに弱い種族だと、サイラスは言っていた。ソフィは半分は人間の血を引いているけれど、寒さに強い、というわけではないだろう。]
(5) 2013/11/22(Fri) 02時半頃
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[ジリヤとやりとりをしていれば後ろからソフィアが興味津々、といった感じで見詰めてくる。]
何って……、えーと……、ナイショ。
[少し不格好なそれを、あまりソフィアには見られたくなくて。ジリヤの魔法が込められた後、翼を軽くはためかせながらソフィアが近くまでくると、見られないようにすぐに、ポケットへとしまいこんだ。]
ち、違うよ。俺のだもん。
[思わずごまかしたけれど、左耳だけがぴくぴくと動いた。*]
(8) 2013/11/22(Fri) 02時半頃
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―― 教会 ―― [薪が爆ぜる音に、チャールズの穏やかなトーンが重なる。>>2:152 青年は、チャールズの目を真っ直ぐに見詰め、うん、と時折相槌を打ちながら聞いていた。 彼の瞳の中で、オレンジが揺れる。 寝床のこと、に話が移ればびくりと身体が反応して、少し、身構えてしまう。 けれど。続いた予想外の言葉に、すぐにはリアクションができなくて。]
え……?
[思わず口から漏れたのは問いかけのような音。 それが聞こえたからか、聞こえなくても、だったのか、チャールズが歯切れが悪そうに言葉を付け足す。>>2:153]
えっと、……あの、用意は、してたんだ。 寝床。ちゃんと、見つけて。 食事と水も、準備して。
[人間族であるチャールズは、冬眠などしない。 普段から、ここに住まわせてもらっていて。長い冬にまで、そんなに迷惑はかけられないと思っていた。]
(9) 2013/11/22(Fri) 02時半頃
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[でも。]
いいの?一緒に、いっても……?
[少し、声が震えてしまったかもしれない。 きっと彼は、いつもと変わらず穏やかな笑みを湛えて、肯定してくれただろう。青年の潤んだ瞳は長い前髪が隠してくれるだろうから。零すのだけはぐっとこらえて。]
行きたい。
[こくりと頷きながら、短く、告げた。
明日からは寝床を変える支度をしなければならない。足の悪いチャールズにも手助けがいるようなら、手伝って。明日からはきっとまた少し、忙しくなる。 そんな事を話ながら、今までは一人で眠るのだと、怖いと思っていた冬に、想いを馳せて。 ゆっくりと夜は更けていった。**]
(10) 2013/11/22(Fri) 03時頃
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―― 工房 ―― [>>12ぱたりぱたり。羽がはためく音が、急に止んだかと思えば椅子へと戻っていく。ソフィアの顔はどことなく満足そうに見える。青年が旅に出ないこと、が嬉しいのだろうか。 不思議そうに尻尾の先を、クエスチョンマークのようにくるりと丸めた。]
へ?ソフィは家にいるの? 冬の間、ずーーーっと?
[仕事があるのなら仕方がないのかもしれないけれど、一年間もずっとこの家の中? 村はほとんど雪に埋まってしまって、家から外に出られないほどだと聞いていた。それを知らずに、外に出るために窓ガラスを割った猛者もいたぐらいだとか。 だから、人間族でも10年に一度仮の住まいに移ったり旅に出たりする人が多いと聞いていたけれど。食事とかはもちろんだけれど、――退屈になったりしないのだろうか。 そう考えていると、手元のカップへと視線を落としたソフィアがぽつり。]
そっか。冬でも仕事って、エライにゃー。
[一つ、思いついて。そんなソフィアの頭の上に、ぽんぽんと数度手をのせた。]
(28) 2013/11/22(Fri) 22時半頃
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べっつに、怪しくにゃいしー。
[隠してしまえば、ソフィアは訝しむような視線をこちらに向けてくる。 ポケットに手を突っ込んだまま、視線をそらせる。 と、不意にソフィアが、アリスの名前なんて口にするものだから>>13尻尾が驚いたようにぴんと立つ。]
なんで……違うもん! 違うから!違うからな!! アリスへのプレゼントとかじゃにゃいから!
[必死に否定をしている、その間も。 相変わらず左耳だけが小さく動いていた。自分のその癖を知らない青年は、どうにかソフィアを誤魔化せないものかと思案して。]
ソフィ、配達の途中じゃなかったの? もうこんな時間だけど、大丈夫?
[時計を指してそう言えば、話はジリヤの方へと移ったろう。>>2:89]
(29) 2013/11/22(Fri) 22時半頃
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クシャミは、ソフィアの注意がそれればほっと息を吐き出した。
2013/11/22(Fri) 22時半頃
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―― 翌朝 教会 ―― [サイラスを見送れば、雪道の中教会へと戻る。 昨日はまだ所々地面が見えていたけれど、一晩ですっかり白い絨毯のように雪が敷き詰められていた。 さくりさくり、といった調子だったのがずぼりずぼり、といった調子になっている。なんとも、歩きにくい。
チャールズは、一緒にサイラスを見送りに行っていただろうか。それならばなおさら、歩調はゆっくりと。
ようやく戻った教会で、暖炉の前を猫と二匹で陣取り、再び寝ようか、などと考えていたら元気な声が聞こえてきた。>>26]
トニーだ!おはよー! ははは、さっむそー。
[少し、トニーの肩や頭に雪が積もっているのをぺしぺしと叩いて落とした。]
(30) 2013/11/22(Fri) 23時頃
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―― 工房 ―― [睨まれたところで、対して怖くはない。>>37]
してにゃいしてにゃい。 子ども扱いなんて。
[おどけたようにソフィアから自分のセリフを繰り返されれば>>38、カップに残ったミルクティーに口をつけた。そうだよ、違うから、と言いながらもその動きはロボットのような、ぎこちないものだっただろうけれど。 ソフィアを見送って>>35、ドナルドが炉に火をいれるなら、その様子を見たりして。 もう少しそこで話していれば再びの来客。>>54ひょっこりと、白いもこもこした毛が見えた。]
(57) 2013/11/23(Sat) 15時頃
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―― 翌朝 教会 ―― [村に来たのは青年の方が後だけれど、年が上だからか、にいちゃん、と呼んでくれるトニーのことを、青年は勝手に弟分のように思っていた。 からかったり、カルヴィンとトニーの間に混じって一緒に遊んだり。]
服?あるある、こっちー!
[この寒さだ、暖かい服がたくさんいるだろう。 教会の奥にある、小さな自室の方へと案内しながら、トニーの言葉を聞けば不意に歩みを止めた。]
そっか……、トニーも村出るんだ。
[大半の人は、そうなのだ。 足元を見詰め、頷いて。 部屋の中へと入れば、もう着なくなった服の中で、擦り切れたりしていない、なるべく綺麗なものを選んでいく。]
(58) 2013/11/23(Sat) 15時半頃
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[青年自身の服も、人から譲ってもらったりだとか、そういうものも多い。 ズボンは大半、尻尾を通すための穴があいてしまっているのであげることはできないけれど、上の服をどっさりと手近にあった袋にいれて、トニーの腕に持たせた。]
結構雪、積もってきてるし。 こんぐらいあったら寒くにゃいかな!
[暖かいお気に入りのマフラーを一つ。 その一番上に乗せた。]
重いかにゃ。 こけたりしないかちょっと心配ー。
[勝手に年長ぶって、そんなことを言いつつ。]
すぐ、発つの?
(59) 2013/11/23(Sat) 15時半頃
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[白い羊毛は、普段よりも一層とふかふかして見える。]
あれ?ア……
[少女の名前を呼ぼうとした途端。襲い来る白い塊を顔面で受ける。]
にゃ!? つめたっ!何すんのさアリス!!
[ふるふると顔を振って雪を落とす。 工房が濡れてはウォーレンに怒られるかもしれない。]
(61) 2013/11/23(Sat) 15時半頃
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わっ、 ご、ごめんウォーレン床ちょっと濡れちゃった!
[落としてしまったのは自分だけれど。 雪を手で掬いあげて外にはらった。]
アリス、久しぶりの挨拶がひどいにゃ。 ……少し見ないあいだにもこもこになってる。
[目を細めて笑い。 そして、お嬢様の周りにいつもいるはずの付き人がいないことに気付くと、首をかしげた。]
あれ?アリス一人?爺さんは?
(62) 2013/11/23(Sat) 16時頃
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あの塀乗り越えた!? アリスが?ほぁー!すごいにゃ!
[ひとしきり感心する。 屋敷の人に黙ってでてきたのであれば、今頃きっと心配しているのではないだろうか。 そんなことを思う、けれど。]
そっかー。 俺もちょうど 会いに行こうと思ってたとこだったんだー。 アリスに用事があったから、
[ソフィアもいないし、ちょうどいいとばかりに見上げてくる少女に微笑みかける。]
(64) 2013/11/23(Sat) 16時半頃
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[ここに入り浸っている時には聞かなかったような、ウォーレンの大きな声。>>66 尻尾をしゅんと項垂らせ、慌てて謝罪を述べたのだった。>>62
大脱走劇で、自慢気な様子のアリスにくすくすと笑いがこぼれおちた。>>65 猫の獣人である青年は、屋敷の傍に生える木に登ったり、ジャンプしていつもあの壁を乗り越えているけれど、彼女には一苦労だっただろう。 その様子を少し想像して。 用事があると言えば、彼女の蒼い瞳は静かに揺れた。]
雪合戦! うん、それもしたかった! しよっか?
[挑戦的に見上げてくる蒼。 青年はアリスと鏡合わせのように、ニヤリと口端をあげた。]
(72) 2013/11/23(Sat) 18時半頃
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―― 翌朝 教会 ――
俺もでかけるとこだったし、一緒に行くー。
[大丈夫だ、と言う前の少しの間。>>71 袋にいれていた荷物を、貸して、といって、二つにわけた。一つをトニーに渡して、一つを自分で持つ。]
よし、これで半分こ。 そうだにゃー、こんだけ積もってたら、 あっという間に出られなくなりそう。
[窓の外を見ながら、頷いた。朝方は雲の切れ間も見えていたけれど、今はまた空は雲に覆われ、雪がしんしんと振りつづている。]
うん、俺は冬眠することにした。
[昨日までは、そう答える声に不安や躊躇いのようなものが入り混じっていたけれど。今はそんな様子は全くない。]
(75) 2013/11/23(Sat) 19時頃
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動けなくなる前に、準備するつもり。
[日照時間が短くなってくるのと対象的に、日に日に睡眠時間が長くなってきている。 寝床を変えるのも、急がなくてはならないだろう。 チャールズがいたなら、トニーに、昨日ピエールからもらっていた焼き菓子を数個、渡したかもしれない。 いなかったなら、青年がトニーに渡しただろう。**]
(76) 2013/11/23(Sat) 19時頃
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[>>78頷いたアリスと、連れ立って外にでる。しゃがみこみ雪を集めていたら、アリスが先に投げつけてきた雪玉が見事に頭に命中した。]
わっ! もー、やったなぁ!?
[ぷるぷる頭をふると、手を叩いて喜んでいるアリスに目掛け、雪を投げた。少し力は加減して、緩くカーブを描いたそれは当たったろうか。]
(87) 2013/11/23(Sat) 23時半頃
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[そうそう当たってばかりもいられないと、軽快に跳ねて、アリスの雪玉を避けてみたり。少し大きめに作ってみた雪玉は届く前にすぐに地面に落ちて真っ二つに割れてしまい、アリスと二人、顔を見合わせて笑った。 しばらく雪玉の押収を繰り広げれば、青年の黒い毛並みにも、彼女の白くまとっていた羊毛にも雪の欠片がちらついた。]
へぶっ!
[こちらに飛んできた雪玉を避けようとしていれば、雪に足をとられ派手に転ぶ。]
あはははは!あー…、転んだー。
[笑いながらも、慌ててポケットに手を突っ込む。 落としてしまっては元もこもない。]
(92) 2013/11/24(Sun) 00時頃
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[起き上がれば、両手を顔の位置まであげてみせる。]
参った、降参ー。
[ひらひらと手を振り。 アリスの方へ近寄って、彼女の羊毛や服についた雪をはたいてやる。]
あのさ……、 アリスは冬、どう過ごすの? 俺は…、冬眠、することにして。 もう塒も、見つけてあるんだけど……。
[そんな話を切り出した。*]
(93) 2013/11/24(Sun) 00時頃
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[>>94近づいてきたアリスを不思議そうに見ていれば、水をかけるように、巻き上げられた粉雪。両手のガードも容易くすり抜け、顔に降りかかる。 そうして、笑い合って。]
うん。そっか。 はは、眠そー。
[>>96欠伸をする彼女にゆるく微笑む。 きっと彼女にとっては、今日は大冒険だったろう。その肩や頭をぽふぽふと払いながら、出会った時から変わらない、空を写したような蒼い眼を見つめ。]
特別に? へへっ、嬉しー。ありがとう。 でも、……うん。俺は、大丈夫だよ。
[少し赤く染まる頬でそう答える。まだ舌っ足らずだった口調は、今ではすっかり立派なレディのそれが身についていて。鈴のような声で、心配していたのだと聞かされれば、ほんのりと、暖かい気持ちになる。あの時の恩は、まだちっとも返せていないのだ。これ以上迷惑はかけられない。]
(101) 2013/11/24(Sun) 00時半頃
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/* 困ったときのラ神様っと 1
1.猫 2.羊
(-28) 2013/11/24(Sun) 00時半頃
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うん。俺は、大丈夫、で。 だから、これ。あげる。
[そう言って、ポケットから先程できたばかりのチャームを取り出して、彼女に差し出す。]
作ったんだ。 俺が寝てる間。 アリスを守ってくれますよーにって。
[硬貨ほどの大きさの、丸い真鍮製のチャーム。 猫のモチーフが描かれている。アリスのは羊にしようかと、迷った末に、そちらにしたのだけど。 いざあげるとなると、やはり恥ずかしい。]
(103) 2013/11/24(Sun) 00時半頃
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/* しぬ 俺しねる 自分の姿のやつを渡すとか キザっていうかばかっていうか あほっていうか しぬ あーーーーラ神様めーーーーーー
(-29) 2013/11/24(Sun) 01時頃
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/* あれ、まさかカルヴィンがしのたんか?
(-30) 2013/11/24(Sun) 01時頃
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/* 真鍮細工について調べてみたけど モチーフは掘ってある、というのが無難だろうか(何も考えず材質真鍮にした
(-31) 2013/11/24(Sun) 01時頃
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/* な、なんだってー! ソフィアに見られてるのかーーーーー!
恥ずかしい(*ノノ)
(-32) 2013/11/24(Sun) 01時頃
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/* かわいいアリスかわいいアリスかわいい ほっぺちゅうされほっぺほっぺ はい、俺しんだー今しんだよー
(-33) 2013/11/24(Sun) 01時頃
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