25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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−本邸廊下−
……?
[色硝子が万華鏡のような光を床に落とす、その遠い向こう側で 何かが割れるような音がした。 それから、弱い悲鳴と]
(───血の匂い?)
[まだ、伝え聞いた目的地へと辿り着くまでには距離があるはずだ。 だとすれば誰が。いったい何故、と唇だけが紡ぐ。
赤い匂い、血の匂い。 如何程抗いたくとも、餓えた獣には叶わぬこと。 其れを得るだけが目的ではなく、何が起きているかを見定めるも理由と 己にそんな言葉を押しつけて、音のしたほうへと急ぐ]
(45) 2010/08/08(Sun) 15時頃
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/* なんかとってもお呼び出しされている件について!
(-10) 2010/08/08(Sun) 15時頃
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気をつけるが…こればかりはわたしの本質故仕方ない。 あちこちに分けて散らさなければ、一人に重ねれば壊してしまう。
雛鳥は…鷹にでも鶴にでもしてみたい。 だから、その前に喰らうわけにはいかぬでね。
(*5) 2010/08/08(Sun) 15時頃
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[いじらしく見上げる姿に目を細め、そっと耳元に顔を埋めて囁く。]
…かりょう、わたしの愛しい子……
[どうか、どうか…この子が立派に育つまで、引き裂き喰らわずに済みますように。]
(46) 2010/08/08(Sun) 15時頃
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随分と重量級の愛をお持ちだことよ。 まあ、私の関わることではないがね。
[小さく吐き出す息が少し震えた。 悲しみでも喜びでもなく。
まるで薬が切れたことに耐える兆候の如く]
(*6) 2010/08/08(Sun) 15時頃
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― 本邸廊下 ―
……違ったか、すまないな
[納刀しながら嗤う。砕ける陶磁器や つぶれる何かの音から、それが花や花主ではなく 単に屋敷のものだったことに気付いて]
……いかんな、人の気配で切り伏せては…… やはり、声はかけるべき、か
[肌を覆う白に朱が飛び散り 鮮やかな姿で小首を傾げそう思案して。 己の行いを隠すわけもなくその場を去ろうと]
(47) 2010/08/08(Sun) 15時頃
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嬉しい……。
[主の想いも知らぬ鳥の子は、そのまま月の虜となって。 出会った時と変わらぬ稚さで微笑んだ]
(48) 2010/08/08(Sun) 15時頃
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[血の匂いが濃くなる方向へと辿りつく。 迷う筈などあるわけがない。
血の匂いに混じって微かに茶の香気がある。 つまりそれは己が指示したものが 何らかの理由によりそのような状況になったということ]
────っ
[辿り着いた時、息をのんだ。 割れた陶器。崩れた菓子。 そんな事はどうでもいい。
ただ、そこにあるのは獣の捕食のあとではなく、明らかに人が殺したと解る何か。 まだそこに狂った花の姿はあったのだろうか]
(49) 2010/08/08(Sun) 15時頃
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[握る手に口づけそして開く。 檳榔子染の結い紐と いつか飾られた紫の蝶。]
…――――鳥は… 最期、あいに、なく
[愛に、哀に、会いに、 相に、―――― ロビンの歌うような声が聞こえた。]
(+11) 2010/08/08(Sun) 15時半頃
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……ん?誰かきたか? 名を名乗れ。
[足音に振り返る。血の臭いにかき消され 蓮の臭いは届かない 包帯に覆われていない口は朗らかに笑う けれど、手は納刀していたそれを、 鍔鳴りの音と共に抜いて。 ……剣に付着した血がさらに臭いを濃くした]
(50) 2010/08/08(Sun) 15時半頃
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小僧 カルヴィンは、本邸の方から聞こえた悲鳴のような声に、顔を上げる。なよたけの君…と、声を掛けて、背に回す腕を解く。
2010/08/08(Sun) 15時半頃
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……でも…?
[かききえた続きを 促すような呟きがある。 現世との狭間、 血塗れの獣がわらっていた。]
――――ひとと狼は 恐れあいながら その癖何処か、似ているのか。
けもののようなひとも、 ひとのようなけものも、 狭間でゆらめくものも、
(+12) 2010/08/08(Sun) 15時半頃
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[お前、と。 言葉は上手く紡げたかもわからない。 よりによって何故こんなことになっているのだろう]
…何をしている。 お前の仕事は、人狼病罹患者の捕獲と処理ではなかったのか。
[名は名乗らない。 名乗ったところで気がふれた花には何の意味があるのだろう。 問いかける声は、ただ酷く掠れていた]
(51) 2010/08/08(Sun) 15時半頃
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…喰らいたい、か?
[今見つかればどうなるかなど、分かりきってはいても。 餓えは耐え切れぬと己も知っている。]
(*7) 2010/08/08(Sun) 15時半頃
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……俺の所属するのは殲滅部隊。 その俺が送り込まれたのだ。
[対として付けられた、去勢された獣。 それが示すセンター側の意図は、 去勢された獣の思いと一致していたのかもしれない
が。届かない、届かない。 思いは口にするだけでは届かない]
悠長なことをして既に4人の犠牲。 手を拱けば屋敷のものに獣が種を散らすやもしれん なれば……己の本分を遂げるまで
……名を名乗れ。屋敷のものなら容赦はする
[掠れた声では記憶を手繰れず、青年は嗤う]
(52) 2010/08/08(Sun) 15時半頃
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あちらで何かあったのでしょうか。 何やら不穏な声が……。
このような陽の高い時間から……なぜ。
[思い至るのは、刀舞を得手とする狂花の姿。 いつぞやの鍔競り合うかのような、琵琶と剣舞を思い出し、 警戒するように本邸の方へ、紅石榴を走らせて]
……行ってしまわれますか?
[本邸から戻る紅石榴は、縋る色を滲ませると主を見上げた]
(53) 2010/08/08(Sun) 15時半頃
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手妻師 華月斎は、メモを貼った。
2010/08/08(Sun) 15時半頃
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[―――眉を寄せた。 法泉に、頑固だなどと思われているなど知らず。]
――――己を殺したのはにんげんで、 ――――切っ掛けを作ったのは獣の病の罹患者だ
獣はひとのように悼み ひとが獣のように屠る
…何を憎めばいい
[衣をきつく握る。 常世へ落ちて後、いまだ鵠は膝を折ったまま動けない。]
己は、何を
(+13) 2010/08/08(Sun) 15時半頃
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…。 センター飼いの花が。
[とんでもないことをしてくれた。 獣ではない、人による人殺し]
喰らう前に、気が狂いそうだ。
(*8) 2010/08/08(Sun) 15時半頃
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[ぶつける場所に惑い、 痛みは堂々巡りで渦を巻く。 責めは何もできず散った自分自身へ向きもする]
――――…は…、
[俯いた。 ―――りん、と小さく鈴が鳴った。]
(+14) 2010/08/08(Sun) 16時頃
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……夜光……
[目覚めたばかりで未だぼやける視界と頭、それでも呟く花の名。 しかし視界の曇りが晴れても傍へ居てくれると言った花の姿は見えない]
………っ…… ……気のせいだ。何も起こってない……落ち着け……
[動かぬ体に苛立つ。気を失ってから一体どれほど眠っていたのだろう]
(54) 2010/08/08(Sun) 16時頃
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…いや、今暫く。 [ここで騒ぎを起こすのはマズい。そう思うて、怯える子を腕の中へ。]
(55) 2010/08/08(Sun) 16時頃
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―納屋― [2度目は、もう見てはいられず、 ただただ友を同じ目に遭わせたことが悔やまれてならない。 消え入るような黄泉花は、戸口で俯いたまま]
――……気の触れた、と そのように思われますゆえ。
[問いかける言葉には、一言返す、 己が身はその場の者には、見えぬやもしれぬから。 人目がなければ、ぽそりと口を開く]
――……わかりません。 夜光がイアン殿に会う理由、はないと思うのですが……
[友の怯えを知っていたら、きっぱりを否定出来ただろうが。それは隠されていたから。]
(@0) 2010/08/08(Sun) 16時頃
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…もう、送ってやるよりほか…ないのだろうか。
[旧く、共に競った友故に…。 言葉に滲むものは伝わってしまうか。]
(*9) 2010/08/08(Sun) 16時頃
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でもイアン殿が、夜光を呼び出した……と?
ならば、これは……でも、 センターの方が人喰らう獣などということは、あるのですか?
[見上げるそれは、主の出生を知らず。 その花の狂乱もまた知らず。
そしてついと透ける指先で示す。夜の光なすあの笛を――、と。 己が手には触れられず、形見は生者が持つものなれば。 彼が望むもとに届けたくて――けれど友の声は、聞こえず]
(@1) 2010/08/08(Sun) 16時頃
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殲滅───それが、人のやり方なのか!
[声を荒げないわけにはいかない。 人であるのなら。己たちとは違う、人ならば。 そう思ってもいたのに。いや、人だからこそ。 恐れ、憎しみ、我を忘れるというのか。 小さく息を吐き出すことしかできなかった。 きっと、包帯を巻かれたあの両の指も傷だらけなのだろう。 己が最後に見たときよりも数が増えている]
あおい。
[酔芙蓉の美しく咲いた日に生まれたので、花の科からあおいとつけられた。 芙蓉とは、蓮の美しい様を指す]
────本郷 碧。
[本郷に咲く蓮のようにまっすぐ空を目指せるように。 父が告げた言葉を思い出しながら、短剣の鞘をはらう]
(56) 2010/08/08(Sun) 16時頃
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恨む必要も嫌う是非もない。
人も獣もただ生きて死すのみ。
誰が大事であるのか。 必要なものは何か。
それだけわかっておればよいように思います。
[静かに口にして。花に身を寄せた]
(+15) 2010/08/08(Sun) 16時頃
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ありがとうございます……。
[本音を謂えば、怖かったから。 その言葉に、大きく息を吐く。
かたかたと小さく震える指が、主の着物を掴んで。 今暫くはその腕の中、小鳥の様に*震えるばかり*]
(57) 2010/08/08(Sun) 16時頃
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…どうしてもそれ以外に、手立てがないのなら。
[声は、震える。 何故かはわからないけれど、泣きたい気持ちでいっぱいだった。 できるなら、己の命を代償にしてでも、 こちら側へと呼びもどしてやりたいと男は願うけれど]
(*10) 2010/08/08(Sun) 16時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2010/08/08(Sun) 16時頃
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けれど でも
いとしいと 思う先もまた 人間
[促され、囁き返す]
……似ていたのかどうかは知らぬけれど 己に無いものを欲しいと 寂しくて 淋しくて 手に入らぬなら、壊してしまえと 狂ったのは、どちら
(+16) 2010/08/08(Sun) 16時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2010/08/08(Sun) 16時頃
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誰が駒鳥 殺したか それは 噂
真実は誇張され 嘘が混じる
けれど 憎みたいなら
(+17) 2010/08/08(Sun) 16時頃
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戯言よ!! 獣に相対するに獣にまで成れねば 人の姿の獣なぞ切り捨てられるものか!!
[獣たれ、獣たれ、獣たれ。獣より、獣たれ。]
[口にしただけでは思いは届かない。 口にしなければなおのこと届かない。 青年の根源的願いは届かない
青年は名を聞き嗤い、太刀を上段に構えて それは、どの舞台の武舞よりも美しく凄惨な舞] ………本郷殿か。おぬしに恨みはない。が お命、頂戴する
[初めて耳にした下の名前。己とは違う 闇夜色の瞳…思い出し、その思いをかき消し 一刀の元に切り捨てようと踏み込みきりつける]
(58) 2010/08/08(Sun) 16時頃
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