62 あの、夏の日
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…メアリー?
[頭の中に響いて来ていた、彼女の声が聞こえない。 そして――その姿も、消えてしまった]
……目覚めて、しまったのか?
[確かに目の前に居た彼女が消えた。 それは、現実での彼女が目覚めたのと同義で]
(*0) 2011/08/30(Tue) 00時半頃
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……は、
はは……っ
…結局、俺だけが残ってしまったのか。
[男の渇いた笑いには、もう誰も答えない]
(*1) 2011/08/30(Tue) 00時半頃
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[本気で現実から逃げようとしていたのは、男ただ一人だけだったのだろうか? その答えは、誰も答えてはくれない]
……
[どんなに酷い現実逃避でも、いつも優しく同意してくれていた彼女の声は…もう無い]
…………
[男は、談話室に置かれた燭台を見つめる。 彼女が持っていた物は残っているのに、彼女は――]
(*2) 2011/08/30(Tue) 00時半頃
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[男は、暗い天井を見上げ]
――現実から逃げ続ける卑怯者は
俺だけで良いじゃないか――
[声は、暗闇に吸い寄せられ]
(*3) 2011/08/30(Tue) 00時半頃
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……何も、彼女まで巻き込む事は無かっただろうに。
[呟く「ごめんな」の言葉も。 吐き出す息と一緒に、空に掻き消えて行った――**]
(*4) 2011/08/30(Tue) 00時半頃
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[廊下に伸びる影はとても薄く、男が此処に居るのを嗤っている様にも見えた]
……分かってる!
[そう、ずっとこの夢の中に居ても。 大人になった皆が本来の時間を重い出し、夢を徐々に壊していくのだ]
分かってるさ…!!
[夢を保とうとして、それらを除外すれば。 結局は「そして誰もいなくなった」と言う状況になる]
(*5) 2011/08/30(Tue) 20時半頃
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[きっと、そんな事になって]
[そんな言葉を言う羽目になるのは]
[――男自身なのだ]
(*6) 2011/08/30(Tue) 20時半頃
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[誰も居ない、夏の寮]
[人声の無い、学校]
[そんなものは――]
(*7) 2011/08/30(Tue) 21時頃
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[夜の帷の下、強い雨に打たれながら]
……あの時。
[>>3:*25メアリーが、男の言葉に対して。 一度言葉を詰まらせていたのを思い出す]
…お前は、現実でも良いと思っていたんだろうな。
[その答えを、男が知る術も無く]
(*8) 2011/08/30(Tue) 21時半頃
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――それが、一番良い選択…か。
[男は、ヤニクの背後で苦笑する]
……独り善がりの下らん夢語りなど、同意してくれる者が居なければ
――所詮、妄想に過ぎん。
(*9) 2011/08/30(Tue) 21時半頃
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[そろそろ、現実の迎えが来る頃なのかもしれない。 それは今か、はたまた明日か。それは分からないけれど]
……なあ、メアリー。
[何度、この世界で彼女の名を呼んだだろうか]
独りで抱える妄想は、実に淋しいものだな。
[彼女に届くか分からない声を、絞り出して]
(*10) 2011/08/30(Tue) 22時頃
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夢を見るなら、皆一緒が…良いな。
[その意味では]
なら、現実も――悪くないのかもしれないな。
(*11) 2011/08/30(Tue) 22時半頃
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嗚呼、そうか。
[男は一人頷く]
俺は――
(*12) 2011/08/30(Tue) 23時頃
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