65 In Vitro Veritas
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>>283>>288>>290
[そして、ふと、ヴァイオリンのケースを見つつ、さっきのケンシにきたリーネのオリジナル。マキノセンセイの言葉を思い出す。
そう、難しい単語もあったけど…。 その中で聞かなくちゃいけない言葉…。]
……アニって、何?
[そう、家族、兄弟というものを知らない。 兄というものが何なのか、わからない。
そのイショクが、アニノイショクが、
ニーナを殺した、まで、まだ、つながっていない。]
(318) 2011/09/29(Thu) 23時半頃
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セシルは、コーダは、アニ→× オニイサン→○ >>318
2011/09/29(Thu) 23時半頃
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/* しかし現役リーガー殺すって大変だな。
(-79) 2011/09/29(Thu) 23時半頃
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[この先、クローンと呼ばれる自分たちの中で、 一番最初に、あの映像のようになる者。
やっぱりそれは赤毛だろうと思う。
そして、移植できる人物もここにはいるらしい。 しかもそういう場所、であるらしい、ここは。]
赤毛のこと、守らなくちゃ…。
(*26) 2011/09/30(Fri) 00時頃
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[赤毛は大きい、だから、オリジナルのその人も近寄ってはいないけれど、大きいのだろう。 その人を壊すためにはどうすればいいだろう。
ああ…。
そういえば、聴いたことがある。 クローンの中にもイタンシャがいたと。 自分の身体を壊すペナルティ、犯すものがいたと。
首にひもをつけて、ぶらさがったらしい。 そしたら、動かなくなって…
そんな年長者の話。]
(*27) 2011/09/30(Fri) 00時頃
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>>327
カゾク?
[もちろん、わからない。そして、難しいという言葉にそうですか、と
回答を強要するようなことはしない。 それより興味は、今はそのヴァイオリンにも移っていること、まちがいなくて…。
それが、コーダにとってのニーナ、というところにまだ結びついていない。]
(337) 2011/09/30(Fri) 00時頃
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音楽が仕事……。 それがモノになる?
[それもよくわからない。 そう、音楽は、ロボットが聴かせてくれた、体操の音楽だけしかしらない。リズムだけを重視した、単調な音。
だから、それはセシルに乞うようにも見えただろう。]
(343) 2011/09/30(Fri) 00時半頃
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― 一人になったとき ―
[映像を思い出す。 そして、ニックの言葉も思い出す。
そう、壊す前に、壊す、そんな気持ちがないといけない。
オリジナルは、きっと、 それでも、何かあれば、クローンが死ぬのはしょうがない、と思うような気もするから。]
(*28) 2011/09/30(Fri) 00時半頃
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>>354 [見てみるか?その言葉に当然のように頷いた。 その曲線。それは、ガラスのタンブラーの丸みを思い出させる。だけど、それは、木、だろうか?深い色味、均整のとれた、それでいて生きているかのようなイメージさえ受けた。 それは、ヴァイオリン…
口の中で、繰り返す単語。 決して忘れないように…と。
そう、こんなに美しいものをこれまで見たことがない。]
――……ぁ
[セシルが、それを手にとったこと、本当に羨ましく思った。 その手は自分のに比べると、形、すっと綺麗な、 そう、それを扱うべき手…。
ふと、意識していなかった自分の手をそこで気にする。]
(360) 2011/09/30(Fri) 01時頃
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セシルは、コーダは、セシルに比べると節だった色黒い手に眉を寄せた。
2011/09/30(Fri) 01時頃
セシルは、セシルに羨望の眼差しを送っている。
2011/09/30(Fri) 01時頃
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>>355 [その道具が音を出すとき、世界は変わる。 それまでに聴いたことのない。振動。 生み出される、引き絞られる、知らない、知らない、
知らな過ぎる、音。
瞳は驚きに見開かれて、そして、 口は戦慄いた。 口が渇く、目もきっとがしゃんと割れた気がする。 その響きは、きっと耳を犯す。
散らばる破片。それは……見知らぬ感情に自身が囚われていく幻想……。]
(366) 2011/09/30(Fri) 01時頃
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――……ああ
[その音を出す、オリジナルは、
――………。]
(367) 2011/09/30(Fri) 01時頃
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[なんてきれいなんだろうか。]
[ああ、なぜ]
[自分は、彼じゃないのか。そんな、そんなことを]
(*29) 2011/09/30(Fri) 01時頃
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[曲が終わったあとも、身体は硬直している。 悲しい旋律に、影響されたのか。
それは、とても、悲しい、表情だった。]
(370) 2011/09/30(Fri) 01時頃
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[思ったことがある。 それは、圧倒的な、差。
ニックはああいってくれたけど、 自分は、この音は壊せない、と思った。
壊したい。とても壊したい。 なぜ、自分はセシルではないのか、 そう、
壊せない。 それは、セシルのほうが優れているから。]
(*30) 2011/09/30(Fri) 01時半頃
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[自分は、もし、その音が失われるのであれば、 壊されてもいい存在なのかもしれない。
それは、本当に、
悲しすぎる劣等感。]
(*31) 2011/09/30(Fri) 01時半頃
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>>376
――……はい
[聞きたいことに、にはそう答える。 聞けてないこともあるけれど、今は、そんなことより、 自身に襲いくる、重い空気に押しつぶされそうになっている。
俯いて、でも、それでも、と礼をする。]
ありがとうございました。
[心に溜まるのは、相反した想い。 身体中、巡り、それは、頭を最後に何度も殴るよう。 そう、
苦しい。]
(377) 2011/09/30(Fri) 01時半頃
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セシルは、コーダは、そのまま、くらりと、身体傾ぐ。
2011/09/30(Fri) 01時半頃
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――……あ
[伸ばされた手、それは、肩に触れた。 心が重くて、くらり世界が回ったなど、それまでに経験したことはなく…。 セシルと同じ飴色の髪、偶然にも長さは同じくらいのそれも小刻みに揺れて、動揺を表していただろう。]
(ペナルティはいけない)
[結果、少しだけ、その手に体重はかかったかもしれないが、反射的に膝を曲げて、 酷く身体を打たないように、そして、セシルにも負担をかけないように、彼は床に沈み込む。]
す、すみません……。
[掠れた声は謝罪を告げる。]
(379) 2011/09/30(Fri) 02時頃
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セシルは、コーダは差し出された腕に、顔をあげる。
2011/09/30(Fri) 02時半頃
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>>382 [ひどく、衝撃を受けた心に、 その手は、
また誰かを思わせながらも、 でも、おそるおそる、伸ばしてしまう。]
(383) 2011/09/30(Fri) 02時半頃
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ああ
[交錯する。]
(*32) 2011/09/30(Fri) 02時半頃
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[羨望と嫉妬]
(*33) 2011/09/30(Fri) 02時半頃
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[それは、歪んでいく。]
[そう、こんな目に合うのは、 こんなオリジナルに激しい劣等感を持つクローンは自分だけで十分だ。]
(*34) 2011/09/30(Fri) 02時半頃
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[そう、規則正しい生活。 何も知らずに仕事をして、
そして、話して、食べて、眠って…。]
(*35) 2011/09/30(Fri) 02時半頃
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[それはとても幸せだった。]
(*36) 2011/09/30(Fri) 02時半頃
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(ニック
自分も彼らを壊すよ
そう、オリジナルを知ることは、
クローンには絶望だ。)
(*37) 2011/09/30(Fri) 02時半頃
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(心を壊される前に、
壊そう……。)
(*38) 2011/09/30(Fri) 02時半頃
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(自分はもう、壊れてしまったから)
(*39) 2011/09/30(Fri) 02時半頃
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[心に渦巻いている、それは 打ち砕かれたガラスの山にも似ている。
そう、それは、炉に入れてしまわないと、 溶かして、わからなくしてしまわないと……。]
(385) 2011/09/30(Fri) 02時半頃
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[引き上げられた腕、 その体温は、自分のものか。
その腕は、手は、指は、
この一時にいろんなことを教えてくれた。]
はい………。
[言われたことには従順に返事をする。
でも、もう、その心は、 身体より先に壊れてしまったけれど。]
(386) 2011/09/30(Fri) 03時頃
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― B1階・スタッフルーム ―
[そして、セシルが去ったあと、見つめているのは、そのバイオリンケース。 そこにしまわれた旋律は、鮮烈に心に刻まれている。
きっと、それは、雨宮セシルとしての才能の欠片なのだろう。
心の中で、寸分たがわず、一度しか聴いてないメロディが再生し続けている。 一本の弦が織りなした、その旋律は、コーダの中で繰り返される。終わろうとしたときには、また戻り、また戻り、また戻り、反芻していく。]
(389) 2011/09/30(Fri) 03時頃
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[そして、去りゆくセシルの背中が消えたあと立ち上がる。 そこに見えたマキノセンセイとリーネにも、礼をしたあと……。
ふらりと…どこかへ。]
(390) 2011/09/30(Fri) 03時頃
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[心の旋律に最終節のマークはつかないまま**]
(391) 2011/09/30(Fri) 03時頃
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