194 花籠遊里
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[躊躇なく突き付けられる現実。 いつしか歯を立てた唇は口端を赤く彩り、双眸の上 眉間の皺を一層険しく刻み付ける。
息を吐く暇もないまま、身に浴びせられる鄙劣な物言いに呼吸が詰まり。>>97
掌に落とされた唇に、ぐしゃりと顔を歪めさせる。>>98]
──ッ! ……っ、
[せめて崩れた面を見られたくまいと顔を逸らすが、意味のないものに過ぎなかっただろう。
軋む家具が奏でる起立の気配を感じれども、共に立ち上がる気にはなれず。 相手の気配が完全に消えてしまうまでその場で俯いていただろう。*]
(105) 2014/09/18(Thu) 00時半頃
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/* なんか、あれだな。
ちょうすけは、おいらの手から割と離れてる子っていうか なんか、不思議な感じで独立してるような感覚がある。 なんだろこれ
(-66) 2014/09/18(Thu) 00時半頃
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/* しーしゃさんかわいいな べるさんかわいいな
べるさんわらいながらどえすもできそうだけどな
(-67) 2014/09/18(Thu) 00時半頃
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/* かめかわいい ふじおぼろしあわせになれ
おうじがすごい勢いでせつないふらぐたててるしゅごい
(-68) 2014/09/18(Thu) 00時半頃
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好意を持つことなど許されません。 悪意を持つことさえ許されません。
本気になっては、なりません。
甘い夢も、苦い夢も。 愛の囁きも、 ……意地、悪な …囁きも
この籠の中で起こる全て
夢物語なのでございます。
[酷く声が弱く掠れた部分がありました。 謂い終わった後、僕は一度だけ眸を伏せました。 長い睫毛が『蝶』と『花』の代わりに その身を寄り添わせたのでございます。]
(106) 2014/09/18(Thu) 00時半頃
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/* へくたーの動きとかぶんしょうりょくとかまじすごい
とれいるにあいたい あいたい あいたーい
(-69) 2014/09/18(Thu) 00時半頃
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/* よし言うだけいったりだつ!
おうじにありがとうしながら丁のこと考える!
(-70) 2014/09/18(Thu) 00時半頃
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[僕は誰に言い聞かせているのでしょう。
傍にいる『蝶』に? 傍に来ぬ『蝶』に?
………咲くことを拒む『櫻』に?]
(*28) 2014/09/18(Thu) 01時頃
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[中庭彩るは秋の色。 夕焼けのような橙色。
秋に咲く櫻。
自覚してしまう前に、眸を伏せましょう。 僕はこの廓に咲いた『花』。 散った『丁』の教えの元に。
微笑み絶やさず色香を放つ、『花』の一輪であるために。]
(*29) 2014/09/18(Thu) 01時頃
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今度お茶するときは、お菓子もあったらいいね。 もってきてあげようか?
[緑茶とマドレーヌが合うかは知らないが、 軽々と再びのお茶会の約束を。]
ああ、確かに。それは困っちゃうねえあはは。
[丁助の言葉>>102に声をあげて笑うと、 前髪を搔き上げながら一言。]
じゃあ、今夜は丁助さんを買うよ。 いいでしょ?
[花には選択権などないことを知りながら、 あえて尋ねる。
くしゃりと髪を搔き上げた指に互い違いになるように金糸が絡まり、横軸の肌色と縦軸の金色とでまるで一風変わった布を織るかのよう。 指が髪をするんと梳かして離れれば、癖のない滑らかな僕の髪は何事もなかったかのように元通りに。**]
(107) 2014/09/18(Thu) 01時頃
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[先の揚羽とは異なる僅な翅音を羽ばたかせながら、歩み寄る白蝶に、何の色も浮かばぬ瞳を向け。軈て窓枠からその顔がはきりと見えたならば、「彼」とは異なる灰青の蝶頭を見届け。
ぷかり。 自分の顔を煙が覆ったならば、ちいさく驚愕に瞳を染めては見開いて、顔を背けてはけほけほと咳を零したのだったか。 其の後其の白蝶に向ける瞳は穏やかな物では無く。 唯小綺麗に貼り付けた笑みの上、視線は真冬の雪の様に。]
――キミが花でないことが、いま酷く悔やまれるよ。
[暗に花であったならば、夜宴の裏その口先から教えを遣ったというのにと。言の葉の裏滲ませた色には、白蝶は気付いただろうか。
そうしてゆうるり黒の花>>80へ向き直る途中、黒服の心配をされたならば。動きを止めては自身を見下ろし、暫く動くことを止め。 パチパチ、またたき二つ。 其のあとに、漸く「何もない」と。飾らぬ言葉を投げ。
視界の隅、窓枠の中。煙を授ける白蝶には呆れの息を吐き。 これ以上は野暮だろうと、フイと視線を完全に花へと向ける。]
(108) 2014/09/18(Thu) 01時頃
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……? 先の…ああ、花と蝶は寄り添えるかってやつかい。 それが、どうかしたの。
[瞳の中。秋風が絹糸の様に繊細で綺麗な射干玉の髪を揺らしているだろう、其の中で。 自分も少しだけ肌寒さを感じながら、先の明るい様子とは違い、花頭を地へと向けるそのさまに小首を傾げる。 ゆうらゆうら、花頭の飾りは風に踊り。 長い髪はその表情を覗くことを拒んでいる様で、唯焦燥感のみを感じる]
――もしかして、聞いちゃダメなことだったかな。
[ふと。花の先、廊下の向こうに見えた影には眉間を歪めてみたけれど。ちいさく犬歯を魅せたならば、今一度ちいさな花を視界に収め。
「ここ、寒いから、中入ろうか」 なんて。 せめてもの余裕を見せようとした言葉は――宵闇の中、その薄い唇から紡がれた言葉の数々>>103->>106に、堰き止められる。]
(109) 2014/09/18(Thu) 01時頃
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…ゆ、…め。
[まるで何か言い聞かせている様だと、ごちた言葉は自身に届かず。 ただ胸中に刺さる痛みを何として吐き出そうかと、眉を下げては、情けなくも震えを帯びる黒衣の手にて口元を抑え。
――嗚呼、宴の夢に溺れていたのは、蜜に翅を奪われたのは、自分だったのだろうか、
困惑か。憤怒か。はたまた、ただの嘲笑じみた自虐か。 何が愉快いわけでもないのに、ゆうるり弧を描く唇はまるで三日月。 宵闇に混ざり行く自分の姿を見下ろしては、その目元に黒衣を移し。]
はは…、――うん。……解ってた。
[伏せる瞼に合わせる様に、また自分もひとつ。瞬きを。 三日月の口元とは相対して、眉は情けなく泣いて居たけれど、俯く花にも、自分にも、それはきっと分からない。 ただ虚しさを帯びてきりきり悲鳴を押し堪えるこころを服上から抑えたのなら、秋風を肺に送り込んで。]
(110) 2014/09/18(Thu) 01時頃
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……夢物語は、いつとハッピーエンドな筈なんだけどなァ…。
[ちいさく紡いだ言葉は、誰に言うでも無く、ただ宵闇に融けた。]
…ね。夢物語、キミは嫌い?
[そうして震えを抑えた聲は、ちいさな花へと。 花頭より垂れる髪を耳に掛け遣り、その手を掬い上げたならば。 「…ちょっと、今夜、俺とずっと話してようよ。」そんな誘い言葉を花に与えた。]
(111) 2014/09/18(Thu) 01時頃
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/* 長すぎィ!
(-71) 2014/09/18(Thu) 01時頃
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─自室─
[自室に戻るや否や、慣れた仕草で纏っていた着物を寛げ手早く白を身に纏う。
衿元を正しながら裾を引き上げる過程が慣れたばかりであるのは、昨日行われた閨での記憶がまだ真新しい為か。
戯れに揺らめく魚を鉢上から指を伸ばすのは何時ものこと。 ぷくぷくと泡を膨らましては割れる絵は常と同じく愛らしい様であるというのに。
硝子に映る自分の顔は血の気の失せたみすぼらしいもの。]
──……ッ、
[まだ生温かい唇の質感が残る手に爪を立てれば食い込ませ、嫌々をするように銀糸を垂らす様は駄々を捏ねる稚児。
自覚しつつも水面にて雫が一滴落ちれば波紋を作り、泡と同時に呆気なく弾けていく。]
(112) 2014/09/18(Thu) 01時頃
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─好いてなど、夢を見てなど…決して、ない。
[何度も否と呟きながら目尻を擦り付けて濡れた甲を乱雑に拭い取れば、霞む視界にて見える金月。
誘われるまま、ふらふらと窓辺に近づけば、月下蝶の香り>>42を色濃く感じた気がして。
覗かせた場所は中庭。月下の元櫻の傍に佇む蝶の姿を視界に入れる>>106>>111]
……ええ、判っています。判ってる。…わかってた。
[ぶつぶつと一人部屋にて呟く独り言。 血が滲むことなど構わず、爪を立てた掌はそのままに、一度硬く瞼下ろしては息を吐く。
間も無く濡れた睫毛が上がれば窓辺には一瞥も暮れずに背を向けて。 身を裂くような冷たき牢へと*足を踏み入れた*]
(113) 2014/09/18(Thu) 01時頃
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藤之助は、亀吉に話の続きを促した。
2014/09/18(Thu) 01時半頃
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[「聞いちゃダメなことだったかな。」>>109 そういわれた時、口を噤めばよかったと何度思ったか知れません。 僕の言葉に、同じく間を置く「夢」の一文字>>110
傷付いておられるのでしょう。 とても判りやすい御方です。 寄り添いたいと願っているのでしょう。 淡藤揺らす、彼の『花』と。
だからこそ、紡がなくてはならない言の葉でありました。 言い聞かせるように、落ちる言葉は 一体誰を、言い聞かせるためのものだったのでしょうか。]
ごめん、な さい。
[謝罪が零れ落ちました。 俯いた僕には、彼の表情は見えません。 僕の表情もまた、彼に知られることはないでしょう。]
(114) 2014/09/18(Thu) 01時半頃
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[微笑むことなんて、今は出来そうにありませんでした。]
(*30) 2014/09/18(Thu) 01時半頃
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─地下牢─
[そして今夜も繰り返されるは享楽の宴。
足を踏み入れた先、木で出来た格子の中に踏み入れれば布団の近くへと歩み寄り。
蝶の姿が見えれば首を傾げてゆぅるりと微笑みかけただろう。
咲いて散る花の如く、翳りある貌で。]**
(115) 2014/09/18(Thu) 01時半頃
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[早く散ってしまえば良い。 未だ散れぬというのならば、咲いて咲いて咲いて。 毟り取られてしまえば良い。 胸に救う種も何もかも。 痕を残さぬように全て。
全て 全て 夢であれば良かったのに。]**
(*31) 2014/09/18(Thu) 01時半頃
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2014/09/18(Thu) 01時半頃
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[宵闇に融ける囁き>>111に、まだ顔を上げられず。 ペティンガーさまの指先が僕の髪を、手を救い上げた頃 漸く面を上げて、眉を下げた表情で なんとか微笑んで見せたのでございます。]
夢物語は、大好きですよ。
[幸せで終わる、嘘ですから。 誘いの言葉を受けたなら、少しの間逡巡した後。]
地下に行かれますか? それとも、もう少し静かな場所にでも。
[お話だけなら、何も地下へ向かうことはないでしょう。 どちらにいかれますかと、微笑みました。]
(116) 2014/09/18(Thu) 01時半頃
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/* ヘクターさん上手だなあ あたりが酷くて申し訳ないです
(-72) 2014/09/18(Thu) 01時半頃
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── 追憶の一片 ──
[それは歳を遡ることいくつの事であったでしょう。
ある日、新しい花見習いが来ると告げられることも無いままに 突如この廓にやってきた一輪がありました>>*26 何も知らず、何も判らぬまま 髪を乱し乱されやってきた花は 銀月の色を有した、淡藤の一輪でございます。
僕には彼が、怯えているように見えたのです。 何も知らぬ世界につれて来られ、困惑しているように見えたのです。
眸が触れ合った気がしました。 ですから僕は、安心させるようにと 彼へ微笑んだ事を覚えています。]
(*32) 2014/09/18(Thu) 02時頃
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「大丈夫ですよ。」
[そういって、手をとり。 小さな身体で彼を庇い立ち。 『花』には『花』になるための規則があると教育係を買って出ました。
『花』は美しくなければならないと ですから乱暴に扱わないでくださいと 連れてこられた御方のその手を、無理やりに剥がしたことを覚えています。]
(*33) 2014/09/18(Thu) 02時頃
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[――額に僅に浮き立った青筋を、黒の花はきっと見ていなかったことと願う。
秋風揺蕩う中庭にて。 気紛れに、偶然に花と共に添っていたならば、その先に見得た「影」>>109に――何の意味が込められてか、下げられたその蝶頭には唯無性に熱を抱え。 彼が――そう、気儘な彼が、何の理由も無く自分へと”挨拶”をする筈が無いことなど、短い間に既に質など視え。 まさか実はとても真面目な性格でした、そんな事さえあり得ない。
ならばならばと思考の障害を取り除き、視えた其の先解った其の意味。 ――あれは「挨拶」ではあるけれど、あくまで「挑発」の挨拶だと。]
(=7) 2014/09/18(Thu) 02時頃
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〜…本当に、遊び癖が酷いんだ…?
[巷に聴いたかの噂。派手な風貌派手な戯れ。 犬歯を魅せた唇は、軈て吐き捨てるように言葉を形作っては透明の声へ成る。
そうして遊び人の事実を遠回しに識り、頭に浮かべた朧の銀月。空の花籠。 じとりと服を滲ませた雫は、一体どんな意味を持ってか。 ただ月を追う理由を作る為にと――黒の花を誘い上げた。
そうして、夢物語でも、良いと。 夢の中だけでも、其の月を手中に入れられたのなら。其れだけで、自分は満足し得るのだろう。]
―――
[せめて月の代わりに自分が翅を差し出したならば。…否、されとてそれも、毒蝶を喜ばせるだけになるだろうか]
(=8) 2014/09/18(Thu) 02時頃
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[その『花』が、手折られてしまうかもしれないのです。 きっとそれを、花主さまは許しなどしないでしょう>>1:1 昨夜も一人、『花』が姿を消しておりました>>1:#0
行方など、知れません。
亀吉さんがそうならぬ為にも、お伝えしなくてはなりませんでした。 もしもまだ、『夢物語』に終わらせられるのならと。 余計なお世話を、焼いたのでございます。 そこに、自戒を含めながら。
僕自身へと、言い聞かせながら。]
(*34) 2014/09/18(Thu) 02時頃
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[其の度にあの呪詛が 『丁』の涙が 中庭に植えた秋櫻が
心を締め付けていくようでありました。]
(*35) 2014/09/18(Thu) 02時頃
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[ペティンガーさまはどちらをお望みになられたでしょう。 どちらにせよ僕は、大きな軍手を外して仕舞い 『蝶』の掌をとったのです。
淡藤が睫毛を濡らしていることも>>113 その手を傷つけていることも、知らぬままに**]
(117) 2014/09/18(Thu) 02時頃
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