7 百合心中
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[イリスが、居ない。 人が次々と死んでいく。 私の行く所、行く所で、次々と。]
あは
[刀で男性と女性の髪を少しずつ、切り落とす。 それを女性の髪ゴムで、きつく結わいた。]
……は、ははは
[自嘲的な笑いが零れてしまう。 私に出来る事、あるじゃないか。]
(266) 2010/03/27(Sat) 01時半頃
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牧人 リンダは、纏めた男女の髪を握りくつくつと笑う。
2010/03/27(Sat) 01時半頃
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[きっとみんな、死んでしまう。 誰も助からない。
私の手には血だらけの刀。 まるで人の命を奪えと言う様な煌き。 ならば必要な人に『死』を齎す存在になろう。
壊れていく世界で、 少しでも『優しい死』を齎す存在(タナトス)に―――。]
……ふ ふ ふふ
[私の好きだった桜ヶ丘が死の華で埋まるその瞬間まで。]
―― 回想・了 ――
(267) 2010/03/27(Sat) 01時半頃
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―― 現在・商業地区 ――
――、動かないで。
[ビルを出て、隠れながら歩き 最初に目にしたのは一人の女性の姿。 そっと背後から忍びよると、切っ先と言葉を向ける。]
そのまま、両手を挙げて。
[>>269 何やらガリガリと音を立てて居たが、 彼女が手にする鞄の中に凶器が無いとも限らない。 危険を少しでも回避できるのなら、 鞄ごと奪って逃げる算段。]
(272) 2010/03/27(Sat) 01時半頃
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牧人 リンダは、水商売 ローズマリーにも切っ先が見えるように彼女の左頬あたりまで切っ先を近づけた。
2010/03/27(Sat) 02時頃
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[相手の動揺が手に取る様に解る。 かちりと音を立てて、刃の方を彼女の視界へチラつかせた。 上から下まで武器を所持していそうな処を見遣りながら]
……それはこっちの台詞。 武器を持ってたら全部捨てて。
鞄も、置いて。 こっちは絶対に、見ないで。
[一方的な要求をつきつけ] ……名前は?
[最後に、問う]
(276) 2010/03/27(Sat) 02時頃
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…
[こんな世界になってしまったというのに 『手当て』なんていう言葉が人から零れるなんて 思いもしていなかったから。 沈黙を経て]
解った。 ………信じる。
[と言いつつも、刀を引く事はしない。 荷物を取らないというだけで、 相手がまだ本当の事を言っているとは限らないから。]
……え?
[けれど、泣きそうな声が紡いだ名に 素っ頓狂な声が漏れる]
ローズ、マリー?
(282) 2010/03/27(Sat) 02時頃
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牧人 リンダは、水商売 ローズマリーに「ゆっくりこっち、向いて」と要求した。
2010/03/27(Sat) 02時頃
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あ…
[私の名を呼び振り返る姿。 矢張り、そうだった。 『紅はこべ』での、彼女。ローズマリー、だった。 刀をすうっと引いて]
…
[見知りに会えたせいか、 張り詰めた緊張の糸が緩み じわと滲む涙を、手の甲で、ぐし、と拭い頷いた]
(287) 2010/03/27(Sat) 02時半頃
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……え
[近づこうとするローズマリーの身体を そっと抱きしめようと手を伸ばすも 『イリス』と聞けば手は止まり、眸を見開いて]
イリス?! 何処!
……教えて!!
[声をあげた処で、着信音。 ローズマリー同様、びく、と震えた。]
(292) 2010/03/27(Sat) 02時半頃
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何処かって… そんな
[イリスに会える――。 その希望をローズマリーに求めたせいで 言葉を聞いて、愕然とした。 彼女は一切、悪くはないのに。]
[けれど]
[声がして ローズマリーが名を呼んで 振り向いた先に
イリスが私の名前を呼んで呉れて 只、元気で 其処に存在して]
(297) 2010/03/27(Sat) 03時頃
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………イリス!!
[ふら ふらり
縺れる足取りでイリスへと走り出し 傍へ寄ったなら、きつく。 きつく、抱きしめる。]
(298) 2010/03/27(Sat) 03時頃
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牧人 リンダは、『ごめんね、一人にして、ごめんね、寂しくさせてごめんね』と何度も繰り返す。
2010/03/27(Sat) 03時頃
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[身体の痛みも、 此処までの徒労も 世界の終わりすらどうでも良いと思えた 只、イリスに会えた]
ううん、イリスは悪くないの。 ……悪いのは私だから。
私、だから。
[その温もりだけで私は、嬉しくて、嬉しくて。 顔をくしゃくしゃにしながら 自分でも恥ずかしくなる位に、涙が零れてしまう。]
(304) 2010/03/27(Sat) 03時頃
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牧人 リンダは、受付 アイリスの『生きて』という言葉に応えるように髪をそっと撫ぜた。
2010/03/27(Sat) 03時頃
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ローズマリー…。 ありがと、ね。
[良かった、と零す彼女へ顔を向けて ふんわりと微笑んだ 本当にしてもしたりない感謝が溢れるほどに。]
(306) 2010/03/27(Sat) 03時半頃
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[涙を拭われると少しだけ恥ずかしかった こそばゆくて、けれど暖かくて。]
ふふ…
[背伸びをするイリス。 ゲームセンターでの事を、思い出す。 自然と笑みが零れて]
ん。
[イリスの髪を手でそっと寄せると 眸を閉じて、優しい口接けを。]
(309) 2010/03/27(Sat) 03時半頃
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そう。 ……後で、お礼、云わなきゃね。
[微笑して、思いを馳せる。 イリスも、協力して呉れた人達も。 此処まで相当に大変な目にあっているだろう、と。]
何、云ってるの。 お互い様だよ……
[頭を抱かれれば囁いて そっとイリスの涙を、人差し指で拭う]
イリスが無事で、本当に良かった。
[もう絶対に、離さない――。 言葉よりも手をきつく握る事で意志を伝えようと きつくきつく、きつく、握る。]
(314) 2010/03/27(Sat) 03時半頃
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ありがと…
[ローズマリーから傷薬を受け取ると、 はにかみながらそう告げて。 けれど彼女が何処か辛そうに見えて]
……気をつけて、ね
[去り行く彼女にそう言葉を掛けるしか出来なくて。 その理由を探そうとするような視線で ローズマリーを見送った。]
(316) 2010/03/27(Sat) 03時半頃
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もう…。
[口接けられた顎をそっと手で押さえて 困ったように笑う]
うん…… 怖かった。 イリスが、ね ……死んじゃったと、思ったら 怖くて…
[恥ずかしそうに、 地に落としたままの衣服へ視線を遣った イリスが着ているものと同じ、其れ。]
(319) 2010/03/27(Sat) 04時頃
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[手が紅いのに気付けば]
此処だと危ないから。 こっち。
[何処か、と手を引いて此の場を離れていく]
(320) 2010/03/27(Sat) 04時頃
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? ……なあに?
[道中、 いいあぐねるイリスへ首を傾ぎ、眸を向ける]
(323) 2010/03/27(Sat) 04時頃
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…
[開いた眸はまんまるに。 直後、くすくすと笑い出し]
開いてなかったら?
[撫ぜられた薬指に、視線を移す]
(325) 2010/03/27(Sat) 04時頃
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そう。
[届けも指輪も何も無い 市役所もきっと、もう――。 それなら]
眸、閉じて?
[『眠りの森』の前。 鬱蒼と茂る木々に見下ろされ、二人は立ち止まる]
(327) 2010/03/27(Sat) 04時頃
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…
[イリスが眸を閉じる 刀で自分の髪を数本、切った 捻り、イリスの左手を掴むと]
ずうっと、一緒。 此れは、私の欠片。
[薬指に、巻きつけた。 私にしか贈れない、私からの、ユビワ。 抱き寄せて、口接ける。]
―――。
[さぁ、と風が吹いた。]
(330) 2010/03/27(Sat) 04時半頃
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[長くは持たない事に気付いたから。 だからこそ売り物よりも確かな思いを結びたかった。 云われるままにイリスの髪を数本手に取り 刀で、ざり、と切り落とす]
御願い。
[そして髪をイリスの手に握らせると 左手の薬指を出して 眸を、そっと閉じる――。]
(333) 2010/03/27(Sat) 04時半頃
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ん。
[口接け――。 そのまま二人で溶けてしまいたいほどの、時間。 イリスの言葉は左手の薬指に絡まって きっともう、永遠に解けない。]
私も、だよ。 ……ねぇ、イリス。
[イリスに、微笑して呼びかける]
(335) 2010/03/27(Sat) 04時半頃
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私と。
[そんな事を口に出来たのは。 もう心の中で、決意が出来ていたから。]
私と、結婚してください。
[だから私は。 一番最初に、一番大事な人を、幸せにしたかった。 聞く人が聞けば『ままごと』と笑うかもしれない。 けれど。
永遠に続く『ままごと』なら それはきっと、『ままごと』なんかじゃないから。]
(337) 2010/03/27(Sat) 05時頃
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ずうっと、一緒だよ。 離しちゃ、ヤだからね。
[二人、眠れる森へ――。 巡り巡っても、貴女と逢えますように。 はぐれないように、手を確りと繋いで――*]
(339) 2010/03/27(Sat) 05時頃
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牧人 リンダは、メモを貼った。
2010/03/27(Sat) 05時頃
牧人 リンダは、メモを貼った。
2010/03/27(Sat) 12時半頃
牧人 リンダは、メモを貼った。
2010/03/27(Sat) 14時頃
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―― 商業地帯・喫茶『眠れる森』 ――
……、――っ
[長いキスは私から呼吸と時間を奪い 代わりに温もりと愛おしさを与えた。
つないだ手は離さない。 口接けている間も、交わす言葉のように。
刀は傍のテーブルへ。 薬指には永遠の証。]
(376) 2010/03/27(Sat) 14時半頃
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牧人 リンダは、受付 アイリスを潤んだ眸で見つめる。
2010/03/27(Sat) 14時半頃
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[零れ落ちていく砂を止める手段は無かった。 全てをこのまま飲み込んで 二人だけに溶けてしまえれば良いのに。]
……イリス。
[潤む眸が名を呼んだ。 愛おしい唇を見つめ、 泣きそうな頬を、そっと撫ぜた]
悲しいの?
[そんな顔を見ていると 私まで悲しくなってしまう]
(378) 2010/03/27(Sat) 14時半頃
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牧人 リンダは、つないだ左手は決して離さずに。
2010/03/27(Sat) 14時半頃
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[馨―――。 リディと同じ、優しい馨。 潤む眸が、揺れた。 言葉を失って、ゆら、ゆらり。]
私は―――、
[私は。]
……
[叶うならば、イリスと共に。 貴女と共に、笑顔に満ちた世界を生きたかった。 二人、出会えた桜ヶ丘で。]
(384) 2010/03/27(Sat) 15時頃
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………莫迦。 一緒だって、云ったじゃない。
[首に絡む腕へ返すように 腰へ手を回し、抱きしめる。 強く、強く、離れないように。 『私』は貴女の薬指に。 絡めたその瞬間に、既に死していたのだから。]
(385) 2010/03/27(Sat) 15時頃
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……
[顔を伏せた。 こんな時、何故、笑みが浮かぶんだろう。 涙が溢れるのに、何故、笑えるんだろう。]
イリスは、
[彼女は何を考え、 何を感じ、 どうして、そう望むんだろう。 考えれば途方も無く、やるせ無くて]
意地悪だよ……
[涙声で、そう呟くだけで精一杯で。 "私の為に死んで"―――。 そう望まれるならどれだけ楽だったろう。]
(387) 2010/03/27(Sat) 15時頃
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[俯いたまま右手へ視線を移す そっと身体を離した
きっとイリスはもう―――。 無かった事のように白に溶けてしまう。]
……
[願い、に返せる言葉は無かった。 只、そっと右手を彼女の首へ掛ける。 刀は使わない。 ……傷つけたく無かったから。]
私の御願い、聞いて呉れる?
[少しずつ、力を篭めて 私の力なんてたかが知れて居る。 右手だけでは足りないから、彼女を壁際へ ゆっくりゆっくり、押しやった。]
(390) 2010/03/27(Sat) 15時頃
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