18 'Cause I miss you. 〜未来からの贈り物〜
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………便利なんだね。これ。生憎と誰かさんみたく人でなしじゃないから気付かなかった。
[震える“声”を隠すように、ごまかすように軽口を叩く。
意識を集中させてみれば確かに“声”の居所は知れた。
はぅ、と胸中で溜息を吐いて。家へ帰る前、“声”を辿ってドナルドの元へと行くのだろう。]
(*1) 2010/07/01(Thu) 01時頃
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…?どう、したの?…うん、大丈夫。アイリスも、ね?
[アイリスに名前を呼ばれて首を傾げるも。なんでもないといわれれば敢えて言及するでもなく。
やがて集会所の扉をくぐると、ぐるりと部屋を一瞥する。]
……あれ、ヘクターも、いないの?
[タバサたちは帰ってきていると言うのに、ヘクターの姿が見えなくて。ドナルドと同じようにどこかへいってしまったのかと、少し、心配になって。部屋にいるとは知らずに、思わずそう口にした。]
(4) 2010/07/01(Thu) 01時頃
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と、あ、いたんだ。びっくりした。
[そう呟いたのと同じくらいだっただろうか。階段を下りてくるヘクター>>5に気がつくとほっと息を吐いた。
問いには肩を竦めてアイリスの方に視線をやった。自身は何も見つけてないけれど、アイリスたちは何か発見した風ではあったから]
(7) 2010/07/01(Thu) 01時半頃
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………っ。
[“声”が届くから。届いてしまうから。
自分が、“人”でないことは、わかっては、いるけれど。認めたくは、なくて。 何か返すでもなく、ただ唇を噛んだ。]
……なに。
[届いた笑い。悔しさからか涙が出そうになったけれど、堪えて。堪えて。短く、問う。]
(*3) 2010/07/01(Thu) 01時半頃
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[“声”>>*4に答える気がなさそうなのを感じ取ると溜息をつく。]
………どこでも、
[嫌悪感を隠すでもなく“声”にしっかりと表して]
い や。
[きっぱりと伝えた。]
(*5) 2010/07/01(Thu) 01時半頃
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踊り手 フランシスカは、若者 テッドに声をかけるもきっと届かなかったのだろう**
2010/07/01(Thu) 01時半頃
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[小さな小さな兄妹。
楽しそうに笑って。言葉を交わして。
でも。
突然、紅く、紅く、染まる。
――いやだ、いやだ、おにいちゃん!
響く声。届くことはなくて――]
(*13) 2010/07/02(Fri) 16時半頃
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[がばり、身体を起こす。
一瞬、どこにいるのかわからなかったけれど、視線を動かせば目に入るのは見慣れた家族の集合絵。
ふらふらとベッドから降りてすがるように絵に触れる。つーと一筋頬を涙が伝う。]
………朝から、なんなのよ…。
[その呟きは、何に対してだったか。 朝というにはいつもより遅い時間。
家にこもっていたい気分ではあったけれど、そうもいかない。 とりあえず顔でも洗ってこようと絵を元の位置に置いた時、玄関から物音がしたかもしれない。]
(170) 2010/07/02(Fri) 16時半頃
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[夢を遮ったのは、届いた“声”>>*11だった。 その“声”に否応なしに思い出させられたのは、昨夜のこと――
集会所を出て、思い足取りでサイモンの家へと向かった。
そこには既にドナルドの姿はなく。 あったのは、“サイモンだったモノ”だけ。
「――うっ……」
むせ返るような、紅のにおい。 思わず口を押さえる。
懐かしい、におい。紅い世界が交差する。
「にい、さん……」
その場に膝をついて咳き込む。 浮かび上がる紅い記憶。]
(*14) 2010/07/02(Fri) 17時頃
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[そして。
「い、や……いやだよ、なに、なんなの…」
気付いたのは。
「あた、しは…ちが、う……」
自分の中にある、紅に対する高揚感。
「いや……いやああああああああああああああああ」
あげた声はきっと誰にも聞こえなくて。 逃げ出すように、身体を起こすとその場から走り去る。
でも。本当に逃げだしたかったのは。
――自分の中の、“何か”から。]
(*15) 2010/07/02(Fri) 17時頃
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――…朝から何よ。ほっといて。
[“声”に浮かぶ嫌悪感は、果たして、誰に、何に対してか。
それは、少女自身にもわからない。]
(*16) 2010/07/02(Fri) 17時頃
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[絵に触れたまま“声”をきく。 兄は今の自分をどう思うのだろう。]
ダイエットなんてあたしには必要ない。見てわからない?
[そう、軽口で返すけれど。]
――え?
[続いた言葉。あげられた名前。思わず集会所のほうへ視線を動かし素っ頓狂な“声”を。]
(*18) 2010/07/02(Fri) 18時頃
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[絵を眺めているうちに時間は結構経っていたようで。 聞こえてきたノッカーの音にそちらへと足を向ける。]
……姉さん…
[ドアを開けるとそこにはタバサ以外にも誰かいたのだろうか。もしいたとしても、今の彼女には辺りを見回す気力はなく、目の前のタバサにしか気付かなかったか。]
………。
[タバサが眉をひそめるのを見ると、少しだけ部屋の方、絵のある方に視線を向けて。]
(178) 2010/07/02(Fri) 19時頃
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…逃げろって、サイモンは言ってた。
[ぽつりと、小さく。少女は口を開いた。ぼんやりと。ぼぅっと。]
あたし、初めてじゃない。言われたの。兄さんが、兄さんも。言ってた。
[5つ違いの兄。兄が生前どんなことをタバサと話していたのか、今の少女には思い出せないけれど。]
兄さんが、死んだの、あたしの。あたしの、せい。あたしが、抜け出さなきゃ、森、いかなきゃ。兄さんは、兄さんは。
[話しているというよりは、ただただ溢れるままにしているだけのような語り方。 少女の目は、何を見つめているのか。]
(179) 2010/07/02(Fri) 19時頃
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――…人狼に、殺されることも、なかった。
[5歳の時に行った旅行。行きにはあった兄の姿が帰りにはなかったこと。村のみんながどう思ったか、どう親が語ったのか。寝込んでいた少女にはわからない。少なくとも、人狼という言葉は、使ってないだろうけれど。
初めて語った死の理由。 父母がいなくなってからは、少女だけが抱えていた、死の理由。
ぽたり涙がひとしずく。瞳から零れて床を濡らす。]
(180) 2010/07/02(Fri) 19時頃
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[ふと気付けば優しい温もりに抱かれていて。 遠い日、隣にいて優しく歌ってくれていた温もりを思い出した。
――何も変わってない。姉さんの優しさは、何も。
ぼんやりとしたまま、そんなことを思った。 むしろ、変わっていたのは。 変わってしまったのは。]
敵…兄さんの……
[優しい囁き。でもぐさり、何かがささる。
――ああ、そうだとしたら、あたしは。
動けないままに、タバサの腕に抱かれていたけれど。叱咤されればゆらりと支度を始めて。
赤い花が髪に咲く。]
(194) 2010/07/02(Fri) 20時頃
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―集会所― [重い足取りで家を出て集会所へ。]
……みんな、揃って、るんだ。
[サイモン、以外は。]
…処刑……
[物騒な話をぼんやり聞きながら椅子に腰かける。 タバサの言葉>>211に先程の温もりを思い出して。そっと瞳を閉じた。]
……ヘクター?
[ヘクターの言葉>>212が聞こえると目を開けて。彼の顔をじっと見た。]
…姉さん、を。 [白い小石にはちらりと視線を向けただけで再び彼に戻す。 なぜ、タバサをと。少し考える。 浮かんできたのは、ふたり共に帰る姿――]
(224) 2010/07/02(Fri) 21時半頃
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……?
[見極められるというヘクター。 そしてテッド。
“占い師”は普通ひとりだというミッシェル。]
………どういう、こと?
[何が本当で、誰が本物なのか。
それは、わからないけれど。
ヘクターと、そしてタバサに視線をやって。]
………なんか、作ろっか。
[ふたりから視線をそらすように、会話から逃げるように。
キッチンへと足を向けた]
(236) 2010/07/02(Fri) 22時頃
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[キッチンで適当に野菜を調理する。 肉類は使わない。否、今の心境では使えない。
適当にスープとパン、紅茶を用意すると皆の元へ戻り。]
……食べたい人はどうぞ。
[そう言ってちらり視線を向けたのは、いつぞやしょくじにてをつけようとしなかったドナルドだった。]
(248) 2010/07/02(Fri) 22時半頃
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[視線を向けたのと同時、つりあがる口元。]
……あたしは食べない。
[そういって、目をそらそうとした。
けど。]
は、あんた、何を。
[ドナルドの向けた視線の先。
そこにいたのは。]
(*20) 2010/07/02(Fri) 22時半頃
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ちょ、あんたアイリスに何する気。
[思わず腰を浮かしそうになるけれど。
それをしては自分のこと、わかってしまうから。 必死で堪えて。
スープを口にしながら、“声”を飛ばす。]
(*22) 2010/07/02(Fri) 22時半頃
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だ、だって、アイリスは、あたしの
[大切な幼馴染。
浮かぶのは彼女と共に遊んだ日々。]
……それよりも、あんた疑われてるじゃない。いいのそんなに動いて。知らないよ。
[どうにかして、話をそらせないかと。]
(*24) 2010/07/02(Fri) 23時頃
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[目の前で繰り広げられる論争。
スープを黙々と口に運びながらそれらを見やって。
ドナルドの声にびくりと身を震わす。 蹴り飛ばそうとするのを止ようとは、今度はできなかった。]
(268) 2010/07/02(Fri) 23時頃
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獲物だなんて、そんな意味じゃっ
[皮肉られているだけだなんて、気付かずにそう“声”を荒げる。
そして怒鳴る彼の言葉に、身を震わせる。]
(*26) 2010/07/02(Fri) 23時頃
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踊り手 フランシスカは、倒れたテッドを見て、唇をかむ。動けない、何もできない自分が腹立たしかった。
2010/07/02(Fri) 23時半頃
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[倒れたテッドを見ても、“ドナルド”を知っているせいか、動くことができなくて。]
友達よ。あたしの大切な幼馴染だ。それがどうしたっていうの。
[き、っと睨むだけしか、できなくて。 笑っているような雰囲気のするドナルドが、とても腹立たしかった。
でも。 一番腹立たしかったのは、何もできない自分。]
(*28) 2010/07/02(Fri) 23時半頃
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踊り手 フランシスカは、墓荒らし へクターの怒声に再びびくりと身を震わせた。
2010/07/02(Fri) 23時半頃
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な、なによ。
[突如響いた笑い声。
続いた“提案”。
それは、とても。]
――…そ、んな。こと。
(*30) 2010/07/02(Fri) 23時半頃
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[言えない。
言えない。
アイリスの返答が怖かった。
人狼だと、ばれて殺されるのが怖かった。
兄が救ってくれたこの命。絶やすわけには。
ああ、でも。 兄の敵は。
ぎり。唇を噛む。
血の、紅の味がした。]
(*31) 2010/07/02(Fri) 23時半頃
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[低い“声”>>*32にドナルドからアイリスへと視線を動かす。
ずっと、一緒にいたアイリス。
大好きな親友。]
………。
[彼女はどう思うのだろう。
自分が、人狼と同じ存在になってしまったこと。
わからない。わからなかった。
考えたく、なかった。]
(*34) 2010/07/03(Sat) 00時半頃
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[じ、っと椅子に深く腰掛けたまま論争に耳を傾ける。
タバサが立ち上がって、しばらくしてヘクターが追うように足を向けたのには、ちくり胸を痛めて、目をそらした。
そして語りだされたテッドの言葉。]
……どういう、こと?
[同じような言葉しかでてこない自分。 でも、そんなことを考える余裕は、今はなかった。]
て、っど…?
[テッド。テッド。テッド?
――…“テッド”ッテダレ?]
(329) 2010/07/03(Sat) 01時頃
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え、ちょ、だ、れ?だれ、てっど?
[突然消えた“テッドとの記憶”。
混乱して、ただ立ち上がる少年の顔>>331をじっと見つめた。]
え、そ、んな、てっど、が?え?
[そんなはずはない。ない、ない?
わからない。
この人は、だれ?
そう、思っているうちに、少年は。
その場を立ち去っていたか。]
(340) 2010/07/03(Sat) 01時頃
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――…何が、楽しいのよ。
[少年の後姿をぼぅっと眺めていたけれど。
笑う気配にそっと視線を動かす。
“たのしい”“たのしくない”
何度かここで聞いたセリフ。
ふと、なんとなはしに自分はどうだろうと、考えてみる。]
(*36) 2010/07/03(Sat) 01時半頃
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