25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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[僧形のにこやかな様子に、 一度 ふ、と肩の力が抜けたのだけれど、 言葉と共に視線が向けば名を名乗らねば、と気が急いて]
――…あ、 私、名は明之進と申します。
[蓮の佳人へも、名乗りの一つもしていなかった、 その非礼を詫びるように、小さく頭を下げる]
(@23) 2010/08/01(Sun) 17時半頃
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呉服問屋 藤之助は、―――茶を求め、湯湯の前から歩き始める*
2010/08/01(Sun) 17時半頃
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[>>272 小さく笑って思わず庭木を探したのだけれど、 後半の言葉には少しばかり表情の曇る。弾き手をさしてのことだろう、と]
鼓は己の裡にもありますれば。 ……その響きも、また、見てくださる方に届くようにと、舞いまする。
[好きなものを語るのは、嬉しくて。 語りすぎてしまう嫌いはあるが、笑み崩れるのは止められず。
そして屋敷の四季の鮮やかなる様子を聞く、 冬の椿には小さく小さく感嘆の声をあげ。
交わされる花主2人の会話の中に名が過ぎれば]
ああ、やはり本郷様……
[舞手なれば一度は憧れる蓮の舞殿、 稀代の舞手の主を前に舞を語ったことのおこがましさに、少しばかり身を縮めた]
(@24) 2010/08/01(Sun) 17時半頃
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[自分の名前を確認する言葉に頷く。 まだ、蓮の移り香は残ったままだ。 動けばその分香りもまた揺れる]
少なくとも、死後は世話になるだろうさ。 …花祭など、ただの騒ぎだ。 興味がある者にとってはそれこそ祭りだし、私も───それほど。
まあ、総じて花主は値踏みするような視線を向けるし 花は総じてこちらの機嫌を伺うことが多いな。 買われることが、彼等のまず第一の仕事だろうし。
[そういって、白拍子へ視線を向ける。 彼は既にその身を買われているのだろうか。 あくまで素朴な疑問だった]
(275) 2010/08/01(Sun) 17時半頃
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なるほど。 お前は面白い事を言う。
[花の盛りに曇る表情をどうにかしたいと思ったわけではない。 それが事実だと知っている。過去には枯れゆく花を傍に置いた身なれば。 身の裡の鼓、と聞いてまず浮かんだのは心臓だった。 確かに、拍を取り、打ち続けるもの]
私が、何だ。
[自分の名を確かめて縮こまる姿に呆れたような顔をした。 誰が、今は噂の舞殿もただの昼寝場所になっていると知るのだろう。 水辺は涼しく、蓮の香りは薄甘い。夏の昼根には、丁度良かった]
(276) 2010/08/01(Sun) 17時半頃
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私が先か、貴方が先かまでは、わかりませんがね。
[世話になる、という言葉に苦笑して。鼻を掠める香りにその匂いはどこからかと、碧の手元から全体を移り見る]
騒ぎか。確かにそのようです。 花主や花に限らず、人とはそういうものですよ。
私らにはいくつもの戒律がありますが、それを守るものは少ない。 私もその一人ではありますがね。 とはいえ、私もあまり、媚びた視線は好きではないな。 芸をみて気に入られたいのであれば、そのようなものは不要。
機嫌を損ねたくないという気持ちは、わからなくもありませんが。
明之進、良い名だ。
[頭を下げる明之進へとふわりと笑みを見せる]
(277) 2010/08/01(Sun) 17時半頃
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/* これくらい時間に余裕があるといいのだけども。
明日からは無理だのう というかエピもかぶってるしのう
もうだめだ。古臭いしゃべりできねぇ!
(-66) 2010/08/01(Sun) 18時頃
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人の命の長さなど……誰も、知らんさ。
[少しだけ言葉尻が濁る。 けれどそれもほんの少し、乾の向ける視線に首を傾げた]
来たからには踊らなければ損なのかも知れないが その辺りの裁量は個人の範疇であろうよ。 媚を受けて掌で躍らせるもよし、つれぬ衣に泣き濡らすもよし。 芸がまず第一だとあれば、それを披露させるが良し。
[花主の指先加減一つ。飼う、飼わないもまた同じもの。 明乃進と名乗るその声を聞いて、先程の花の名を知らないと今気がついた。 特段気にする気はないのか、口にはしないが]
(278) 2010/08/01(Sun) 18時頃
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あ、ええ、本当に、 私も見分けがつかなくて……
[>>274 向けられた視線に、同意の言葉が先に出る。 共感に昂揚してしまえば、つい安堵から口が軽くなる]
あの……本郷様も、実は花か花主か、一体どちらなのだろう、と 少しばかり迷っていたりもして……
[>>275 続いた眼差しに、すみませんと慌てた風に謝って、 そしてしばし言葉を反芻する、過ぎる疑問は知らねども―― 花主の視線、それは再び鈍い痛みを甦らせた]
……ああ、私は…… はぐれた花主様を探して ……
[ふ、と虚ろにかげる眼差しで、小さく呟く]
(@25) 2010/08/01(Sun) 18時頃
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……おもしろい、
[>>277 また妙な行動を取ってしまったか、と裡に沈みつつ。 今回は確かに恥じ入るべき自覚はあったので、小さくため息を落として]
いえ、その蓮の舞殿の主を前に…… 舞を語るのが恥ずかしいとか、その……ええっと [呆れ顔にはおろおろと言葉に詰まる、結果]
そこで舞えたら素敵だろうなあ、って思っただけです。 身の程知らずですみません……!
[蓮の舞殿、それが昼寝に適する場所など思いも寄らず、 ただ夢のような美しさを思い描いて、最初に思うのはやはりそれだったのだ。 少し赤らんだ気がする頬を小袖を隠して]
(@26) 2010/08/01(Sun) 18時頃
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―本邸・ホール―
さて、散歩でもするかね。
[使用人から、後半は和やかな目で見られているとも知らず、男は茶碗を置くと立ち上がる。]
ええと、花祭だからな。一応花は見といたほうがいいだろう。
[まだここにきて会ったのは盲目らしい者と噂のロビンだけだった。 男はそこまで頻繁に花祭には参加しないが、なにせ目立つ。また研師としての仕事相手の花主もいるかもしれないと思った。]
大体今回の花祭はどれくらいの花がくるのかも知らんがな。 ああそうか。まんまるに訊けばいいのか。
[ついでにまんまるにも挨拶しようと思った。先に愛児(刀)に会いにいったことも報告し、翳り研ぎなおしの仕事ももらえるといい。]
→ホールから出ようと
(279) 2010/08/01(Sun) 18時頃
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[>>277 名を褒められれば小さく笑みを返すのだけれど、 僧籍のその姿、実在なき身はどこか落ち着かなげになる]
乾様……
案内など出来ればよいのでしょうか、 あいにく私も、不慣れな身の上でありまして…… 申し訳ありません。
……逸れた、主様を探しに参りたいと……
[ゆるり、と頭を下げれば辞すことを願いでて。 ゆらぐ少年の人型は、遠く庭先を見やる]
(@27) 2010/08/01(Sun) 18時頃
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始末屋 ズリエルは、廊下をどしどしと歩く。そして、庭を見遣った。
2010/08/01(Sun) 18時頃
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来たからには、まあ、そのつもりではありますがね。 花を見るのはそれなりに楽しみにしていたのです。
父からは話だけしか聞いておりませんでしたので。 一度聞かせてもらった笛の音は、きれいとは思うがそれ以上も以下もなく。
視界から受けるものであれば多少は理解も出来ましょうし。
[音に興味はあまりないのだと口にする。 もっとも、それすらも超えるほど美しい音を聞いたのなら、とは思うが、それほどの期待をしているわけでもない。
舞を語る明之進の様子にまた一つ興味深く目を細めた]
白拍子の舞か。 一度拝見してみたいものですね。 後で、見せていただけるのでしょう?
(280) 2010/08/01(Sun) 18時頃
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[それより一度目を離せば、 霞のようにその存在は見失われるだろう**]
(@28) 2010/08/01(Sun) 18時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2010/08/01(Sun) 18時頃
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案内など、いりません。 主を探しに?
ではもう、明之進には主がおられるのか。それは、少し残念だな。
[辞す様子に、引き止めることはない]
探しているのなら、おいきなさい。 逸れたのならば、向こうも探しているのかもしれませんから。
(281) 2010/08/01(Sun) 18時頃
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[廊下に響く足音にその音がする方向を見やる。 ずいぶんと騒がしい音だとため息をついた]
様々な方が、いるのですね。
ああ、明之進、舞は――。
[もう一度去ったほうへ視線を向けて、けれども消えた姿に一度首を傾けた]
さて。どこに行かれたのか。
(282) 2010/08/01(Sun) 18時半頃
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私が?
[花か主か。 どう考えてもこんな横柄な態度の花など要るものか、という自負はある。 言われ過ぎていて、慣れているというのもあるのだけれど]
ああ、面白いな。
[その発想は自分になかった発想だ。だからこそ面白いとおもうのだが]
舞殿?…あの場所は
[今は自分以外人を入れていない場所だ。 昼寝をするに最適だからである。
それに]
(283) 2010/08/01(Sun) 18時半頃
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―庭が見える廊下―
[そこに幾人かの姿が見えた。 そのうちの花らしき少年の姿に、見覚えを感じつつも…。
いや、つるっぱげの姿も見覚えあるのだが、ない気もする。
もう一人のアオザイをきた男も同様だった。]
あれは、明ではなかったか?
[かつての花祭で、友人の花だった少年に似ている。 そう考え、ふと目を伏せ、考え込んだあと、また見ると、もうその姿はなかった。>>@28]
ん?見間違えか?
[目をごしごしこする。]
(284) 2010/08/01(Sun) 18時半頃
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……。
今更、こだわり続けても何もならないだろうに。
(-67) 2010/08/01(Sun) 18時半頃
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…機会があれば、主と共に来るがいい。 舞殿(あそこ)も、使われなくなって久しい。
[使うものがいれば、と思って口にしかけた言葉は あっという間にいなくなってしまった姿に驚きを一つ]
…随分と、逃げ足の速い。
[まるで陽炎のようだと、思った]
(285) 2010/08/01(Sun) 18時半頃
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舞うのなら身は軽いのでしょう。 ですが、掻き消えた様にも見える。 花とは、そのようなことも出来るのでしょうかね。
[疑問には思うが、現実感には乏しい場所のこと、それほど心には残らない。 現れた男へと会釈をして]
明? 確かに、仮の名は明之進だとお聞きいたしましたが。 逸れた主を探しているとか。
[明らかに。 花ではないと思った]
(286) 2010/08/01(Sun) 18時半頃
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/* きれいなものがすきです
(-68) 2010/08/01(Sun) 18時半頃
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ああ、御坊の花か。 笛の名手だと父から聞いている。
[音だけ、ということは彼の父はその姿を 息子に見せることはなかったのだろう]
音の妙。舞の妙。心の琴線に触れるものはそれぞれ違う。 それ以外の芸で身を立てるものもある。
[大きな足音に視線がそちらをねめつける。 そこにいた大男を見て首を傾げた。 どう見ても花だとは思えないので、花主だろう。 もう一つ付け足すなら、一度見たらそうそう忘れそうにない 印象に濃い顔だが、初めて見るように思う。 もしかしたら、父の関係で遠巻きに見たことはあるやも知れぬ]
(287) 2010/08/01(Sun) 18時半頃
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[しかし、見直してもそこにいるのは、つるっぱげとアオザイの男のみだった。]
ふむ…俺も耄碌してきたか。
[そんなことをいって、ひきつった笑いを零す。]
(288) 2010/08/01(Sun) 18時半頃
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なるほど。 足音なく去ることなど造作もないというわけか。
[舞に関しては其れなりの目を持っているつもりだ。 乾の言葉に異論がないので、首を縦に振った]
(289) 2010/08/01(Sun) 18時半頃
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>>286>>287
[だが、つるっぱげがその少年のことを漏らし、微かに目を見開く。]
なに?やはりあれは明か。 ああ、すまぬ。挨拶をしておらんかった。
主は見覚えがあるが、俺は物覚えが悪くてな。 刷衛と申す。
[そして、アオザイの男のほうも見た。 そう、実はいずれの父とも仕事を為したことがあるのだ。名を聞けばそのこと気がつくだろう。]
(290) 2010/08/01(Sun) 18時半頃
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笛の。
[そういえば、と思い出す。 今の花を身請けしたときにはずいぶんと自慢話を耳にしたと。 流して聞いたのであまり覚えてはいなかったが]
私が耳にしたのは花の住まう屋敷の外でのこと。 聴かせるための笛の音ならば、私の心にも届いたのかもしれませんが。
どちらにしても興味がないことに変わりはない。
[笛よりもまだ弦の方が、さらには鼓の方が。耳には馴染む]
(291) 2010/08/01(Sun) 18時半頃
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刷衛? ……ああ、なるほど。
[以前、父が求めた一振りの作り手ではなかったか。 己は興味がなかったので顔を見せることはなかったが、 食事で顔を合わせた時に何やら言っていたような覚えもある]
本郷碧、と言う。
[それ以上もそれ以下もない、単純な挨拶が一つ]
(292) 2010/08/01(Sun) 18時半頃
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私は乾法泉と。 私には覚えがないので、父ではないのでしょうか。
あまり好ましくは思いませんが、似ているようですので。
[刷衛の言葉に一度考えるように口元に手を当てた]
こちらでか、それとも本職のほうかはわかりませぬが、顔が広いのは承知しております。 僧というものは、いずこでも現れるものですから。
[それでも名には引っかかるものがある。それがどこであったのかまでは思い出せない。 もしも会っていれば忘れることは出来ぬであろうから、きっと会ってはいないのだろう]
(293) 2010/08/01(Sun) 18時半頃
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…花の為に邸? 随分気合いを入れて愛でられているのだな、御坊も。
[流石にそこまでは己も知りはしない。 外に囲うと言う感覚も良く解らなかったので ただ首を傾げるにとどまったにすぎない]
そう考えるのであれば、何れ引きあう者もあるだろうよ。
[運命論者ではないが、自然と零れる]
(294) 2010/08/01(Sun) 18時半頃
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>>292>>294
[それぞれの名を聞けば合点がいった顔をした。]
本郷さんに乾さんか。 では、花主であるな。
まぁ、よろしく。 といっても、芸や花のことなど、深くはわからぬ無粋者だ。 みてくれもこれだしな。
[彼らの父と面識ある件は言わずともわかっただろう。]
(295) 2010/08/01(Sun) 19時頃
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