231 獣ノ國 - under the ground -
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なおす……ね。
[クラリッサの言葉>>9を鸚鵡返しに呟いて、私は地面に目を落とした。口元が少し歪んでしまったかもしれない。 私はどうして自分がこんな風なのか知らない。覚えていないから。 けれど、獣の中には、人間による実験とやらのせいで獣になってしまった人もいるらしい。 自分たちが獣を生み出しておいて、なおす、だなんて。 それは、酷く身勝手な話に思われた。 それに、仮になおされたとして、私はどうなるのだろう。 人間になる? 私たちを管理している、あちら側のものになる? ……そんなこと、別に私は望んでいない]
身勝手だわ。
[自分たちの都合で獣をここに閉じ込めて。 自分たちの都合で獣を人間になおそうだなんて。 確かに私はここから出たい。でも、ここから出ること=人間になること、ではないはずだ]
(14) 2015/07/10(Fri) 09時半頃
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[備品の服を調達するというジリヤ>>0:187と、それをたしなめるクラリッサ>>10を眺めて、私は改めてクラリッサの全身を眺める。 そうだ、私の衣服は背中の上半分が大きく開いているから不向きだと思ったけれど、クラリッサの衣服は別の理由で不向きだろう。 頭からかぶって着るタイプの服は、ジリヤとの相性最悪だ]
そんなことを言っても、ないものは調達するしかないでしょう。 クラリッサの服、ジリヤが着終わるまで無事でいられると思うの?
[クラリッサが濁したであろうことをはっきりと言い放ち、私は大浴場に向かうジリヤについていくことにした。 眠気はすっかりどこかにいってしまっていたし、入浴後にぐっすり眠るのも悪くない]
まあ、わざわざ誰かの神経を逆撫でする備品を選ぶのは、どうかと思うけれど。
[クラリッサのように従順でもなければ、ジリヤのように反抗するわけでもない。 ただ本を読むことを、知識を得ることを邪魔されたくないだけ。 どちらの肩を持つこともなく、私は中立を決め込む。 私は梟ではなく蝙蝠なのかもしれないなんて、いつか読んだ物語がふと頭を過ぎった**]
(15) 2015/07/10(Fri) 10時頃
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[ひみつの声>>*0、が、聞こえてくる]
注射を突き立てられたというのは、“怪我させられた”に入るのかしらね。
[ジリヤを見やって呟くのは、独り言のようなそんな言葉。 背中の傷は……どうだろう。あの女医は遠因とはいえ、凶器となったのはジリヤ自身の髪だ。そのことまでカウントするのはさすがに少し違う気がする]
――――……ああ、でも。 私たちは、日々、あの人間たちに、心に傷を負わされて、いるのかしら。
(*1) 2015/07/10(Fri) 13時半頃
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そうね。
[大浴場へと向かいながら、私は先ほどのジリヤの言葉>>26を反芻する]
なおす、という発想が出るということは、人間の状態が正常で、私たちの状態は異常だと言いたいんだわ。
[そして異常という烙印を押された私はこの“プリムラ”という名の鳥籠に閉じ込められている。 この鳥籠は、私が飛ぶにはあまりにも狭い]
(31) 2015/07/10(Fri) 14時頃
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[トラブルはできるだけ避けたい。大浴場へ向かいながら、私は女医に会わずに済むことを願っていた。 あの女医以外の人間なら、なんとかなると踏んでいる。まさか女性の入浴についてこようとするほどデリカシーのない人間はいないだろう。 獣である私たちを、人とみなしていないのならば、そんな発想が出てくる可能性はゼロではないけれど]
あなたの髪、もう少しどうにかならないかしらね。 筒状の頑丈なケースに収めておく、とか。
[ジリヤの髪を見やりながら、そんなことを呟いてみる。 髪は彼女の個性だけれど、個性で自分自身を傷つけてしまうというのも困りものだ。 私は仰向けで寝られない、とか背もたれのある椅子は横向きにしないと座れない、程度の不便しか感じていないけれど、獣たちは多かれ少なかれそれぞれ不便を抱えている。 人間になりたいとは思わないけれど、もう少し生きやすくなればいいのにとは思う]
(32) 2015/07/10(Fri) 14時半頃
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一人で歩けるの? 痩せ我慢しないで、支えが欲しいなら言うといいわ。
[私は気が利かないから。言われないとわからない。 くらくらするというジリヤ>>*2にそう返しながら、求められない限り自発的に手を貸そうとはしない。 人と関わりを持つのがあまり好きではない私にとって、一緒に大浴場に行くというだけで十分すぎるくらい非日常なのだし]
そこまで決め付けなくても、いいんじゃないかしら。
[続く言葉には少し目を細めた。笑っているように見えなくもないかもしれない]
だって、あの人たち、私たちのことを全然わかっていないのだもの。
[“なおす”という発想が出てくるくらい、わかっていないのだもの]
同じくらい、私たちだって、あの人たちのことわかっていないのだと思うわ。
[特にわかりたいとも思わないけれど。 人間が何を考えているか。そんなことに、私の知識欲は刺激されない]
(*3) 2015/07/10(Fri) 14時半頃
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/* ちなみに床に届くくらい大きな翼というのは、マレ○ィセントの影響です…
(-7) 2015/07/10(Fri) 14時半頃
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ああ、問題は材料ね……。
[ジリヤの言葉>>35に、私は思案する。飛ぶには狭い鳥籠とはいえ、そこそこの広さはある。管理されていない図書室があるくらいには。 だから、探せば材料になりそうなものは調達できそうな気がした。いや、それ以前に、人間に頼めばそれくらいは用意してくれそうなものだけど。 だって、ジリヤの髪で痛い思いをしているのは、なにも本人だけじゃない。ジリヤの憎しみの対象となっている人間たちも、何度も痛い思いをしているはずだから。 けれどきっと、ジリヤの方から人間に頼み事をするなんてことはないのだろう。 ああ、本当にジリヤの言うとおり>>26だ。 道具を与えることの方がずっとたやすいはずなのに。それはせずに、頼んでもいない人間に“なおす”方法を探し続けているなんて]
……手馴れているのね。
[衣服だってそうだ。必要なのに与えないのが悪い。たとえ、ジリヤが私と比べて衣服を駄目にする速度が格段に速かったとしても。 だから私はジリヤを止めない。ロッカーをこじ開ける様子にそんな感想を漏らすだけだ]
(36) 2015/07/10(Fri) 15時半頃
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耐性ができてきているのかしら。 そうして薬が効かなくなったら、あの人、あなたにどうするのかしらね。
[薬の効果が切れてくるのが、随分早い気がする。自分だったら昏倒してしまって当分目が覚めないんじゃないかと思う。 さらに強い薬を投与する? そして、その薬が効かなくなったら、次は? ……よそう。あまり楽しい想像にはなりそうにない]
そうね。別にわかりたいとは思わないわ。 それくら相容れないものなのに、どうしてあの人、私たちを人間にしようと思うのかしら。
[続く言葉に同意して、首を傾げた。 もしも薬が完成して、見た目が人間になったとしても、きっと私は人間ではないと思うのに。 見た目ではなく、心がきっと違うのに]
見た目は“なおす”ことができたとしても。 きっと心までは、変えられないわ。
(*5) 2015/07/10(Fri) 15時半頃
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もう少しおとなしくしていれば、もう少し自由に歩けるでしょうけれど、ね。 あなたの優先順位に口は出さないわ。
[ロッカーを開けることに成功したジリヤがしっかり白衣も拝借する>>39のに肩をすくめた。何が起こっても私は知らない。ジリヤを止めない代わりに加担もしない。開けられたままのロッカーにも手をつけない。クラリッサはたしなめたかもしれないけれど。 私には定期的に衣服が支給されていた。それがどこから来るのかは知らない。もしかしたら、懐中時計と関係があるのかもしれないけれど、そんなことはわからない]
……それでも、戻りたいのね。
[鍵をこじ開ける技術と、スリ。私は外の世界を知らないけれど、ジリヤが苦労したことはなんとなくわかる。 大変だっただろうに、それでも戻りたいと願うその姿は、見たことのない外の世界への期待を私に抱かせた]
(44) 2015/07/10(Fri) 16時頃
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―第一棟・大浴場―
[脱衣所で私は衣服を脱ぎ捨てる。 現れるのは日に焼けることを知らない、やせ細った真っ白な体。大きな翼のせいで、びっくりするほど小さく見える。我ながら、あまりバランスは良くない。 ぴたぴたと足音をさせて足を踏み入れ、ざっとシャワーを浴びた後、浴槽に体を沈めた。 翼は浴槽から出している。私の羽は、水を弾くのだ。 顎の下まで浸かって、私は不健康な私の体を眺める]
ジリヤは……髪洗うの、大変そうね?
[自分の体から目をそらして、なんとなく目をやったのはジリヤの方。 どうしているのだろう、と首を傾げた**]
(45) 2015/07/10(Fri) 16時頃
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[物騒な言葉>>*6に、少し眉が下がった。 そこまでジリヤが手のつけられない危険性を示せば、それこそ殺されてしまいかねない、と思う。 けれど多分、それもジリヤの望むところなのだろう。 ジリヤは、自由に執着しているのであって、生には執着していないように見えたから]
見た目が一緒なら同じになれると考えているのかしら。 だとしたら……随分、御目出度いわよね。
[わからない。それは確かにジリヤの言うとおりで。 わかりたくもない。それもジリヤと同意したことで。 けれど、理解の出来ないその思惑に巻き込まれるのはたまらない、と溜息を吐いた**]
(*7) 2015/07/10(Fri) 16時半頃
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/* ところで先生、恋愛できる気がしませんどうしましょう (なぜこんなキャラにした そして調子に乗って喋りすぎです。 思った以上にこの子人間嫌いみたいで、少なくとも人間とは恋愛できる気がしない… でも獣もおとなしい子多いから、恋愛に発展するかというと、うーん…
恋をして、「知りたいと思わない」から「知りたい」に移行していくのがいいのかなーと思いつつ、難しいな!
(-9) 2015/07/10(Fri) 16時半頃
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だって、あの人は私たちを“なおそう”としているんでしょう? あの人にとって、人間が正常で、私たちは異常。 それなら、異常な方を正常な方に合わせようと思うのは、仕方ないことだわ。
[ジリヤの言葉>>*9にはそう返す。私が理解できないのは、そこじゃない。どうして人間が正常で、私たちが異常と判断されるのか、ということだ。数の暴力としか思えない。 そして勝手に異常と判断して、勝手に“なおそう”とするのは余計なお世話だということだ]
どこで……。
[新たな声の質問>>*8に、ふと、そういえば知らない、と考えた。 だって私は、そんな実験とやらに興味はないし、縁もなかった。だから実験とやらが行われている場所にも興味がなかったのだけれど]
(*11) 2015/07/10(Fri) 19時頃
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庭園の奥に、そんな場所が。
[ジリヤの回答>>*10に思わず呟く。 私にとって、第二棟の終点は第二図書館で、まさか庭より奥に別の施設があるなんて、思ってもみなかったから]
ジリヤ、時々姿が見えないと思っていたけれど、もしかして、そこにいたの?
[そもそも、私は普段はこんな時間には起きていない。他の人たちとは活動時間の違う夜行性。その上、人と関わるのがあまり好きじゃない。 私のそんな生態ゆえに姿を見かけないのだとばかり思っていたけれど、それだけではなかったのかもしれない。 そうだ、そもそも、ジリヤは人間と面と向かっていがみ合っている分、目立つはずなのだ]
(*12) 2015/07/10(Fri) 19時頃
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[クラリッサによろしくされてしまった>>48けれど、さて、私は何をしたらいいのだろう。 己のことを「邪魔」と言うのには「そんなことはないわ」と言ったけれど、別に引き止めることもしなかった]
自由って、そんなにいいものなのね。
[浴槽に浸かりながら、脱衣所での会話>>46を思い出して、呟く。 私はここしか知らない。ここに来る前のことを覚えていない。だから、自由がどんなものかを知らない。 なぜか懐中時計は“大切なもの”という気がするから、大切なものを持っていた私は、それなりに幸せだったんじゃないかと思うのだけれど、想像の範疇を出ないのだ]
なるほどね。 背中の傷は大丈夫?
[器用に髪を洗う様子>>47に、相槌を打つ。よろしくされてしまったけれど、やっぱり私の出る幕はなさそう。 ジリヤの髪は不便なこともあるけれど、そこは伊達に18年も付き合っていない。洗い方も利用法もばっちりなのだろう。……怪我をしない対処法はまだのようだけれど]
(59) 2015/07/10(Fri) 19時半頃
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私?
[質問を返される>>47と瞬いた。後ろを向いて、少しばさばさと翼を動かしてみる。私の首は、人間より少しばかり良く回るのだ。 鳥籠の中では役に立たない私の翼]
だって、梟はわざわざ入浴したりしないでしょう?
[せいぜい水浴びするくらいだと思う]
だから、翼はそんなに念入りに洗ったりしてないの。
[熱いシャワーをかけて、乾かした後、少し念入りに整えるだけ。洗うことよりも、洗ってからの方を気にしている。多分こういうのを羽繕いというのだろう。生憎私には、脂肪を塗る嘴はないけれど]
(60) 2015/07/10(Fri) 19時半頃
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[浴槽で茹るのに飽きて、上がった後、髪と体を洗った。 その後翼に熱いシャワーをかける。やっぱり私の翼は水をよく弾いた。脂肪を塗ったりしていないのにお利口な私の翼。 ばさばさと羽ばたけば、水滴を振り落としてしまう]
背中を洗うくらい手伝いましょうか。
[傷のあるジリヤの背中。クラリッサによろしくお願いされたことを思い出せば、珍しくそんなことを申し出てみたけれど、ジリヤはどうしただろう。 どちらにしても、入浴を済ませば、ふわ、と私の口からはあくびが漏れた。 懐中時計を見れば、こんな時間まで起きていたのは初めてかもしれない、という時刻]
私、部屋に戻るわね。
[手を上げる代わりに、ぱたりと一度羽ばたいてみせたのは、単なる気まぐれ。 そして、私は大浴場を後にした]
(61) 2015/07/10(Fri) 20時頃
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マユミは、ジリヤの白衣姿が女医に見つかったら、またひと悶着あるんでしょうね…と考えながら、廊下をゆっくりと歩いていく。
2015/07/10(Fri) 20時頃
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独房。
[ジリヤの言葉>>*13を反芻する。 考えてみれば、物騒な実験をやっているのだ。物騒な場所があってもおかしくはなかった。 けれど、その存在を予想するのと、実際にあると確認するのでは、やっぱり受ける衝撃は違うらしい。 暴れても怪しい薬を投与されて。それでもジリヤは暴れ続けるのだろう。抗い続けるのだろう]
ジリヤは、強いわ。
[愚かだとは思う。けれど、自分にはない強さがあることも間違いないと思う]
私、ここを出られるとは思っていないの。 だけど、もしここから出られる獣がいるとすれば、それはジリヤのように抗い続ける人なんだと思うわ。
(*14) 2015/07/10(Fri) 20時頃
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―第一棟・廊下―
[ジリヤからの謝罪>>63には、「私が勝手にしたことだから」と返した。 どういう風の吹き回しかと自分でも思うけれど、気が向いた。ただそれだけだ]
世界の果てを目指しても、終わりが見えない……。
[ジリヤに聞いた自由の話>>62を思い出して、呟く。 私はこの鳥籠の中しか知らない。覚えていない。 見知らぬ自由な外の世界は、私には途方のないものに思えた。 私はこの鳥籠に、閉じ込められているけれど。 人間たちは、閉じ込められているわけじゃない。 選んで、ここにいる。その意味がわからない。 それだけでも、相容れない存在なのだと思う]
(64) 2015/07/10(Fri) 20時半頃
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[抗う方が、楽。そのジリヤの言葉>>*15は、すとんと私の胸に落ちてきた]
……ああ、そうなのね。
[私は、知識を求めている。第二図書室で本を読むことを求めている。 それが私の優先順位の第一であるように、ジリヤは抗うことを求めているのだろう]
ジリヤには、諦めないでいてほしいと思うわ。
[その姿を愚かだと思いながら、それでも。 折れてしまうジリヤは、見たくないと思った]
(*18) 2015/07/10(Fri) 21時半頃
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ここから出られたら……?
[誰かから投げかけられた質問>>*17に、考える。 聞き慣れない声だった。私はここに10年いるのに、聞き慣れない声だった。 けれど私は、ついさっきまで独房の存在も、知らなかったのだ。 知らない誰かがいたとしても、多分不思議なことではないのだ]
……わからないわ。私は外の世界を覚えていないから。 でも……そうね。思い切り空を飛んでみたいとは、思うわ。
[大きすぎる私の翼で。本物を知らない、夜の、空を]
(*19) 2015/07/10(Fri) 21時半頃
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[ジリヤが女医に見つかってしまったら、ひと悶着あるだろう。そう思ったのに、ジリヤはむしろ積極的に女医を探しに行くつもりらしい>>69。 すっかり薬の影響も抜けきったらしい元気な様子に、そっと息を吐いた]
ジリヤは、元気ね。
[私はというと、正直もう眠くて仕方ない。夜行性なことに加えて、体力もあまりない方なのだ。 ジリヤのような速度で歩くことすら難しくて、我ながらふわふわとした足取りで。当然、先を行くジリヤとの距離もどんどん開いていく]
……う。
[かくん、と。 とうとう歩きながら、うたたねしそうになってしまう。 入浴後の就寝がぐっすり眠るのに効果的、というあの本はとても正しかったらしい。 けれど、今は困る。せめて、自室まではもってくれないと。 そう思うのに、とうとう私は立ち止まってしまった]
(74) 2015/07/10(Fri) 21時半頃
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マユミは、壁にもたれてうとうとしはじめたが、やがてずるずるとその場に座り込んでしまった。
2015/07/10(Fri) 22時頃
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/* そうだよ! なんでこんなに喉枯れるの早いのと思ったら、こないだ入ってた村は1500ptだったよ! この村1000ptだよ! 気づくの遅いよ! (そして1500ptでも喉カツカツだった人)
やっちまった感が酷い。
(-19) 2015/07/10(Fri) 22時頃
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[すぐ側の喧騒にも気づかずに、私は眠っていた。 夢を、見ていた]
「ごめんね、マユミ。―――は、亡くなったの」
「―――一人じゃ、あなたを隠し通すことが、できないのよ」
「ごめんね、ごめんなさい、マユミ……」
[誰かの声がする。私の知らない温もりがする。 誰かの落とす温かな雫が、私の肩を濡らす。 これは、なんだろう。ただの夢? それとも……?]
(102) 2015/07/10(Fri) 23時半頃
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/* マユミは突然変異です。 11歳の時この施設に来るまで、両親に匿われて育ちました。夜行性なのも多分都合がよかった。 11歳の時、父親が亡くなって、一人では隠しきれないと母親が諦めてここに連れてこられることになりました。 懐中時計は父の形見。定期的に支給される服は母の差し入れ。 ここに来る以前の記憶がないのは、ここに連れてこられる時、泣き叫んで大暴れして高熱出して寝込んで、ショックのあまり記憶をなくしてしまった感じ。
(-43) 2015/07/10(Fri) 23時半頃
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マユミは、ノアが拳銃を持っていることなど知らない。
2015/07/11(Sat) 00時頃
マユミは、ヴェスパタインはつかみどころのない人間だと思っている。
2015/07/11(Sat) 00時頃
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/* 飴をぽぽいっと!
(-47) 2015/07/11(Sat) 00時頃
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…………かあさま。
[夢見る私が零した寝言。 きっと目を覚ませば、忘れてしまう]
(*20) 2015/07/11(Sat) 00時頃
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……………………。
[声を、掛けられた>>119ような気がした。 口の中で小さく何かを呟いて、私は目を開ける。 私は何を言ったのか。目を開けた途端、忘れてしまった。 夢なんて、そんなものだ]
……すみません。
[目をこすって、私は我慢できなかったあくびをひとつした。こんなところで眠ってしまうなんて、なんという失態]
部屋に、戻ります。
[別の場所。それは多分良くない。 きっと一番誰にも煩わされることなく眠れる場所は、自分の部屋だ。 眠気を誤魔化すように何度も瞬きをしながら、私はゆっくり立ち上がった]
(122) 2015/07/11(Sat) 00時半頃
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[本物の空は、青いのだという。 本物の夜空は、月が光り、星が瞬くのだという。 空から雨という水の雫が降ることもあるのだという。 どれも私は知らない。知らないけれど]
……ありがとう。
[フィリップが翼を羨んでいることは知っている>>0:117。 色を持たない私が、夜を飛んでも、きっと闇に溶けてしまうだけだと思うのに、フィリップはきっと綺麗だと言ってくれる>>*22。 モノクロの私より、フィリップの方がよほど綺麗だと思うのに]
そんな日が来たら、いいと思うわ。
[来るとは思っていない。けれど、来たらいいと思う。 外の世界に出て、私が夜の空を飛ぶ日。 そんな日が来たら、フィリップに見せてあげよう。 そう、それに……]
(*23) 2015/07/11(Sat) 00時半頃
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